訪日台湾人観光客のみならず訪日外国人観光客が増えています。訪日慣れしたリピーターを誘客するために、地方などの自治体はどのようなインバウンド政策を行っているのでしょうか。
今回は訪日台湾人観光客の獲得に成功した都市、地方都市が行ったインバウンド政策のポイントを紹介します。
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友好都市化によって得られる訪日台湾観光客獲得のチャンス
これは過去のインバウンド政策事例となりますが、東日本大震災後に日本を応援したいという名目で、日光市の友好都市である台南市の市長の政策によって「親善旅行団」を作りました。
親善旅行団は日光市から東京などを総勢300名で観光し地域の活性化に貢献したわけですが台湾という友好国だから自然発生的にこの活動が起きたわけではありません。訪日台湾人観光客獲得の裏には日光市市長のインバウンド政策があります。
日光市市長自ら台湾に出向いてのインバウンド政策
この話には、訪日観光ツアーから約1月前に当時の日光市市長が友好都市である台南市に自ら出向きインバウンド政策を行ったという経緯があります。
いくら台湾が友好国だといっても、インバウンド政策は自ら積極的に行わなければならない、また、積極的に受け入れ体制を整えなければ意味がないことをこの事例は示していると考えていいのではないでしょうか。地震への支援受け入れもそうですが訪日台湾人観光客へのインバウンド政策に関しても相互の連携、協力が必要です。
むしろ台湾から学ぶ地方都市のインバウンド政策
台湾の新竹県には日本の有馬温泉があります。台湾の新竹県と兵庫県の有馬温泉は歴史的にも特に関係の深い間柄である訳ではありません。事の始まりは新竹県の知事がマスタープラン構築の為に訪日した際、たまたま有馬温泉に魅了されたという小さなできごとでした。
しかし、現在この台湾の有馬温泉がインバウンド政策に成功しています。知事の行ったインバウンド政策には訪日台湾人観光客獲得のためのインバウンド政策のヒントが多分に含まれています。
国を超えた地域連携と双方のインバウント政策交流
なぜ有馬温泉にインバウンド政策の魅力を感じたのでしょうか? 知事曰く、それは新竹県の温泉郷との環境が似ているからだと言います。そして、この似通った環境というのは地域連携にとって大切な要素とも。
新竹県はIT産業の集積地でありバイオ分野にも力を入れているので医療産業都市構想のある神戸市に共通点があるのです。日本と台湾の交流が盛んになれば新竹県と兵庫双方のインバウンド関連の政策だけでなく、経済発展に関する政策を行ううえでもたくさんの利点があるとしました。
これからは旅行会社に営業するだけでなく、国を越え地域との連携をとって大々的に意見交換、交流することが訪日台湾人観光客獲得のためのインバウンド政策において、とても重要になってくるのかもしれません。
友好都市化政策での中国からの妨害
訪日台湾人観光客獲得のためのインバウンド政策を行ううえで最上の環境とは、やはり友好都市化することです。が、ここでいくつかの問題があります。それは台湾と政治的に意見の食い違う中国が友好都市化に反対する可能性、そして訪日中国人観光客もまた大切なインバウンド政策の対象であることです。
以前、台湾の都市と友好都市化しようと政策した日本の都市が中国と既に友好都市関係であったために政治的圧力を受け友好化政策を断念しました。現在、台湾との友好都市増加に伴い、中国からの圧力はなりを潜めている状況ですが、あまりに訪日台湾人観光客獲得に特化したインバウンド政策を行うと、他国からよく思われない可能性もあるかもしれません。
都市友好化におけるインバウンド注意点 訪日台湾人観光客とほう中国人観光客を混同してはいけない
台湾の友好化政策を施行した都市の場合、やはり訪日台湾人観光客向けのインバウンド対策は洗練されていくことでしょう。しかし訪日台湾人観光客と近い存在である訪日中国人観光客を混同して扱ってはトラブルの元です。
中国と台湾は政治的な問題から国民性まで似て非なることもあり、憎しみ合うところもあります。また同じ台湾人でも親中派の人も反日派の人もいます。うっかり中国人を台湾人と間違えたりすると最悪トラブルに発展することもありうるのではないでしょうか。訪日台湾人観光客獲得のためのインバウンド政策では、この点も含めて慎重に考える必要があります。
まとめ:地域と連携したインバウンド対策
これらのインバウンド政策から企業、若しくは個人でも実行できる訪日台湾人観光客獲得のためのインバウンド対策のヒントが得られたのではないでしょうか。
企業間であってもお互い協力することが双方の利益に繋がりお互いのインバウンド対策としての成果を上げることができると考えられます。そのためには訪日台湾人観光客だけでなくその国の事情を良く知ることが重要です。また、こちら側の都合を前面に押し出すのではなく、訪日台湾人観光客のニーズを知るために、台湾側と密接に交流することが欠かせません。
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