日本政府観光局(JNTO)が7月16日に発表した訪日外客統計によると、2025年6月の訪日中国人数は79万7,900人でした。
また、観光庁が同日に発表したインバウンド消費動向調査によると、2025年4-6月期の訪日中国人旅行消費額は5,160億円となっています。
訪日中国人客数最新データ:6月は79.8万人
日本政府観光局(JNTO)が発表している訪日外客統計によると、2025年6月の訪日中国人数は79万7,900人となり、前年から19.9%増加しました。
またコロナ前と比較すると、6月の単月では2019年(88万651人)の水準には届かなかったものの、1〜6月で比較すると、コロナ前の水準を超えていることがわかります。
- 2019年1〜6月:453万2,465人
- 2025年1〜6月:471万8,250人
次に、2025年のこれまでの推移を2024年と比較してみましょう。

2025年上半期は、2024年上半期を上回る水準で推移しています。特に春節(旧正月)を含む1月は、前年同月比135.7%増と大きく伸長しました。
例年、中国人の訪日旅行は7〜8月にピークを迎える傾向があり、10月には大型連休である国慶節も控えています。
また、訪日数に大きく影響を及ぼす中国の航空便数については、2025年夏ダイヤ(2025年3月30日〜2025年10月25日)時点では、2019年比で91.0%となっています。いまだコロナ前の水準には届いていませんが、これまで順調に回復していることから、2025年冬ダイヤも同様の傾向が見られる可能性があります。
そのため、下半期も引き続き好調に推移すれば、2025年の訪日中国人数が2019年を上回ることは十分に考えられるといえるでしょう。
関連記事:

訪日中国人消費額最新データ:4-6月期5,160億円
続いて、観光庁が発表しているインバウンド消費動向調査です。
2025年4-6月期の訪日中国人旅行消費額は5,160億円(前年同期比17.6%増)となり、2019年同期の4,645億円を大きく上回りました。
国・地域別で見ると、中国は2024年の時点で1位を記録しています。訪日中国人数のさらなる回復により、インバウンド市場全体における中国の存在感は今後も高まりそうです。

1人当たり消費額は24万8,481円
次に、1人当たり消費額を見てみましょう。
2025年4-6月期の訪日中国人の1人当たり消費額は、24万8,481円(前年同期比12.5%減)でした。全市場の1人当たり消費額(23万8,693円)と比較すると9,788円高くなっています。
また、2024年と比べると、消費額全体では前年を上回ったものの、1人当たり消費額は前年より3万円以上減少しています。
1人当たり消費額の構成を見ると、最も大きな割合を占めたのは買物代で9万7,162円でした。次いで宿泊費が7万6,977円、飲食費が4万9,271円、交通費が1万7,162円、娯楽等サービス費が7,794円でした。
5つの費目のうち、宿泊費と飲食費は前年同期より増加しました。一方で、買物代は前年同期と比較して約4万円減少しました。

1人当たり消費額の減少については、直近の円高傾向による購買意欲への影響が考えられます。
特にハイブランドなどの高額品を中心に購買は減少しており、百貨店の免税売上においてもその傾向が見られます。
とはいえ、全体で見ると訪日中国人の動向は堅調に推移しています。今後も好調が期待できる一方で、訪日中国人客の消費トレンドについては、より一層注目する必要がありそうです。
関連記事:
ーーー
以上、中国の最新インバウンドデータを解説しました。ほかにも訪日ラボでは、中国のインバウンド動向に関する情報を日々発信していますので、ぜひご覧ください。
※本記事では、以下のデータを用いて記事内容・グラフを作成しています。
- 観光庁:訪日外国人消費動向調査およびインバウンド消費動向調査(※1人当たり消費額は全目的で算出、速報値を含む)
- 日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計(※速報値を含む)
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計
観光庁:インバウンド消費動向調査
【インバウンド情報まとめ 2025年11月後編】中国の訪日自粛要請、観光庁長官の受け止めは? ほか

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に11月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国の訪日自粛要請、観光庁長官の受け止めは?/ 10月の訪日外客数389.6万人、国別1位は韓国 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年11月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!
その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!










