宿泊旅行統計とは?観光庁データの活用方法を徹底解説

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自治体DMOにおいて、観光戦略を立案する際には、定量的データに基づく根拠が不可欠です。

観光に関するマーケティングデータには様々なものがありますが、その中でも観光庁が実施している「宿泊旅行統計調査」は、国内外の宿泊旅行者の動向を毎月把握することができる、重要な統計データとなります。

今回は、宿泊旅行統計調査の概要と、分析方法、活用する際の注意点を紹介するとともに、DMOKPIとして活用できるかどうかについて検討していきます。

文/川口政樹(株式会社デイアライブ

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宿泊旅行統計調査とは

宿泊旅行統計調査は、観光庁宿泊施設を対象に毎月実施しているもので、宿泊旅行に関するさまざまなデータが得られる統計調査です。

主な調査事項は、

  • 延べ・実宿泊者数及び外国人延べ・実宿泊者数
  • 延べ宿泊者数の居住地別内訳(県内、県外の別)
  • 外国人延べ宿泊者数の国籍別内訳
  • 施設種別ごとの客室稼働率

となっていて、全国の数値と、都道府県ごとの数値が毎月公表されています。

(実際のデータは以下でご覧いただけます)

宿泊旅行統計調査で分析できること

それでは、宿泊旅行統計調査データを活用して、どのような分析ができるかを具体的に見ていきましょう。

毎月公表されている報道発表資料には、都道府県別の「宿泊施設タイプ別客室稼働率」「延べ宿泊者数」「日本人延べ宿泊者数」「外国人延べ宿泊者数」と、「国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数」が表やグラフで示されています。

観光庁宿泊旅行統計調査「2025年2月分(第2次速報値)報道発表資料」
▲出典:観光庁宿泊旅行統計調査「2025年2月分(第2次速報値)報道発表資料」

また、調査項目ごとの数値については、エクセルデータにて毎月公表されています。このエクセルで提供されている数値を組み合わせることで、次のような分析をすることができます。

1. 延べ宿泊者に占めるインバウンド割合

「外国人延べ宿泊者数」を「延べ宿泊者数」で割ると、「延べ宿泊者に占めるインバウンド割合」を計算することができます。

各都道府県の延べ宿泊者に占めるインバウンドの割合:観光庁宿泊旅行統計調査より作成
▲各都道府県の延べ宿泊者に占めるインバウンドの割合:観光庁宿泊旅行統計調査より作成

エクセルデータ「第2表」の「延べ宿泊者数」と「うち外国人延べ宿泊者数」から算出できます。

※データについては、2024年の年間速報値を使用しています。また、毎月公表される「第2次速報」のエクセルデータには都道府県別データが入っていますが、「第1次速報」のエクセルデータの「第2表」には、国全体のデータしか入っていません。

2024年は、東京都と京都府のインバウンド割合が50%を突破しており、宿泊者のうち2人に1人がインバウンドという状況になっています。一方、コロナ禍前の2019年と比べると、16の都道府県が減少していることが分かります。

なお、宿泊旅行統計調査のデータは2007年(平成19年)分から公表されているため、過去からの推移についても見ていくことができます。

インバウンド割合について、2018年から2024年の数値を月別で並べると、次のようなグラフとなります。

延べ宿泊者に占めるインバウンドの割合推移
▲延べ宿泊者に占めるインバウンドの割合推移:観光庁宿泊旅行統計調査より作成

インバウンド割合が最も高かった東京都と、最も低かった島根県では、その差が広がる一方となっており、インバウンド地方誘客が課題となっていることが浮き彫りになります。

2. インバウンドの平均宿泊日数

宿泊旅行統計調査は、宿泊者数について、「延べ宿泊者数」と「実宿泊者数」の数値が公表されています。「延べ宿泊者数」を「実宿泊者数」で割ると、1人あたり何泊したかという「平均宿泊日数」を計算することができます。

日本人、インバウンドともに計算することができますが、ここではインバウンドの平均宿泊日数を都道府県ごとに計算してみましょう。エクセルデータ「第2表」の「うち外国人延べ宿泊者数」と、「第3表」の「うち外国人実宿泊者数」の数値を使います。

各都道府県のインバウンド平均宿泊数:観光庁宿泊旅行統計調査より作成
▲各都道府県のインバウンド平均宿泊数:観光庁宿泊旅行統計調査より作成

インバウンドの誘客戦略を策定するうえで、「長期滞在の促進」を目標に掲げることがありますが、その目標数値としては「平均宿泊日数」が適しています(平均宿泊日数=地域内の滞在日数と考えられるため)。宿泊旅行統計のデータを活用することで、目標に対する進捗管理を月単位で行うことができます。

3. 国籍別のインバウンド延べ宿泊者数

宿泊旅行統計調査の調査票は、施設の従業者数に応じて3種類あり、従業者が10人以上の施設については、国籍別の宿泊者数についても回答することになっています。

この続きから読める内容

  • 宿泊旅行統計調査の活用時の注意点
  • 1. 数値は「推計値」
  • 2. 民泊は含まれない
  • 3. 毎月公表されるのは速報値
  • 宿泊旅行統計調査の個票データ(ローデータ)の活用
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この記事の筆者

川口政樹

川口政樹

1996年三重県庁に入庁後、農林、土木、福祉、教育などの行政分野での勤務を経て、2015年から観光行政に携わる。三重県観光連盟出向中に、事務局次長として公式サイトやSNSを全国1位に育てあげるとともに、サイトを活用したマネタイズの仕組みを構築し、DMOの収益構造を大きく改善。出向後は、県庁にて観光DXの推進や観光振興基本計画の策定を担当。2024年から株式会社デイアライブにて、セミナー講師、観光DX・デジタルマーケティングの支援、観光人材育成などを行っている。観光庁「令和6年度 地域周遊・長期滞在促進のための専門家派遣事業」登録専門家。

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