ペルソナとは?意味・マーケティングへの活用・どう設定する?ターゲットとの違いも解説

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ペルソナとは、商品やサービスを利用すると考えられる消費者やユーザー像のことです。

マーケティングではよく使われる言葉で、「ターゲット」と似た意味に捉えられがちですが、ペルソナはより詳細で具体的な顧客像を描く点が特徴です。

インバウンド需要が増えている今、ペルソナを設定することで、訪日外国人のニーズや行動パターンをより深く理解できるようになります。それにより、ターゲットに合った施策を展開し、効果的な集客が可能になります。

この記事では、ペルソナの基本的な意味、ペルソナ設定のメリット、そして実際に設定する際のポイントについて分かりやすく解説します。


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ペルソナとは?

ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する消費者の典型的人物像を意味します。

マーケティングにおけるペルソナの定義や、似たような使い方をされる「ターゲット」との違いについて解説します。

マーケティングにおけるペルソナ

マーケティングにおけるペルソナは、商品やサービスを利用する顧客の典型的な人物像を、具体的かつ詳細に設定したものです。

年齢や性別、居住地、職業、趣味、休日の過ごし方など、まるで実際にその人物が存在するかのように、リアリティのある詳細な情報を設定します。

ペルソナとターゲットの違い

ペルソナとターゲットは似たような使い方をされますが、実際は両者の間に違いがあります。ターゲットは比較的広い範囲で顧客イメージを捉える概念ですが、ペルソナではより詳細な行動様式まで規定し、リアリティのある人物像を想定します。

たとえばターゲットでは「20代半ばの女性」といったように、年代や性別などの属性を設定をします。

一方、ペルソナでは「女性、25歳、会社員、東京都世田谷区在住、広告代理店勤務、社会人3年目、Instagramを頻繁に利用している」といったようにターゲットよりも詳細な情報を設定します。

ペルソナをマーケティングへ活用するには

詳細なサービス・商品のユーザー像であるペルソナについて、マーケティングへ活用することを「ペルソナマーケティング」といいます。

ペルソナマーケティングには、詳細に設定したペルソナのニーズ を満たせるような商品の開発やサービスの発案、またその情報を発信することなどが含まれます。

ペルソナマーケティングで架空の人物像を想定することにより、適切なマーケティング施策の採用ができるようになります。

ペルソナを設定する3つのメリット

ペルソナの設定はマーケティング戦略に生かすことができ、集客や売上アップも期待できます。以下では、ペルソナを設定することのメリットを3点解説します。

1. メンバー間での認識の共有がスムーズになる

ペルソナを設定することで、顧客となる人物像をメンバー全員で共有できるため、業務内容が異なるメンバー同士でも統一した理解を持つことができます。

たとえば顧客像の認識にズレがあると、「このアプローチが本当に適切なのか」といった判断が難しくなります。ペルソナを設定していれば、組織内でスムーズに意見を一致させ、マーケティングや集客の施策に一貫性を持って取り組むことが可能になります。

2. 戦略が定まりやすくなり、時間・コストの削減へ

ペルソナを設定することでターゲットとするユーザー像が明らかになるため、無駄のない戦略立案が可能になります。その結果、計画に費やす時間やコストを大幅に削減することができるでしょう。

また、ターゲットが明確なため、組織として目指す方向性が定まりやすくなり、集客や売上につながるアイデアを優先的に考えられます。

意思決定の過程で意見が対立した場合でも、「設定したペルソナ」を基準に議論できるため、合意形成にかかる時間も短縮できます。

3. ユーザー目線で商品・サービス開発ができる

ペルソナを設定することで、顧客の視点に立った商品やサービスを開発しやすくなります。

ペルソナ設定によって「顧客が求めているもの」や「魅力を感じるサービス」が明確になり、具体的なニーズに応える施策が可能になります。

一方、幅広い層を狙って商品やサービスを開発すると、結果として特徴のないありきたりなものになりがちです。ペルソナ設定を行うことで、顧客の生活様式や価値観に合致した、独自性の高い商品やサービスを生み出すことができます。

ペルソナを設定するときに検討する要素

ペルソナ設定を行う際には、顧客像をできるだけ具体的に描くことが重要です。ここでは、ペルソナ設定時に検討すべき主要な要素を紹介します。

1. 基本的なプロフィール

ペルソナの人物像を具体的にイメージするための基本情報を検討します。

  • 名前:想定する顧客に合う架空の名前(例: 山田花子、ジョン・スミス)
  • 年齢:年齢層(例:25歳、30代)
  • 性別:男性、女性、またはその他の性別
  • 職業:業界や役職(例: ITエンジニア、飲食業従事者、マネージャー)
  • 年収:経済的背景を理解するための収入レベル(例:650万円)
  • 居住地:都市部、地方、または国(例: 東京都渋谷区、海外在住)

2. 趣味やライフスタイル

顧客の日常的な行動や関心を深く理解するために、趣味やライフスタイルも設定します。

  • 趣味・興味:好きなアクティビティ(例:旅行、アウトドア、映画鑑賞)
  • 価値観:人生で大切にしているもの(例:健康、家族、キャリア)
  • ライフスタイル:平日の過ごし方や休日の過ごし方(例:平日は仕事中心、週末は友人と過ごす)

