近年のインバウンド集客では、プロモーション手段の一つとしてSNSの重要性が高まっています。
実際に、観光庁「インバウンド消費動向調査」では、韓国人の訪日旅行において出発前に役立った情報源としてSNSが最も多く挙げられています。
そこで本記事では、インバウンド集客に使えるツールの参考として、韓国における最新のインターネット・SNS動向を解説します。
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韓国のインターネット・SNS基本情報
まずは、韓国のインターネットやSNSの利用状況を見ていきましょう。
2025年11月にDataReportalで発表されたレポートでは、インターネットやSNSが韓国の生活において幅広い層に定着していることがわかりました。
97.9%がインターネットを利用
2025年10月時点で、韓国では5,060万人がインターネットを利用しており、普及率は97.9%に達しています。実質的に「ほぼ全国民がオンライン環境にある」といえる状況です。
2019年のデータでは、韓国人の95%がインターネットを利用していたことから、ここ数年でさらに伸びていることがわかります。
週平均使用時間は24時間22分となっており、多くのユーザーがインターネットに時間を費やしていることがうかがえます。
また、携帯電話でインターネットを利用する人は96.0%にのぼりました。

SNSの利用人口は4,930万人
次に、SNSの利用状況を見てみましょう。韓国では、4,930万のソーシャルメディアユーザーIDが存在し、これは人口の95.4%に相当します。
2024年末〜2025年末の1年間で、韓国のSNSユーザーIDは36万7,000人増加(0.8%増)しました。調査上のユーザーIDの数字が実際の個人を表すとは限りませんが、韓国のインターネットユーザーの97.5%が少なくとも1つのSNSプラットフォームを利用していることがわかりました。
また、YouTubeなどの動画視聴も含む週平均使用時間は、12時間14分でした。

【2025年最新】韓国でよく使われるSNS
韓国では、具体的にどのプラットフォームが使われているのでしょうか。
レポートの「SELF-DECLARED PLATFORM USE(ユーザーが利用していると自主回答したプラットフォーム)」のデータをもとに、韓国で利用されている主要SNSについて解説します。

1. カカオトーク
DataReportalのデータによると、カカオトーク(KakaoTalk)は16歳以上の利用者が最も多いSNSとなり、83.2%が月に1回以上使用すると回答しています。
レポートによると、カカオトークの月間アクティブユーザー数は4,910万人でした。韓国の総人口の95.1%に相当しており、韓国内でカカオトークが幅広い層に定着していることがわかります。
そもそもカカオトークとは、韓国企業カカオによるメッセンジャーアプリで、日本で人気のLINEと似た機能を持ちます。また、さまざまな外部サービスと連携できる「スーパーアプリ」でもあり、決済、ニュース、地図、クーポン、ゲーム、タクシー配車などにも対応しています。
関連記事:カカオトーク、訪日韓国人向けに「日本旅行専用サービス」発表
2. YouTube
今回の調査では、回答者の66.3%がYouTubeを利用すると答えました。
Googleの広告リソースによると、韓国のYouTubeにおける広告リーチ数は4,290万人でした。広告リーチ数は必ずしも月間アクティブユーザーを指すわけではないことに注意が必要ですが、これは人口の83.1%に相当します。
観光庁のインバウンド消費動向調査では、訪日韓国人の旅行出発前に役に立った旅行情報源として、YouTubeを含む動画サイトが3位に挙げられています。
また、Googleが提供するサービスであることからSEOにも強いことが特徴です。
関連記事:インバウンド集客にはYouTubeが効果的?動画マーケティングのコツ・メリットを解説
3. Instagram
YouTubeに続き、回答者の62.3%がInstagramを利用すると答えています。
韓国におけるInstagramの広告リーチ数は2,560万人(総人口の49.5%)で、アプリを利用可能な13歳以上の人口に絞ると、54.0%に相当する規模となっています。
また、2024年末から2025年末の1年間におけるInstagramの潜在的な広告リーチ数は、13.1%増加しました。広告リーチ数は必ずしアクティブユーザーを指すわけではありませんが、韓国においてInstagramの利用が拡大傾向にあることがうかがえます。
近年では写真や動画の共有を楽しむ目的以外にも、旅行の情報収集手段として積極的に活用されており、韓国人向けの訪日プロモーションにも欠かせないSNSとなっています。
関連記事:Instagramを利用してインバウンド集客の向上を図るには?7つのポイントを解説
4. Facebook
Facebookは韓国でも利用されていますが、主要SNSの中では比較的利用規模が小さいチャネルで、回答者の35.4%が利用すると答えています。
韓国におけるFacebookの広告リーチ数は705万人で、人口の13.6%に相当します。2024年10月から2025年10月までの1年間で7.8%減少しているほか、2025年7月から10月までの3か月間においても、5.4%減少しました。
Facebookは主要SNSの上位に挙げられていますが、InstagramやTikTokなどの利用が拡大傾向にあることを踏まえると、韓国人ユーザーのSNSトレンドが移り変わりつつあることが考えられます。
関連記事:Facebookを使った効果的な集客方法とは?メリット・コツ・広告を解説
5. TikTok
今回の調査では、回答者の34.1%がTikTokを利用すると答えました。
TikTokは「ショート動画」に特化していることが特徴的で、特に若年層を中心に人気を集めています。
18歳以上の広告リーチ数は1,180万人で、18歳以上の人口の26.2%に相当しています。また2024年末から2025年末にかけて、潜在的な広告リーチ数が69.6%増と大きく成長していることも特徴です。
TikTokの広告ツールは18歳以上のデータのみを公開しているため、実際の利用規模はさらに大きいと考えられます。また広告リーチ数が拡大傾向にあることからも、今後注目すべきSNSの一つであるといえそうです。
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<参照>
DataReportal:Digital 2026: South Korea
観光庁:インバウンド消費動向調査
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