リクルートが運営する調査・研究機関「じゃらんリサーチセンター」は、「インバウンド都道府県ポジショニング調査2025」を発表しました。
調査の結果、訪日客の新たな地方分散の動きが見られたほか、市場ごとに訪日客が選択するルート戦略タイプには大きな違いがあることが明らかになりました。
関連記事:インバウンドの主要周遊ルートは市場ごとに異なる:じゃらんリサーチセンター調査
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同調査は、インバウンド受け入れにおける、全国47都道府県の「立ち位置」や「エリア特性」を客観的に把握することを目的としています。宿泊者数や消費単価、新幹線駅数などのデータをもとに、10市場それぞれで47都道府県の訪問タイプを分類したうえで、地域ごとの傾向を整理・分析しています。
調査対象は、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポールの10市場です。
「ルート延伸宿泊長めタイプ」が出現 新たな地方分散の動き
2025年度の調査では、新たに「ルート延伸宿泊長めタイプ」が出現しています。
本タイプは、訪問率は比較的低いものの、平均宿泊日数が長いことが特徴です。これは熊本県や新潟県などで見られ、新幹線によるアクセスの良さにより、主要ルートから足を伸ばして滞在する、新たな地方分散の動きとして分析されています。
各市場において「ルート延伸宿泊長めタイプ」に分類される都道府県は、以下の通りです。
- アメリカ市場:熊本県、群馬県、山口県、秋田県、青森県
- イギリス市場:埼玉県、新潟県
- フランス市場:埼玉県、静岡県
- オーストラリア市場:岡山県、群馬県、埼玉県、長野県、福島県
- 韓国市場:愛知県、岩手県、宮城県、群馬県、広島県、山形県、鹿児島県、新潟県、青森県、長野県
- タイ市場:熊本県、群馬県、広島県、佐賀県、新潟県、青森県、長崎県、長野県
市場ごとに訪問ルートに違い 韓国は広範囲に滞在
また同調査では、訪日旅行者のルート戦略は市場によって大きく異なることが明らかになりました。
アメリカ、イギリス、フランスの旅行者は、東京を拠点に京都や大阪を巡る「ゴールデンルート」を基本としつつ、新幹線を利用して広島県、熊本県(アメリカ)、埼玉県(イギリス・フランス)などへ足を延ばす「ルート延伸」の傾向が見られました。
台湾、香港、タイの旅行者は、リピーターが多いことから、福岡県や愛知県、北海道、沖縄県など地方空港を起点とした旅行スタイルが定着していることがわかりました。
オーストラリア、中国、シンガポールの旅行者は、ゴールデンルートを巡るだけでなく、北海道や沖縄などのリゾート地に直接向かい、長期滞在や高額消費を伴う旅行スタイルを取る傾向が見られました。
韓国の旅行者は、北は青森県、南は鹿児島県まで、広範囲にわたって訪問する傾向が強く、活発な周遊行動が特徴であることが確認されました。
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<参照>
リクルートじゃらんリサーチセンター:「インバウンド都道府県ポジショニング調査2025 調査報告書」
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