インタビューのコツとは?下準備や成功させるためのポイントなど

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

情報収集手段のひとつに「インタビュー」があります。インタビューではただ他者の話を聞くだけでなく、必要な情報を的確に引き出すために下準備が欠かせません。

コロナ禍以降、オンラインインタビューを実施する機会が増えた人もいるでしょう。場所を選ばず実施できるため、さまざまな人の話を聞きやすいメリットがある一方で、気を付けることもあります。

本記事ではインタビューに関する基本的な情報、インタビューとヒアリングの違い、インタビューを成功さるためのコツや手法を解説します。

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

インタビューとは

まずはインタビューの基本情報を解説します。

情報を得るために人と会って話を聞くこと

インタビューとは、情報収集や仮説検証を行うために他者から話を聞くことを指し、基本的にインタビュアー(質問する側)インタビュイー(回答する側)の対話形式で行われます。

インタビューの目的は「相手から話を聞くこと」そのものである場合が多く、インタビュー自体がコンテンツ化され、記事や動画など、何らかの形で発信されることがほとんどです。インタビューで収集した情報から、テーマに対する新しい気付きや見方を生むことが期待されています。

似て非なる「ヒアリング」

インタビューに似たものとして「ヒアリング」があります。

インタビューの目的が「話を聞くこと自体」であるのに対し、ヒアリングは、すでにある別の目的のために、他者の考え方や情報などを聞き出して詳細を明らかにしていく手法を指します。

内容の精度を高めることが重要であるため、ヒアリングはさまざまな人を対象に複数回実施されることもあります

インタビューのコツや心掛けておくこと

インタビューは、インタビュイーがいてこそ実施できます。有益な情報を引き出すには事前の準備が大切です。

ここではインタビューを実施する上でのコツや心掛けておくべきことを解説します。

インタビューする相手を紹介してもらう

インタビューを成功させるためには、テーマに適したインタビュイーを見つける必要があります。テーマにふさわしい人物が知人ではない場合、紹介をお願いすることになります。

たとえば業界に精通したベテランにインタビューしたい場合、自身の知り合いの中でもっともそのベテランに近しいと考えられる人を訪ね、紹介を依頼するといいでしょう。

まったくの初対面でアプローチをかけるよりも、共通の知人から紹介を通じて連絡をとることで、相手に不審がられることなくスムーズに依頼を受けてもらえる可能性が高まります

どうしてもインタビューしたい対象者がいる一方、紹介してもらえそうにない場合は、SNSなどでダイレクトメールを送って交渉するのも一案です。

相手の都合を最優先する

スケジュール調整する場合は、インタビュー対象者の都合を最優先しましょう。

特に、海外在住者にインタビューを行う場合は、居住地や時差を考慮して、参加しやすい日時を設定しましょう。また、インタビューの前日や数時間前にリマインダーを送ることで当日のキャンセルを防ぎましょう。

下準備は念入りに

インタビューはインタビュイーの時間を拘束することにもなるため、相手にとってその時間が無駄なものとならないよう、念入りな下準備をすることが大切です。もちろん、聞きたい内容を引き出せるためにも下準備は必要不可欠です。

特にやっておくべきことは、事前の質問リストの作成と、全体のタイムラインの意識です。

限られた時間の中でインタビュイーから欲しい回答を引き出すためにはどんな質問が適切か、緊張せずに話してもらうためにはどんな順番で質問を投げかけるべきか、といった全体の流れまでも想定しておきましょう。

インタビュイーについて調べておくことはもちろん、業界やインタビューのテーマについて事前に調査して十分な知識を蓄えておくことも大切です。インタビュイーの経歴はもちろん、執筆歴があればそれも事前にくまなく目を通しておき、考え方や価値観などを落とし込んだ上でインタビューに臨みます。

また、回答を引き出すだけでなく、相槌を打つなどのリアクションで話しやすい環境を整えることも意識するとよいでしょう。

多角的な質問を投げかける

インタビュイーの中には、質問に対してシンプルに回答する傾向が強い人もいます。

情報の真偽を確認するためだけなら「はい」「いいえ」で回答できるような質問を投げかけることもありますが、インタビューでは、インタビュイー自身の言葉で回答を得ることに意義があります。自身の言葉で答えやすくなるよう、多角的な質問を投げかけることが大切です。

