イギリスの市場調査会社ユーロモニターインターナショナルは11月9日、世界の観光産業に関する最新の調査を発表しました。
急速なインフレが進行し、交通や輸送の混乱、原材料価格の高騰など厳しい事業環境が続くなか、多くの観光事業者が値上げに踏み切っています。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
英ユーロモニター、世界の観光産業に関する最新の調査を発表
ユーロモニターインターナショナルは11月9日、「Travel and Hospitality Global Outlook and Innovation Guide(トラベル&ホスピタリティ・グローバル展望&イノベーション・ガイド)」をリリースしました。
急速なインフレ、事業者の56%が「値上げ」実施
この調査は世界の観光産業に関する最新の動向を分析したもので、2022年の海外旅行消費額は、全体で前年比88%増になると予測しています。
いっぽうで旅行事業者から「過去12か月間の旅行ビジネスへの影響」として最も多く挙げられたのは、「インフレ」で全体の6割以上を占めました。
インフレ率は2022年に9%に達し、2023年でも6%になると予測されています。
さらに「交通・輸送の混乱」や「生産・流通コストの高騰」、「原材料価格の高騰」もそれぞれ5割以上にのぼりました。
このような環境の中で競争力を維持するため、調査に回答した旅行事業者のうち56%が2022年に「値上げ」に踏み切っており、24%が後払いなどさまざまな決済方法を検討するなどの対応を行っています。
「テクノロジー」と「サステナビリティ」が重要
ユーロモニターの分析では、今後の観光産業の成長のためのキーとして「テクノロジー」と「サステナビリティ」が強調されています。
テクノロジーに関しては、「今後5年間で旅行ビジネスに影響を与えうる技術」として「ビッグデータ解析」との回答が最多で65%以上を占め、次いで「人工知能(AI)」が49%となり前年調査と同じ項目がランクインしました。
サステナビリティに関しては、旅行の項目としてパッケージツアーやショッピングなどマスマーケット向けの項目が75%と多くの回答者から支持を得ているものの、持続可能性に関する項目を少なくとも1つは選択した消費者が全体の60%以上にのぼりました。
旅行事業者の58%は「顧客はサステナブルな商品やサービスにより多く支払う傾向がある」とも回答しており、よりグリーンな旅行への関心が高まっていることがうかがえます。
また旅行事業者が顧客に受け入れてもらえると考える値上げ幅は、「10%まで」が最多で全体の3割弱を占め、「5%」(25%強)、「値上げ自体が受け入れられない」(25%弱)と続いています。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!
<参照>
EUROMONITOR:Travel and Hospitality: Global Outlook and Innovation Guide