廃校をリノベーションし、活用する活動が増加しています。
廃校の再利用は地域活性化のみでなく、不足する宿泊施設の拡充の役割を果たします。
またそのユニークさに魅力を感じる観光客の誘致にもつながるとして、インバウンド対策としても注目を浴びています。
この記事では、廃校が宿泊施設へと生まれ変わった事例を10件、紹介します。
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- 廃校をリノベーションし、宿泊施設に活用することのメリット
- 廃校を宿泊施設に活用するユニークな取り組みと事例
- 1. 秋山郷結東温泉 かたくりの宿 新潟県 中魚沼郡:旧津南町立中津峡小学校
- 2. 小国ふる里ふれあい村「楯山荘」 山形県 鶴岡市:不明
- 3. 森の校舎カタクリ 福島県 大沼郡:旧西方小学校
- 4. 秋津野ガルテン 和歌山県 田辺市:校舎不明
- 5. コカ・コーラ環境ハウス 北海道 夕張郡:旧雨煙別小学校
- 6. ほうしゅ楽舎 福岡県 朝倉郡:旧宝珠山小学校
- 7. 三季館 奈良県 宇陀郡:校舎不明
- 8. さる小 群馬県 利根郡:旧猿ヶ京小学校
- 9. 星ふる学校「くまの木」 栃木県 塩谷郡:旧熊ノ木尋常小学校
- 10. 大三島ふるさと憩の家 愛媛県 今治市:旧大三島町立宗方小学校
- 宿泊施設としての廃校の活用で観光振興
目次
廃校をリノベーションし、宿泊施設に活用することのメリット
インバウンド需要が高まり、主要観光地では宿泊施設不足が課題となっています。
そんな中で、地方の廃校を活用・利用して宿泊施設にリノベーションした事例が注目されています。
加速する少子高齢化によって地方では廃校が続出しています。その廃校になった校舎を観光領域での需要を満たすために活用できます。
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廃校を宿泊施設に活用するユニークな取り組みと事例
廃校になった校舎は、その敷地面積の広さから宿泊施設に活用しやすいという特徴があります。また、歴史ある廃校舎の場合、改築の手間・コストがかかるものの、趣ある宿泊施設としてアピールできます。
また、もともとの教室の機能を活用すれば、子供むけの宿泊型体験施設ともなり、大人向けにはノスタルジックな雰囲気を提供でき、また訪日外国人観光客向けには日本の学校生活の体験を提供できるなど、宿泊施設との相性が良いと言えます。
また冒頭で触れたように、国土交通省が古民家の再生に力を入れていることから、今後インバウンド需要の高まりに伴う宿泊施設不足のソリューションとして、廃校の宿泊施設活用が進んでいくものと思われます。
今回は、そのような宿泊施設として廃校が活用されている例をピックアップしました。
1. 秋山郷結東温泉 かたくりの宿 新潟県 中魚沼郡:旧津南町立中津峡小学校
秋山郷結東温泉 かたくりの宿:http://www.tsumari-artfield.com/katakuri/
新潟県と長野県にまたがる秘境秋山郷にある新潟県中魚沼郡の「秋山郷結東温泉 かたくりの宿」。
1932年に建てられ、1992に休校となった旧津南町立中津峡小学校の廃校舎を活用し、1993年にオープンされた宿泊施設です。
施設では、廃校となった校舎の雰囲気を残しつつ、客室は教室のあった場所を和室に改築しています。入浴施設は元校長室を改築した結東温泉を楽しめます。宿泊料金は1泊2食付きで9,200円~という価格設定。また公式WEBサイトでは英語版も用意されています。
2. 小国ふる里ふれあい村「楯山荘」 山形県 鶴岡市:不明
山形庄内観光サイト 小国ふる里ふれあい村「楯山荘」:http://www.mokkedano.net/spot/450
廃校となった小学校の木造校舎を安全面のリフォームをして、なるべくそのままの状態を残して宿泊施設として活用している山形県鶴岡市の「小国ふる里ふれあい村「楯山荘」」。グラウンドでは野外キャンプやキャンプファイヤーなども可能で、地域住民との交流会も盛んに行われています。
近隣には、国指定史跡「小国城跡」登山、周辺の施設や公園での昆虫採集、自然観察、水車による発電装置の見学、遊歩道を利用した森林浴などがあり、自然体験を楽しむことが出来ます。
管理は町の自治会が行っており、予約受付もそちらで可能となっています。宿泊料金は小中学生:1,500円、高校生:1,700円、大人:2,000円という設定。
3. 森の校舎カタクリ 福島県 大沼郡:旧西方小学校
三島町生涯学習センター:http://katakuriokuaizu.wixsite.com/index
福島県は大沼郡三島町の廃校となった旧西方小学校校舎をそのまま利用した宿泊施設「森の校舎 カタクリ」。廃校をリーズナブルなホテルにリノベーションし、校庭、体育館、プールを無料開放し合宿利用ニーズにも対応しています。出される料理は地域のお母さん達が作る郷土料理で、四季を楽しめることもアピールポイント。
宿泊は1泊2食つきで5,400円~という設定で、他にも体験メニューとして郷土料理づくりも提供しています。こちらは利用料金1名1,600円という設定。
4. 秋津野ガルテン 和歌山県 田辺市:校舎不明
都市との農村の交流施設『秋津野ガルテン』:http://agarten.jp/
和歌山県 田辺市上秋津の「秋津野ガルテン」は、廃校になった地元小学校の建物や敷地を再利用した宿泊施設です。2008年11月に地域住民の出資で誕生。都市と農村の交流を目指した「グリーンツーリズム」を推進する施設です。
近年では、国内だけでなく、インターネットの口コミなどで訪日外国人観光客の注目も集めており、2015年には関西国際空港から高野山へ向かう途中に泊まる欧米人らを中心に、前年の1.5倍となる約300人の訪日外国人観光客が訪問しました。
