世界の航空需要 アジア市場を中心に拡大、夏まで盛り上がりが続く予想【IATA旅客需要データ 2024年3月】

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

国際航空運送協会IATA) は、2024年3月の旅客需要に関するデータを発表しました。

3月の世界の航空需要(RPK)*は、国際線と国内線合わせて、前年同月比で13.8%増加しました。市場をリードするのはアジア太平洋地域で、需要は同38.5%の増加を記録し、全地域中最高の伸び率でした。

今後も世界の航空需要は成長を続けると予想され、夏の旅行シーズンまで盛り上がりが継続すると見られています。

*RPK(Revenue Passenger Kilometers)…有償旅客キロ(有償旅客数×輸送距離)

関連記事:国際線就航状況、コロナ前比「93%」に回復:国別1位は「韓国」【航空便動向まとめ】

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)


アジア太平洋を中心に、国際線は力強い伸び

続いて、2024年3月の国際線需要(国際線RPK)は、すべての地域において前年同月比でプラスを記録。市場全体では18.9%の増加となり、この結果を受けて国際航空運送協会は「(市場は)力強い成長を示した」と発表しています。

前月(2024年2月)と比較して年間成長率は低下したものの、成長率は2019年に記録した過去最高記録を更新。航空業界では過去最高レベルの旅客輸送量を記録しています。

市場の成長をリードするのはアジア太平洋地域です。同地域では、国際線RPKが38.5%増加(前年同月比)しました。2月の51.1%増と比較すると多少緩やかな成長となりましたが、依然として業界の成長を牽引する存在です。

アジア太平洋地域のなかでも、大きな市場を占めるのが中国です。中国ーアフリカ間の国際線RPKは33.7%増(2019年同月比)と大幅な伸びを記録する一方で、米国との政治的緊張などが影響し、中国ー北米間の定期航空便数はコロナ禍前の83.5%減にとどまっています。

そのほかの市場では、中南米では前年同月比で19.7%増を記録。次いで北米が14.5%増、欧州が11.6%増となっています。

▲国際線のRPK伸び率(2023年同月比):IATAより訪日ラボ作成
▲国際線のRPK伸び率(2023年同月比):IATAより訪日ラボ作成

国内市場の伸び率はコロナ前と同等

2024年3月の業界全体の国内線需要(国内線RPK)は、6.6%増(前年同月比)と緩やかな成長を記録。コロナ禍以前の平均的な伸び率(前年比5~7%程度)と同等の成長率に回復しています。

市場を牽引するのは中国で、国内線RPKは17.6%増(前年同月比)で堅調に推移しています。春節休暇のあった2月の35.1%増(前年同月比)と比較すると成長は少し鈍化しましたが、依然として市場全体で突出した伸びを記録しています。

日本の国内線RPKは、3.3%増(前年同月比)を記録。景気減速の影響で、2023年後半から一時的に国内線需要の減少が見られましたが、2024年に入り回復傾向にあります。

また、2024年2月に14.0%増(前年同月比)だったオーストラリアは、2024年3月は同1.8%増と、伸び率が大幅に減少しました。同国では2024年1月から3月にかけて経済情勢が悪化しており、需要減少の一因となっていると予想されています。

▲国別国内線のRPK伸び率(2023年同月比):IATAより訪日ラボ作成
▲国別国内線のRPK伸び率(2023年同月比):IATAより訪日ラボ作成

夏の旅行シーズンまで盛り上がりは続くと予想

国際線、国内線ともに堅調な成長を見せる世界の航空需要。

この結果を受け、国際航空運送協会 事務局長のウィリー・ウォルシュ氏は、「航空需要はとても堅調だ」として「需要の拡大は夏のハイシーズンまで続くだろう」と予想しています。また、「(需要拡大に合わせて)必要な人員を確保し、空港や航空交通管理が効率よく運営されることが求められる」と述べました。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!

訪日ラボに相談してみる

<参照>

国際航空運送協会 (IATA) :Air Passenger Market Analysis March 2024

国際航空運送協会 (IATA) :Passenger Demand Up 13.8% in March

訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボおすすめのセミナーや記事をご紹介します。

KKdayから学ぶ、アジアのインバウンド動向最前線!


2024年5月に日本政府観光局(JNTO)から発表された訪日外客数推計値は304万人100人となり、引き続き訪日外客数は伸びる傾向にあります。

また、訪日外客数を国別で見ると韓国が多く、次いで中国、台湾となっており、アジア圏で見ると全体の78%を占めています。

そこで今回は、アジア最大級のオプショナルツアー予約サイト「KKday」とともに、アジア圏からの観光客の現在の動向と今後の見通しについて、最新のデータと共に詳しく解説します!

    詳しくはこちらをご覧ください。
    KKdayから学ぶ、アジアのインバウンド動向最前線!観光タイプからみる人気の秘訣を徹底解剖


    【インバウンド情報まとめ 2024年6月前編】日中韓サミット開催、2025〜26年が「日中韓文化交流年」に 他


    訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

    この記事では、2024年6月前半版レポートから、5月後半~6月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

    最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

    本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

    最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

    口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

    詳しくはこちらをご覧ください。

    日中韓サミット開催、2025〜26年が「日中韓文化交流年」に / 4月外国人宿泊数は1,315万人泊、国籍別「台湾」が1位に【インバウンドまとめ 2024年6月前編】

    今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

    スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

    「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

    → 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる


    完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

    関連インバウンド記事

     

    役にたったら
    いいね!してください

    この記事の筆者

    訪日ラボ編集部

    訪日ラボ編集部

    訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

    プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに