• 回復傾向にある訪日ロシア人数
    • ハイシーズンは4月と10月、春と秋が人気
    • 観光目的・ビジネス目的のどちらでも長期滞在する訪日ロシア人が多数

インバウンドにおけるロシア市場の特徴とは

2018年の訪日ロシア人は9万人を超え、2014年と比較すると約1.7倍に増加しています。2018年、訪日ロシア人は一人あたり188,256円を訪日旅行時に使いました。2018年に訪日したロシア人を年齢・性別ごとに見てみると、男性は20代、女性は30代が大きな割合を占めています。また、訪日ロシア人のインバウンド市場で特筆すべき点は「回復傾向にある訪日ロシア人数」「ハイシーズンは4月と10月」「観光・業務どちらの目的でも長期滞在が多数」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。

訪日ロシア人インバウンド市場、3つの特徴を解説

1. 回復傾向にある訪日ロシア人数

訪日ロシア人数は2014年に64,077人を記録して以降、2015年の54,365人、2016年の54,839人と低迷が続いていました。しかし2017年には77,251人と回復の兆しを見せ始め、2018年には94,810人まで回復しました。ロシア人の海外旅行者数自体が2013年の約5,407万人をピークに2016年には約3,166万人まで落ち込み、その後2017年には3,963万人まで回復したため今後は回復傾向になると見込まれますが、未だ油断はできない不安定な状況にあると言えます。

2. ハイシーズンは4月と10月、春と秋が人気

訪日ロシア人数を月別に見てみると、2018年は4月に最も多くのロシア人が訪日しています。2018年4月の訪日ロシア人は12,375人で、次に訪日ロシア人数の多かった10月の10,778人と合わせると2018年度訪日ロシア人全体の約24%が4月と10月に集中していることが分かります。訪日ロシア人数は半年おきにピークを迎える形となっていますが、ここ5年間4月と10月には大幅なロシア人観光客数の増加が見受けられるため、ピンポイントにインバウンド対策を行うことで効果的な集客が見込めそうです。

3. 観光目的・ビジネス目的のどちらでも長期滞在する訪日ロシア人が多数

観光目的で訪日するロシア人の約81%は、7〜90日間日本に滞在しています。ロシアと日本は時差にして7時間離れているため、たまの訪日旅行を満喫するために滞在期間を長く取るロシア人が多数存在するようです。また、ヨーロッパ諸国から業務目的で訪日する外国人は4〜6日以内の滞在に留まる割合が概ね4割程度と比較的高いですが、業務目的で訪日するロシア人の場合は業務目的でも7〜90日間の滞在が約78%を占めており、総じて日本には長期間滞在する傾向にあると言えます。長期滞在する訪日ロシア人向けに様々なサービスやアクティビティを提供できる市場が存在しているとも言えるため、インバウンド対策の際には意識してみると良いかもしれません。

ロシア人の特徴

ロシア人の性格・国民性

ロシア人の性格・国民性には、一般的に以下のような特徴があるといわれています。

  • 感情的・情緒的・開放的
  • ロシアといえば、北方領土の関係から、政治上日本と対立しているというイメージの影響で、比較的冷たく無口な印象を持たれやすいですが、実際のロシア人は感情的でおしゃべりな人種です。自分の感情を表現することに長けています。ただ、人間関係を構築するまでに時間がかかり、心を閉じてしまうとどうにも動かない頑固さも持ち合わせています。
  • 男性は男らしさ・女性は美しさが求められる
  • ロシアでは男性は男らしくあること、女性は美しくあることが求められます。しかし、実際には女性にはしっかり者が多く、男性にはお酒に走ってしまう傾向があるようです。
  • 怠け者が多い
  • ソ連時代は、共産主義であったため、いくら仕事をしても仕事をさぼっても給料は同じでした。そのため、ロシア人は「働く意欲が低い」とたびたび言われます。今日できることを明日に先延ばしにしてしまう、無気力でいい加減な性格と揶揄されることもあります。

