「訪日ラボ」を運営する株式会社movは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催しました。
会場には、インバウンド事業に携わる企業・団体・自治体・個人などが来場し、多くの講演が満席となる盛況ぶりを見せました。
本記事では、アパグループ 社長兼CEO 元谷一志氏が登壇した「アパグループのインバウンド戦略」の様子を特別にご紹介します。

「THE INBOUND DAY 2025」とは?
訪日ラボが培ってきた業界ネットワークを活かし、各領域のトップランナーや第一線で活躍する事業者が一堂に会するカンファレンスです。初開催となる今回は、TODAホール&カンファレンス東京にて行われました。
基調講演では、元大阪府知事・元大阪市長 橋下徹氏と大阪観光局 理事長 溝畑宏氏の初対談が実現。そのほかにも、アパグループやUber Japan、大衆点評など、多彩な顔ぶれが登壇しました。
→「THE INBOUND DAY 2025」のレポートを詳しく見る
危機をチャンスに変えたアパのV字回復
「THE INBOUND DAY 2025」に登壇したアパグループ社長兼CEOの元谷一志氏は、「アパグループのインバウンド戦略」と題した講演を行いました。
同氏は2022年に社長兼最高経営責任者(CEO)に就任して以降、2023年・2024年続けて売上・利益ともに過去最高を更新しました。特に2024年11月期には、ホテル業界としては異例となる35.2%の高い利益率を記録しました。
業績は近年好調に推移していますが、コロナ禍においては同社も大きな打撃を受けました。その中でアパグループは、有事における社会インフラとしての役割を果たす姿勢を示し、アパホテルネットワーク全体の約4分の1にあたる最大2万5,000室を、自治体に宿泊療養施設として提供しました。
元谷氏は講演の中で、「平時にもアパホテル、有事にもアパホテル」というメッセージが社会的評価を高め、結果としてブランドイメージの向上につながったと振り返りました。

全国的なネットワーク展開を活用、インバウンド客の囲い込みへ
元谷氏は講演の中で、人口減少が進む日本において「インバウンドは、1日あたりの人口増加として捉えることができる」との考えを示し、特に外国人観光客の連泊需要を重視して経営に取り組んでいると述べました。
アパホテルの宿泊客構成については、国籍別に見ると欧米からの利用者が多いことが特徴です。欧米の宿泊客は滞在日数が長く、予約から宿泊までのリードタイムも長いため、こうした顧客層を取り込むことで国内客の需要を補完し、宿泊需要の安定化につながっていると説明しました。
またアパグループでは、「Even Better! APA hotel(もともと良いものをさらに良く)」をスローガンに掲げており、新規開業ごとに必ず新しい仕組みを導入する「1ホテル1イノベーション」を徹底してリピーターに選ばれ続けるホテルづくりを進め、インバウンド客に向けた取り組みも推進しています。
具体的な施策としては、インバウンド客に人気の高いプール付きの都市型リゾートによる差別化のほか、世界各国のプラグに対応するユニバーサルコンセントの設置、予約サイトや客室内の空調リモコンに至るまでの多言語対応など、顧客体験の向上を図る取り組みを紹介しました。
今後は東京・大阪・京都といったいわゆるゴールデンルートや地方中核都市を含む全国規模のネットワークを活用し、リピーターを含めたインバウンド客の囲い込みを狙います。
詳しくは動画で公開中!
また元谷氏は、「日本ブランドのホテルは世界に通じる」として、日本のブランド価値を向上させることが訪日客を惹きつけると力強いメッセージを語りました。
ほかに、スポンサー活動などを取り入れたインバウンド戦略におけるマーケティングや、アパグループならではの経営哲学についても取り上げられています。
詳しい内容を見たい方は、ぜひアーカイブ配信をご覧ください。
「THE INBOUND DAY」では、他にも豪華ゲストが登壇
「THE INBOUND DAY 2025」では、このほかにも豪華ゲストによる多彩な講演が行われました。その他のアーカイブ配信についてもぜひご覧ください。