ひとつの事象に関する質問でも、過去のこと、現在のこと、未来のことを問うのでは回答が異なるように、ひとつの物事に対してさまざまな角度で質問を投げかけてみましょう。

インタビュイーの言葉を引き出しやすくなり、物事の全体像や本質が見える、深みのあるインタビューにつながります。

オンラインインタビューのポイント・手順

オンラインインタビューを効果的に行うためには、計画的な準備と工夫が重要です。以下に、オンラインインタビューのコツを段階ごとに詳しく解説します。

対面でのインタビューにも共通するコツもあるので、インタビュー実施前に確認してみてください。

1. インタビュー前の準備

まずは、事前の準備です。

・ターゲットの明確化

インタビュー対象者を明確に定義します(例:訪日観光客の中でも特定の国籍や旅行目的を持つ人)。

多様な意見を収集するために、属性(年齢、性別、文化背景など)を考慮して選定するのがポイントです。

・質問の設計

質問は簡潔で具体的にし、回答しやすい順序で構成します。

また、開かれた質問(自由回答)と閉じた質問(選択肢や数値回答)をバランスよく組み合わせましょう。

  • 例:自由回答:「日本で最も印象に残った体験は何ですか?」
  • 選択肢:「観光中に困ったことを選んでください。(言語、Wi-Fi、交通など)」

・ツールの選定

Zoom、Google Meet、Teamsなど、利用するプラットフォームを決定します。

プラットフォームの機能(録画、画面共有、チャット機能)を事前に確認しておき、インタビュイーにも使用方法を共有しておく必要があります。

・事前リハーサル

インタビュー内容の流れを確認し、リハーサルを実施します。適切な照明と背景で安心感を与えられるようにしましょう。

とくに音声やインターネット接続の状態、画面共有機能の動作をテストします。録画・録音を行う場合も事前に確認しておきましょう。

2. インタビュー実施中

インタビュー実施中のポイントを、例文付きで紹介します。

・リラックスした雰囲気を作る

開始時に自己紹介をし、対象者が安心できる雰囲気を作ります。

例:「今日はお時間をいただきありがとうございます!ざっくばらんにお話できればと思いますのでリラックスしてくださいね。」

・アイスブレイク

簡単な雑談や趣味、旅行体験に関する軽い質問からインタビューをスタートします。

例:「今回の日本旅行で一番楽しみにしていた場所はどこですか?」

・相手のペースに合わせる

質問に対する回答を焦らせず、相手のペースを尊重しましょう。相手の反応を見ながら柔軟に質問の順序を変更することも有効です。また、相手が話している間はしっかりと耳を傾け、適度に相槌を打つなど、話しやすい雰囲気を心がけましょう。

例:「それは素晴らしいですね」「具体的にはどんな体験でしたか?」

・補足質問を行う

回答が曖昧だった場合や、より深掘りしたいときは補足質問を行います。

例:「どうしてその場所が一番印象に残ったのですか?」「たとえばどんな体験ですか?」

記録を忘れない

必ず録画・録音を行い、後で分析可能な状態にしておきましょう。また、録画・録音を行う場合は、必ず事前に許可を取っておきましょう。

3. インタビュー後の対応

インタビュー後は内容を整理するとともに、フォローアップや共有も行いましょう。

・フォローアップ

インタビュー後に感謝の意を伝えるメールやメッセージを送ります。

例:「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。お話を伺えてとても参考になりました!」

・インサイトの整理

インタビューで得た内容を振り返り、要点や重要なトレンドを整理します。

参加者の発言や意見を具体的に引用し、定量データやトピックごとにまとめると効果的です。結果はチーム内で共有し、今後の施策や戦略に活かせる形に落とし込みます。

インタビュー手法4選

最後に、代表的なインタビュー手法を4つ紹介します。テーマに沿った回答をインタビュイーから引き出すために最適な手法を実践してみてください。

1. 構造化インタビュー

引き出したい情報や聞きたい回答が明確な場合には「構造化インタビュー」を実践してみましょう。あらかじめ設定した質問内容を、決まった文言で決まった順番で質問していく手法です。

インタビューはその場の流れなどで追加の質問が発生する場合も多いものですが、構造化インタビューではそれを避け、事前に決められた通りに進行していきます。

初心者やインタビュアーを務めることに苦手意識を持っている人は、インタビュイーを前にすると、緊張して十分に質問できなくなってしまうこともあります。事前に決定した質問リストに沿って回答を得ることで、漏れのないインタビューが進行できます。

単調な回答とならないよう、質問内容はインタビュイーの言葉の引き出しやすさを意識しましょう。決定した質問事項を事前にインタビュイーにわたしておき、目を通してもらうのも有効もです。

2. 非構造化インタビュー

「非構造化インタビュー」は、質問内容を一切決めない状態で「対話」を行うインタビュー手法です。

明確な回答は必要なく、相手との深い議論を交わしたい場合や、インタビュイーに関する事前情報がなく質問内容が明確に決められない場合、明確な答えを引き出すことよりもじっくり話すことを優先する場合などに適しています。