3. 行動パターン

ペルソナがどのように情報を収集し、意思決定を行うかを把握します。

  • 情報収集手段:SNS、検索エンジン、口コミなど(例:Instagram、Google)
  • 購買プロセス:商品購入やサービス利用までの流れ(例:SNSで調べてからオンラインで購入、Googleの口コミを見てからオンラインで購入)
  • 使用デバイス:おもに使用する端末(例:スマートフォン、PC)

4. ニーズや課題

ペルソナが抱える問題や解決したいニーズを特定します。

  • ニーズ:顧客が求めているものや期待する価値(例:時間を節約できるサービス、写真映えする観光地)
  • 課題:顧客が直面している問題や不満(例:多言語対応されていない、ハラル対応されている飲食店が少ない)

5. 心理的要素

購入や利用に関する意思決定を左右する心理的な側面を把握します。

  • 動機:商品やサービスを利用する理由(例:特別な体験がしたい、便利だから)
  • 不安や懸念:購入や利用をためらう理由(例:コストが高い、使い方がわからない、英語が通じない)

これらの基本的なプロフィールから行動パターン、心理的な要素まで幅広く検討することで、ターゲットに合わせたマーケティング施策や商品開発が可能になります。

ペルソナを策定する手法

設定すべき項目を決めたら、データに基づいてその項目に回答を当てはめていきます。データの収集方法には、次のような方法があります。

インタビューやアンケート

ペルソナを策定する前には、「20代・女性・会社員」といったように、大まかなターゲットは設定されている場合がほとんどです。

そこでそのターゲット層に向けてインタービューやアンケート調査を行い、生の声を拾ってデータ化します。

既存のデータの活用

政府機関の各種の調査などを含め、欲しいデータが含まれている調査結果が既に公開されている場合があります。

ソースの信憑性や時代の変化などに注意を払い、必要があれば自社で再分析などを行えば、そうした既存のデータの活用も有効な方法です。

アクセス解析

ターゲット層が活発にネットを利用している場合には、ネットのアクセス解析も有効なデータ収集ツールになります。

Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを事前に入れておけば、自社のWebサイトを訪れたどんな層のユーザーが、何をクリックして、何を買ったかといったことをデータ化できます。

こうしたデータはユーザーの行動や興味・特性を掴むうえで大変貴重なデータとなります。

ペルソナを設定する際の5つのポイント

ペルソナを設定するうえでは、ただリアリティのある人物像を考えるだけでは不十分です。

ここでは、店舗の集客や売上アップを狙うために、ペルソナを考える際のポイントを5点解説します。

1. 思い込みや理想で設定しない

ペルソナ設定では具体的な人物像を想定しますが、「うちの店にはこんな特徴の人が来るだろう」と店舗スタッフの思い込みや理想でペルソナを設定してしまうと、ペルソナ設定にあまり意味がなくなってしまいます。

どんな消費者に店舗を利用してほしいのかという視点も持ちつつ、実際にどんな人が利用してくれているのかを明確にし、両者を参考に詳細を設定していくことが大切です。

SNSやブログ、口コミ、店舗で行っているアンケートなどから、実情に沿ったペルソナを設定することが重要です。

2. 実在しそうな人物像を考える

実際に手に取ってもらえる商品やサービスを開発するためにも、ペルソナには実在しそうな人物設定をすることが重要です。

身の回りに実際に存在しそうなユーザーを想定しないと、そこから導き出すニーズや行動が机上の空論になってしまいます。

3. 情報を絞り込み、わかりやすさを重視する

ペルソナを設定する際は、あまり情報を詰め込みすぎず、必要な情報だけをピックアップして設定することが大切です。

ペルソナは実在すると考えられる人物を想定するため、設定が詳細になりすぎてしまう可能性がありますが、これによりスタッフの解釈に違いが生まれたり、マーケティングの方向性を誤ってしまうおそれが生じます。

関わるメンバー間でペルソナを共通認識として用いるためには、誰にでもわかりやすい人物像にすることがポイントです。写真や動画を活用し、視覚的に共通イメージをもつことも効果的です。

4. 設定しただけでは不十分、定期的な見直しが重要

ペルソナは一度設定したものを継続して使うのではなく、定期的にどんな人物像であるかを見直す必要があります。

ペルソナは、実在に近い人物像を想定していますが、ユーザーを取り巻く環境や情報、ユーザーの趣味嗜好は日々刻々と変化しています。また、想定していたペルソナと実際に訪れる顧客の人物像が異なる可能性もあります。

ペルソナと実際の顧客が乖離しないようにするためにも、ユーザーの動向に着目し、定期的にペルソナを見直すことが重要です。

5. 市場を分析して強みを把握する

ペルソナを設定する際には、市場や競合の状況を分析し、店舗の強みを把握することが重要です。

自店における競合との違いを明らかにすることで、自店の強みが明確になります。強みを活かすことで、ペルソナにとってもより魅力的なマーケティングを行える可能性が高まります。

適切なペルソナ設定で集客を促進

ペルソナとは、サービス・商品のユーザーとなるようなリアリティのある人物像です。

ただ単に店舗のイメージからペルソナ設定してしまうと、実際の顧客と乖離してしまうおそれもあります。店舗の利用者アンケートやSNSへのリアクションなど、客観的なデータをもとにペルソナを設定することで、取り組みの実効性が高まります。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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