<参照>

  • 草思社出版:片野優須貝典子著「こんなに違うヨーロッパ各国気質 32か国・国民性診断」

ロシア人と接するうえで気を付けておきたいマナー

ロシア人と接する場合には、以下のポイントに注意しましょう。

  • ドアを開けて先に女性を入れるなど、レディーファーストを心がける
  • 食事の際は、ナイフは右手に、フォークは左手を持つ
  • 食事の際は、食器に口を付けない
  • 食事の際は、音をたてないようにする

ロシア人の親日度・日本語学習者数

電通「ジャパンブランド調査」によると、ロシアは2018年時点で「親日度ランキング」ランク外となっており、親日度が特別に高い訳ではないことが分かります。(*1)
国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によると、ロシアには2015年時点で126校の日本語教育機関と480人の日本語講師が存在し、8,650人が日本語を学習しています。(*2)

<参照>

  • (*1)電通 チーム・クールジャパン「ジャパンブランド調査2018」
  • (*2)国際交流基金 2015年度 海外日本語教育機関調査

ロシア人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

ロシアはAndroidがiOSより人気で、約70%のシェアを持っています。ロシアの平均月収は492.25米ドルと低水準であり、多くの人は約100米ドル程度から購入できるAndroidスマートフォンを選んでいるようです。人気のSNSアプリはiOS・Android共にWhatsAppとTelegramがランクインしています。WhatsAppはアメリカ企業のSNSアプリで、Telegramはロシア製のアプリです。ロシアで人気のあるSNS「VK」や、日本・楽天株式会社がサービスを展開しているViberもそれぞれ第3位にランクインしています。

ロシアのイベント・祝日カレンダー(2019年・2020年)

2019年2020年
新年1月1日(火)1月1日(水)
新年休暇1月2日(水)1月2日(木)
新年休暇1月3日(木)1月3日(金)
新年休暇1月4日(金)1月4日(土)
新年休暇1月5日(土)1月5日(日)
新年休暇1月6日(日)1月6日(月)
クリスマス1月7日(月)1月7日(火)
新年休暇1月8日(火)1月8日(水)
祖国防衛の日2月23日(土)2月23日(日)
国際女性の日3月8日(金)3月8日(日)
勤労感謝の日5月1日(水)5月1日(金)
戦勝記念日5月9日(木)5月9日(土)
ロシアの日6月12日(水)6月12日(金)
民族統一の日11月4日(月)11月4日(水)

ロシアの歴史

17世紀に大貴族と農奴制に支えられたロマノフ朝はロシア帝国の基盤を築きます。ヨーロッパを席巻したナポレオン軍を撃退したのち、侵略に十分な国力を蓄えたロシアは、19世紀は南下政策を進めます。もともと極寒の地であったロシアでは、一年中凍らない港が存在せず、ヨーロッパや中央アジア、中国方面に南下を進めることで不凍港を手に入れることが目的でした。しかし、同時期は帝国主義の時代とあって、どれもうまくはいかず。結局、帝国は弱体化してしまいました。
そのような中、起こったのが1917年のロシア革命です。ボリシェビキ主導で世界初の社会主義国家である「ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国」が成立します。第二次世界大戦では戦勝国となり、戦後、アメリカと二大超大国として国際社会での地位を確立していきますが、世界初の社会主義国の内情は最悪に等しく、多くの人々が粛清され国民の生活レベルも落ちる一方でした。
1985年、ゴルバチョフがソ連書記長に就任するとマルタ会談にてアメリカとの冷戦が終結。西欧的な改革を進めるゴルバチョフにより、ソ連を構成していた国々は次々独立していきます。こうしてソ連は崩壊し、現在のロシアが誕生します。
ソ連崩壊後も、ロシアは大国として世界情勢に影響を与えています。日本とは北方領土等、いくつかの政治的問題を抱えています。

ロシア宗教観

ロシアでもっとも多くの信者を抱えている宗教は「ロシア正教」です。ロシア正教は正教会に属するキリスト教の教会であり、数多くある独立正教会の一つです。ロシア人のうち41%がロシア正教を信じています。
次に多いのがイスラム教徒です。ロシア人の6.5%がイスラム教を信仰しています。また、ロシア人のうち12.9%は無宗教者です。

<参照>

  • Arena:Atlas of Religions and Nationalities of the Russian.