インタビュイーには「インタビューをしたい」という依頼よりも、「話を聞かせて欲しい」といったニュアンスで依頼することで、かっちりとした構造化インタビューとは違う対話の場を設けることができます。

特にインタビューに慣れていない方や年配の方などから話を聞く際に有効な手法で、インタビュイーの気持ちや興味関心を意識し、相手の話を引き出していきます。

相手に合わせて質問を投げかけていくため、一言ずつ聞き漏らさず観察しながら対話を進めます。

3. 半構造化インタビュー

半構造化インタビューは、構造化インタビューと非構造化インタビューの間に位置する手法です。

押さえておきたい質問事項を事前に固めておきつつも、実際のインタビューの流れに応じて、当初は想定していなかった質問を織り交ぜていきます。確実に聞きたいことが数項目しかない場合や、インタビュイーから想定外の回答も引き出したい場合などに適しています。

半構造化インタビューは多くのインタビューで実践されている手法です。質問がしっかり決まっている構造化インタビューでは相手の話を深掘りできない可能性があり、質問がまったく決まっていない非構造化インタビューでは聞きたいことが十分に引き出せない可能性がありますが、半構造化インタビューはそのどちらにも対応することができます。

ただインタビュイーによっては、話が盛り上がらず相手の言葉が引き出せなかったり、逆に話が盛り上がりすぎて脱線してしまったりする懸念点も挙げられます。

4. フォーカス・グループ・インタビュー

テーマや目的に該当する複数の人に対してインタビューを行う手法です。

たとえば「学校教育」をテーマにしたインタビュー記事を作成したい場合、いくつかの学校の教師や教育委員会の職員などを集めます。彼らに質問を投げかけ、対話してもらいながら回答を引き出すことで、多様な情報を収集します。

フォーカス・グループ・インタビューは、1人の回答ではなく、テーマに関係するさまざまな視点から回答を得たい場合回答者同士の議論を通じて新たな発見を得たい場合などに適しています。

多くの人の回答が得られる一方で、数人のインタビュイーを集めるため時間調整が必要になります。ほかにも秘密保持の徹底や話題が大きくそれたときの軌道修正など、インタビュアー側の負担が大きい手法でもあります。インタビュアーは進行役に徹し、全員がそれぞれ言いたいことを発言できているか、発語のコントロールやタイムキーパーを務めます。

ただ、インタビューに慣れていない人たちを同じテーマの元で集めて発言の場を設けることで、緊張がほぐれ、自然と発言が増えていくことが期待できます。

人の意思決定のほとんどは、周りの人々との会話を通じて形成されていきます。フォーカス・グループ・インタビューは回答者たちが他の回答者との交流を通して発言や議論を交わすことで、インタビュアーはより共通性の高い正確な情報を得られます。

取材対象などに合わせて手法を選択

インタビューは得たい回答や引き出したい情報、インタビュイーの性格や人数などによって、適した手法が異なります。

いずれの手法も、成功させるためのコツは共通しています。インタビュイーやインタビューテーマについて事前に情報収集し、事前に質問やインタビューの流れを想定しておくなど、インタビュイーに失礼のないよう進行しましょう。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!

訪日ラボに相談してみる

「売れる観光コンテンツ」5つの法則!地域独自の魅力を活かしたインバウンド向け体験商品のつくり方

インバウンドを地方へ誘客するにあたり、課題の一つとして挙げられるのが観光コンテンツの不足です。地域の魅力を最大限に活かした「この地域だからこそ体験できるコンテンツ」をつくるのが理想ですが、どのように他の地域と差別化すればいいのかがわからず、悩んでいる自治体・企業の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回訪日ラボでは、観光庁「地域観光魅力向上事業」の一次公募が3月3日から開始されるのに合わせて、「売れる観光コンテンツ」をつくるポイントを専門家が解説するセミナーを開催します!無料でご覧いただけますので、ご興味のある方はぜひお申し込みください。

※観光庁の事業に応募しない方もお申し込み可能です!

<本セミナーのポイント>

  • 国内外の観光客から支持されるコンテンツをつくる専門家・ライフブリッジ代表の櫻井氏が登壇!
  • 「ほかの地域と被らない」ユニークな観光コンテンツをつくるための考え方が学べる!
  • インバウンドの集客につながりやすいコンテンツの特徴が理解できる!

詳しくはこちらをご覧ください。

「売れる観光コンテンツ」5つの法則!地域独自の魅力を活かしたインバウンド向け体験商品のつくり方

【インバウンド情報まとめ 2025年2月前編】12月の外国人宿泊数1,529万人、2024年累計は過去最高 ほか

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に2月前編のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

12月の外国人宿泊数1,529万人、2024年累計は過去最高 ほか:インバウンド情報まとめ【2025年2月前半】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに