マスターカードは、2025年版「Mastercard-CrescentRating Global Muslim Travel Index(GMTI)」を発表しました。
GMTI 2025ではムスリムフレンドリーな旅行先ランキングが発表され、日本は非OIC(イスラム協力機構)加盟国の中で14位となりました。
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訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)ムスリム旅行者の消費トレンドを発表
2024年のムスリム(イスラム教徒)の海外旅行者数は1億7,600万人に達し、2023年と比較すると25%増加しました。さらに、2030年には2億4,500万人まで増加すると予測され、旅行支出総額は2,300億ドルに達すると予想されています。
GMTI2025では、ムスリム旅行者の消費トレンドとして、以下の5つを挙げています。
ハラール旅行のためのスマートアプリ
ムスリムは、信仰に沿ったサービスやパーソナライズされた体験に、スムーズにアクセスできるデジタルツールを活用しています。
現代の女性ムスリム旅行者
女性はハラール旅行において大きな影響力を持っており、より安全で多様性が受け入れられ、かつ配慮が行き届いた施設・サービスの需要が高まっています。
ムスリムに優しい施設
アルコールフリーの環境やハラール認証レストラン、礼拝施設、男女別のプールやスパなどを提供する旅行先が不可欠になりつつあります。
一人旅の増加
若いムスリム旅行者は積極的に一人旅をしており、自由かつパーソナライズされた旅程を好みます。
デジタルデトックスリトリート
イスラム教の瞑想やバランスを重んじる価値観により、自然と精神性に基づいた、デジタルデットクスできる休暇の需要が高まっています。
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ムスリムフレンドリーな旅行先、非OIC加盟国1位はシンガポール
GMTI 2025では、ムスリムフレンドリーな旅行先ランキングが発表されました。
OIC(イスラム協力機構)加盟国の中では、ハラールフレンドリーなサービスとインフラが評価されたマレーシアが、トップを維持しました。次いで、同率2位がトルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)で、文化遺産や近代的な設備、ムスリムの旅行体験向上のための取り組みが評価されています。
非OIC加盟国では、多様性と文化的配慮を重視していることが評価され、シンガポールがトップに。次いでイギリスとなりました。また、東南アジアにおけるムスリムフレンドリーな旅行先として、タイとフィリピンが着実にその地位を築いています。
東アジアでは、インフラ投資に力を入れている香港が3位にランクイン。台湾も4位を獲得しました。
日本は14位 スコア上昇も相対的に順位下がる
日本は、非OIC加盟国において14位にランクインしました。昨年と比較するとスコアでは4ポイント上昇したものの、ランキングは6つ順位を下げる結果となりました。
ランキングが下がった背景には、タイやアイルランド、オーストラリアなど、多くの国がスコアを大幅に伸ばしたことが考えられます。
ハラール、ベジタリアン・ヴィーガンをはじめとした「インバウンド×食」の専門家であるフードダイバーシティ株式会社 代表取締役の守護氏は、この結果について、「日本はムスリム旅行市場において、食や文化、安全性などの面から一定の注目を集めており、訪日ムスリム旅行者数も徐々に増加傾向にある。しかし、国際的な情報発信力や戦略的なロビー活動の面では、他国に比べて後れを取っているのが現状」とコメントしました。
また今後については、「ムスリム旅行市場を一過性のインバウンド施策として捉えるのではなく、持続可能な観光政策の一部として位置づけ、国を挙げて体系的に推進していく必要がある。そうでなければ、今後ますます激化する国際的な観光誘致競争の中で埋もれてしまい、世界に約20億人いると言われるムスリムの旅行先から外れ続けることにもなりかねない」と述べました。
<参照>
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