2022年10月の水際対策緩和後、日本を訪れる外国人の数は急速に回復しています。
日本政府観光局(JNTO)が1月17日に発表した訪日外客統計(2023年12月および年間推計値)によると、2023年の訪日外客数は2,500万人を突破。2019年比78.6%で、新型コロナウイルス感染症拡大前の8割程度にまで回復が進みました。
同日に発表された観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、訪日外国人旅行消費額は5.3兆円と過去最高を記録するなど、訪日外国人の消費行動が活発化している状況です。
本記事では、カナダ市場のインバウンド動向について、最新データを交えて解説します。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
2023年の訪日カナダ人数は42万5,900人。訪日需要はコロナ禍前以上
日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計(2023年12月および年間推計値)によると、2023年の訪日カナダ人数は42万5,900人で、2019年の37万5,262人より13.5%増加しました。
2023年の年間推移を月別で見ると、4月までは2019年を下回る水準でしたが、5月以降は2019年より高い水準で推移し続けています。
2023年の訪日カナダ人数は直近10年で最も多い結果となりました。日本から距離の遠いカナダでは航空券の高騰による影響が近隣諸国以上に懸念されたものの、カナダにおける訪日需要はコロナ禍前よりも高まっているといえるでしょう。
需要回復の背景には、水際対策の緩和のほか、トロント〜成田間の増便などにより日本への直行便数が2019年を上回ったことが影響しているようです。
2023年の訪日カナダ人消費額は1,163億円。2019年比74.5%増
観光庁が実施した訪日外国人消費動向調査の結果によると、2023年の訪日カナダ人の消費額は1,163億円でした。
2019年の670億円から74.5%増えているだけでなく、全体に占める割合も1.4%から2.2%に増加しています。順位も12番目から2つ順位を上げて10位に位置するなど、日本のインバウンド市場においてカナダの存在感が大きくなっていることがわかります。
訪日カナダ人の消費額を時期別に見ると、いずれの時期も2019年を上回る結果となりました。とくに注目したいのは10〜12月。カナダでは避寒地であるカリブ海地域などへの旅行需要が高まる時期であるものの、日本とカナダを結ぶ直行便数が2019年水準を上回っていることやクリスマス休暇などの影響により407億円もの消費がありました。
過去10年を比較しても、2023年の消費額は圧倒的な数字を誇るなど、訪日カナダ人の消費需要が急速に拡大しています。
費目別では、最も消費額が多い宿泊費が476億円、次いで飲食費が274億円、買物代が186億円、交通費が176億円、娯楽等サービス費が52億円でした。宿泊費が予算全体の41%を占めており、同様の傾向のある欧米豪と同じく、訪日カナダ人の日本旅行は長めの滞在が多いことが影響していると考えられます。
2019年と比較して予算全体に占める買い物代の割合が3%増えた点にも注目です。継続的な円安の影響などにより、訪日カナダ人の購買意欲が高まっていると考えられます。
2023年における訪日外国人全体の一人当たり旅行支出は21万2,193円であるのに対し、訪日カナダ人は27万3,329円でした。
全体平均よりは高いものの、日本から距離があって長めに滞在する傾向のある欧米豪と比較すると、訪日カナダ人一人あたりの旅行支出額は若干低めの水準になっています。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
<参照>
JNTO:訪日外客数(2023年12月および年間推計値)
観光庁:訪日外国人消費動向調査
2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
2024年も残りわずかとなりました。来年2025年は大阪・関西万博が開催されるほか、中国市場の回復などもあり、今年以上の盛り上がりが予想されています。2025年に向けて、訪日旅行者へ向けたマーケティング戦略を強化していきたいと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、株式会社movが毎月開催している「訪日ラボトレンドLIVE」をスペシャルver.としてお届け。今こそ知っておきたい「インバウンド×デジタルマーケティング戦略」を徹底解説します!
<本セミナーのポイント>
- 観光・インバウンドに詳しい専門家3名が登壇!
- 2025年に向けた「インバウンド×デジタルマーケティング」の戦略や施策について、「深掘り」した情報を「いち早く」「無料で」学べる!
-
質疑応答の時間もご用意。インバウンドに関する疑問・お悩みについて、専門家から直接「ヒント」を得られる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!