2016年6月15日、日本政府観光局(JNTO)より2016年5月の訪日外客数が発表されました。
JNTOによると、2016年5月の訪日外客数は、前年同月比15.3%増の189.4万人だったとのこと。昨年5月の164.2万人を超え、5月として過去最高の記録となりました。
2016年4月に発生した熊本地震の影響が若干みられるものの、概ね好調だった5月について、各トピックスについて見ていきましょう。
<次月のJNTOプレスリリースまとめはこちら>
【2016年6月版】訪日外客数198.6万人、訪日中国人が3ヶ月連続で50万人突破!:JNTO訪日外客数プレスリリースまとめ
2016年7月20日、日本政府観光局(JNTO)より2016年6月および1月〜6月上半期の訪日外客数が発表されました。JNTOによると、2016年6月の訪日外客数は、前年同月比23.9%増の198.6万人だったとのこと。昨年5月の160.2万人を38万人上回り、6月として過去最高の記録となりました。2016年4月に発生した熊本地震の影響や夏休みシーズンの狭間ということも心配されていた6月でしたが、台湾、香港、米国が単月として過去最高を記録するなど、全体的に好調だった6月について、各トピック...
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熊本地震の影響は訪日韓国人観光客の足を遠ざけた
今年4月に発生した熊本地震の影響を受けたのは韓国インバウンド市場でした。
2016年は昨年に引き続き、
- 1月:約51万人(前年比43.8%増※以下同)
- 2月:約49万人(42.6%増)
- 3月:約37万人(39.5%増)
と順調に成長していました。しかし、4月14日に熊本地震が発生した影響で九州ツアーの殆どがキャンセル。4月は3月の約半数の伸び率で16.1%、5月はその余波があり-4.2%で約30万人。5月は今年初のマイナス成長となり、九州への訪問者数の割合が高い韓国市場において影響が顕著に現れる結果となりました。
九州地方インバウンド需要の救世主はライオンズクラブ国際大会?
一方で6月24日~6月28日には福岡市で大規模な国際イベント「第99回ライオンズクラブ国際大会」の開催が予定されています。イベントWEBサイトによれば、参加者数は世界205の国・地域から約35,000名としており、JNTOは約10,000人の訪日外国人観光客の参加を見込んでいます。
それでも6月以降の九州の訪日数は伸び悩む可能性あり
しかしながら、畳み掛けるように発生したのが6月21日の記録的な豪雨。熊本では1時間で150ミリの降水量に及び、土砂崩れによる被害で男女6名が死亡する事態となりました。そのため、6月以降も韓国インバウンド市場と九州地方の訪日数は伸び悩む可能性が高いと思われます。
一方、訪日台湾人・訪日中国人は底堅く推移
訪日台湾人観光客と訪日中国人観光客は、訪日韓国人観光客に次いで九州から入国します。国土交通省九州運輸局によると、2016年3月の九州への訪日外国人入国者数の多い国トップ3は、
- 韓国:11.22万人/九州から入国する訪日外国人全体の38.9%※以下同
- 台湾:3.27万人/11.3%
- 中国:1.9万人/6.6%
となります(参照:九州への外国人入国者数の推移について)。
そのため、どちらの市場も熊本地震による訪日意欲の減退が心配されましたが、中国は、前年同月比31.0%増の507,200人、台湾は、前年同月比10.5%増の375,500人で、手堅く推移している様子です。
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東南アジアのインバウンド市場が元気:マレーシアが絶好調
東南アジアでは、マレーシアは前年同月比36,600人で41.9%増だったほか、フィリピン、ベトナムが30%超増、インド、シンガポールが20%前後増で軒並み順調に成長している模様です
何故マレーシアの急成長の影に黒川黒部アルペンルートの存在
それでは、なぜマレーシア市場がこれほどまでに好調なのでしょうか?JNTOによれば
- 4/22からのエアアジアXの新千歳線増便とプロモーション運賃の提供
- 立山黒部アルペンルートや遅咲きの桜の人気
- 報奨旅行の催行
などが5月の訪日需要増加に寄与したとのこと。
立川黒部アルペンルートは富山県から長野県に抜ける国際的にも大規模な山岳観光ルートです。「雪の大谷」と呼ばれる除雪作業で出来た15〜20mの高さの雪の壁を通り抜ける「雪の大谷ウォーク」を4〜5月期の観光の目玉としています。
近年、雪とは縁遠い東南アジアからの訪日観光客に人気を博しており、5月は訪日マレーシア人や訪日台湾人からの人気が高かったようです。
まとめ:熊本地震の影響は大局で見れば大きな影響はなし。
2016年5月のインバウンド市場は、熊本地震の影響による東アジア・東南アジアの訪日意欲減退が心配されていたものの、韓国インバウンド市場を除き、全体では影響は少ない模様です。
6月は各国のバケーション需要のはざまとなる月であるため、例年、1年のうち最も訪日外客数の少ない機関となります。また、熊本地震と熊本豪雨の影響もわずかながらもあると思われるので、大きな伸びは無いと思われます。
しかし、7月は各国のバケーションが始まる時期となり、非常に注目度の高い月となるでしょう。主要訪日国のバケーションの次期は
- 中国:7月〜8月下旬
- 韓国:7月下旬〜8月下旬
- 台湾:7月〜8月末
- 香港:7月中旬〜8月末
- アメリカ:6月中旬〜8月末
- タイ:7/18(月),19(火)が祝日で4連休
- 欧州各国:7月ごろ
となっています。2015年7月の訪日外客数が約192万人であったことを考えると、2016年7月は、3月、4月に引き続き単月訪日外客数200万人は確実で、250万人程度が見込まれ、さらに注視していく必要がありそうです。
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