5. コカ・コーラ環境ハウス 北海道 夕張郡:旧雨煙別小学校
雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス:http://uenbetsu.jp/
北海道夕張郡栗山町にある「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」は、およそ100年の歴史の後1998に廃校となった旧雨煙別小学校校舎を活用した宿泊施設です。2009年にリフォームが完了し、2010年からは一般利用も開始しました。
宿泊だけでなく、栗山の自然を楽しめるふるさと自然体験プログラムを提供。宿泊料金は高校生以上で2,500円/泊というリーズナブルな価格設定で、歴史ある校舎の雰囲気と自然を格安で楽しめる宿泊施設です。
6. ほうしゅ楽舎 福岡県 朝倉郡:旧宝珠山小学校
ほうしゅ楽舎:http://toho.crayonsite.net/
福岡県朝倉郡にある「ほうしゅ楽舎」は、廃校となった旧宝珠山小学校廃校舎を活用した農村ツーリズムの宿泊施設です。
校舎の外観を活かしたリフォームが施されており、裸電球や本物の薪で沸かす五右衛門風呂など、昔ながらの日本の生活を体験できるところがポイントとなっています。食事は、地域の方による郷土料理を提供。
宿泊料金は部屋の大きさ、人数によるものの2,500円〜というリーズナブルな設定になっています。
7. 三季館 奈良県 宇陀郡:校舎不明
御杖村役場:http://www.vill.mitsue.nara.jp/kanko/sankikan/
奈良県の宇陀郡御杖村の廃校となった小学校校舎を活用した「三季館」。下駄箱や長い廊下、教室など、木造校舎の雰囲気を残して宿泊施設としてリフォームしています。
食事は地元産の食材を使った料理で、運動場や体育館なども利用可能となっています。また宿泊やスポーツ施設のほか、ふるさと体験メニューとしてアマゴつかみやコンニャク作りなどを体験することも出来ます。
宿泊料金は大人1人1泊2食つきで5,500〜(10名以上から)という設定で、団体客を想定したリーズナブルな料金設定になっています。
8. さる小 群馬県 利根郡:旧猿ヶ京小学校
泊まれる学校 さる小:http://www.sarusho.com/
群馬県利根郡みなかみ町にある「さる小」は、1874年開校してから134年間使われてきた猿ヶ京小学校の廃校校舎を活用した宿泊施設です。2008年の廃校後、改築を経て2012年に「泊まれる学校 さる小」としてオープンしました。
例えば家庭科室を調理場にするなど、校舎として活用されていたときの教室をそのまま活かした造りが特徴で、体験学習も出来る宿泊施設、まさしく「泊まれる」学校として、2ヶ月先まで予約で埋まっているほど人気を博しており、廃校利用の宿泊施設として注目されています。
9. 星ふる学校「くまの木」 栃木県 塩谷郡:旧熊ノ木尋常小学校
塩谷町体験交流施設 星ふる学校くまの木:https://www.shioya-kumanoki.com/
栃木県塩谷郡にある「星ふる学校「くまの木」」は、1935年に建築された旧熊ノ木尋常小学校の廃校舎を再利用した宿泊型体験施設施設です。宿泊のほか、自然体験、ものづくりのワークショップ、そば打ちなどの食体験なども提供しています。
団体・個人利用どちらも可能で、大人1名1泊2食付で5,800円とリーズナブルな価格設定となっています。
10. 大三島ふるさと憩の家 愛媛県 今治市:旧大三島町立宗方小学校
大三島ふるさと憩の家:http://www.ikoinoie.co.jp/
しまなみ海道にほど近い愛媛県今治市の「大三島ふるさと憩の家」。1986年に廃校となった旧大三島町立宗方小学校校舎を、ほぼそのままの形で宿泊施設に改装し、1988年にオープンした宿泊施設です。
近年の自転車ブームの流れをうけ、しまなみ海道が人気のサイクリングスポットとなっており、その自然の美しさからCNNの「世界の最も素晴らしいサイクリングルート」の1つに選定されるなど、国内外で知名度が上昇しています。こちらの「大三島ふるさと憩の家」も”サイクリストフレンドリー”な施設となっています。料金は1泊2食付き6000円〜という料金設定。
宿泊施設としての廃校の活用で観光振興
今回取り上げた施設以外にも、日本各地に廃校を宿泊施設として活用している事例がまだまだあります。
インバウンドにおいて地方周遊が広まりつつあるいま、日本の学校生活を体感できる廃校の宿泊施設利用は、あらたな需要創出の可能性があると考えられます。
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<廃校の観光活用シリーズ>
【地方誘致】廃校の観光利用 こんなに活用事例があったの知っていました?聖地巡礼編
昨年12月、国土交通省は空き家になった古民家や住宅を地域資源と捉え、観光振興などを目的とした用途変更に柔軟に対応する方針を明らかにしました。 [blogcard url=”https://honichi.com/13839”] インバウンド需要が高まり、主要観光地での宿泊施設が不足するほどである一方で、地方でのインバウンド誘致が進んでいなかった課題を是正...
<参考>
- 産経WEST:「爆買い」訪日客、和歌山でミカン狩り、マグロ解体…滋賀も特需
- GLOBIS 知見録:「モリウミアス」が今夏オープン ~石巻市雄勝町から地域活性の新たなモデル
【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか
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