これだけは知っておくべき訪日ロシア人 3つのポイント
- 回復傾向にある訪日ロシア人数
- ハイシーズンは4月と10月、春と秋が人気
- 観光目的・ビジネス目的のどちらでも長期滞在する訪日ロシア人が多数
ロシアに関連するインバウンド年表
1925年 | 日本とソビエト連邦の国交が樹立 |
2016年 | JNTOモスクワ事務所が開設 |
2019年 | 訪日ロシア人数が史上最多となる12万人を達成 |
ロシア基本データ
人口 | 約1億4,448万人 |
面積 | 約1,710万平方キロメートル |
首都 | モスクワ |
宗教 | ロシア正教、イスラム教、仏教、ユダヤ教など |
公用語 | ロシア語 |
時差 | UTC+2~UTC+12(-7時間~+3時間) |
通貨 | ロシア・ルーブル |
名目GDP | 約1兆6,605億米ドル |
経済成長率 | 約1.5% |
一人当たりGDP | 約11,394米ドル |
平均月収 | 468.21米ドル |
ビッグマック指数(経済力) | 2.2米ドル |
(参照)THE WORLD BANK Population, total、United Nations National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)、外務省 国・地域基礎データ、Numbeo Rankings by Country of Average Monthly Net Salary(After Tax)(Salaries And Financing)、The Economist The Big Mac index
ロシア市場の訪日旅行(インバウンド)データ
訪日外客数推移(2014年~2019年):訪日ロシア人は何人来ているのか
2014年から2016年にかけて訪日ロシア人観光客数は落ち込みを見せたものの、ここ3年間は伸び続けており、2016年においては54,839人だった訪日ロシア人観光客数は、2019年には約2.2倍となる120,043人を記録しています。
月別訪日外客数:訪日ロシア人に人気なのは何月?
ここ5年間、訪日ロシア人が最も増加するのは4月と10月です。12月から2月には落ち込むため、春季と秋季が人気だと分かります。この増減は概ねヨーロッパ諸国と同じ傾向であるため、インバウンド対策としても春季と秋季を重視すると良いでしょう。
インバウンド消費額推移(2014年~2019年):ロシア市場全体の規模は?
2015年から2015年にかけて訪日ロシア人のインバウンド消費額は落ち込みを見せたものの、ここ4年間は伸び続けており、2015年においては99億円だった訪日ロシア人のインバウンド消費額は、2019年には約2.2倍となる220億円を記録しています。
一人当たりインバウンド消費額推移(2014年~2019年):訪日ロシア人は1人いくら使う?
訪日ロシア人の一人当たりインバウンド消費額は2015年から2017年にかけて増加を見せたものの全体としては減少しており、2019年には183,015円を記録しています。
旅行支出内訳:訪日ロシア人には何を買い、消費している?
訪日ロシア人の支出において、最も大きな割合を占めたのは宿泊費で、65,491円でした。2番目に大きな割合を占めたのは飲食費で、45,586円でした。宿泊、飲食、買物と、概ね均等に支出していることが分かります。
人気のお土産ものランキング:訪日ロシア人は何をお土産に買っていく?
費目 | 購入率 | 購入者単価 | |
---|---|---|---|
1位 | 化粧品・香水 | 81.9% | 52,142円 |
2位 | 菓子類 | 76.6% | 9,639円 |
3位 | 医薬品 | 50.8% | 21,760円 |
4位 | 衣類 | 38.5% | 28,512円 |
5位 | その他食料品・飲料・たばこ | 37.1% | 10,440円 |
6位 | 靴・かばん・革製品 | 25% | 49,810円 |
7位 | 健康グッズ・トイレタリー | 22.2% | 20,203円 |
8位 | 電気製品(デジタルカメラ/PC/家電等) | 14.7% | 33,110円 |
(参照)観光庁 訪日外国人消費動向調査 2019年より
訪日ロシア人に最も人気のある品目は「菓子類」で、一人あたり平均9,080円分購入されています。購入率順に並べると、「菓子類」を筆頭に、「衣類」「酒類」「その他食料品・飲料・たばこ」「化粧品・香水」の順で続いています。
買い物場所ランキング:訪日ロシア人はどこで買い物をしている?
買い物場所 | 購入率 | |
---|---|---|
1位 | スーパーマーケット | 65% |
2位 | コンビニエンスストア | 51.3% |
3位 | 空港の免税店 | 50.7% |
訪日ロシア人に最も人気の買い物場所は「スーパーマーケット」で、65%が買い物をしました。続けて「コンビニエンスストア(51.3%)」と「空港の免税店(50.7%)」がランキング上位に入っています。
年齢・性別構成比:訪日ロシア人で最も多い属性は?
訪日ロシア人の60.9%が男性、39.1%が女性です。また、男性で最も多い年齢層は20〜29歳で全体の17.7%を占め、女性で最も多い年齢層は20〜29歳で全体の11.4%を占めます。
滞在日数:訪日ロシア人は何日間訪日旅行する?
訪日ロシア人の滞在日数は、観光・レジャー目的の場合と業務目的の場合、どちらも7〜90日間が最多です。
訪日経験:訪日ロシア人は初訪日・リピーターどちらが多い?
2019年の訪日ロシア人は、初来日が51.53%、リピーターが48.47%でした。
旅行形態:訪日ロシア人は団体旅行と個別旅行どちらが多い?
訪日ロシア人の旅行形態は、観光・レジャー目的と業務目的の場合、どちらも個別手配が最多です。団体ツアーは観光・レジャー目的の場合は8.9%、業務目的の場合は3.1%しか利用されておらず、ほとんどの訪日ロシア人は個別手配を利用していることが分かります。
日本の観光情報の収集:訪日ロシア人の訪日旅行の情報手段は?
訪日ロシア人が旅マエに情報収集をする際、最も役に立ったのは「口コミサイト(28.2%)」でした。合わせて「動画サイト(25.5%)」「個人のブログ(24.2%)」と続いています。また、旅ナカで最も役に立った情報は「交通手段(57.1%)」でした。合わせて「無料Wi-Fi(41.1%)」「飲食店(40.8%)」と続いています。
ロシア市場のアウトバウンド(海外旅行)データ
ロシア人の海外旅行者数の推移(2012年〜2018年):ロシア人の海外旅行需要は?
ここ7年間、ロシア人の海外旅行者数は増減を繰り返しており、2012年には4,781万人だった海外旅行者数は2013年に5,407万人まで増加した後、2016年には3,166万人に落ち込みます。しかし2018年には4,196万人まで戻っており、全体で見ると約12%の減少となっています。
ロシアで人気の海外観光地ランキング:訪日旅行の競合となる国は?
国名 | 過去五年間で最多の外客数 | |
---|---|---|
1位 | トルコ | 4,702,498人(2017年) |
2位 | 中国 | 2,344,646人(2017年) |
3位 | カザフスタン | 1,780,574人(2013年) |
4位 | ウクライナ | 10,284,782人(2013年) |
5位 | タイ | 1,746,565人(2013年) |
ロシア人に人気の海外旅行先は、トルコ、中国、カザフスタン、ウクライナ、タイとなっています。トルコ、中国、カザフスタンは近隣国であり、経済的な交流も盛んに行われているようです。また、タイはロシア人の観光先として人気となっており、2013年には約175万人のロシア人がタイを訪れました。なお、日本は第46位でした。