2012年にスタートした、全国各地の観光映像を一般公募する観光映像大賞。6月26日、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2016」で第5回の受賞作品の発表が行われました。今回は大賞受賞を果たした「うつくしいひと」(熊本県)のほか、それぞれの地域のエントリー作品を一部ご紹介します。
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観光映像大賞受賞作品「うつくしいひと」(熊本県)
600を超える応募作品の中から、大賞を勝ち取ったのは、「うつくしいひと」(熊本県)。
市街地中心部に構える熊本城で知られる同県の地域資源を活かした構成になっており、作品の舞台は美しい城下町。繁華街の本屋でアルバイトする大学生・透子は、怪しい男が母親を尾行しているという話を耳にし、問屋街の倉庫2階にある「玉屋末吉探偵事務所」で働く玉屋末吉に依頼。
ちょうど極秘案件が舞い込んでいた玉屋は忙しかったが、この依頼を断ることができず、協力することに。しかし、怪しい男の姿は見つからず、見張りを続けていたところに、透子の知り合いである田上から「お母さんばつけてた男が目の前におっとたい!」という情報が入る……。
「世界の中心で、愛をさけぶ」「クローズド・ノート」「今度は愛妻家」などの作品を手掛けた熊本県出身の行定勲氏が監督を務めました。地域創生を目指す「くまもと映画プロジェクト」として製作された中編映画で、橋本愛、高良健吾など、同県出身者が多数出演。セリフも熊本弁になっています。
「うつくしいひと」は一般公開を行う前に、熊本県、大分県を襲う大地震が発生。6月11日から有料チャリティー配信が行われており、収益を熊本県の復興支援に当てる予定です。
ノミネート作品
ここからはノミネート作品を紹介します。地域の観光資源の魅力をそのまま切り取った作品、ドキュメンタリー風の作品、著名人との対話など、ジャンルは極めて多様です。しかし、それぞれの地域の魅力を的確に紹介しています。
有機農業発祥の町/aya100(宮崎県)
有機農業発祥の町として知られる宮崎県綾町の農家のひたむきな姿を描いた4分半の作品。日の出前から自動車を走らせ、天候の悪い日は雨に打たれながら、農作物と向き合っています。野菜作りという地味ながらも欠かすことのできない仕事を通じて、地域の暮らし、風景を見ることができます。
大凧から見る新潟平野!-白根大凧合戦(新潟県)
白根大凧合戦は、江戸時代中期に始まった新潟県の初夏の風物詩。畳24畳分もの大きさの凧の綱を空中で絡ませ、綱が切れるまで引き合います。
こちらの動画は、ウェアラブルカメラ「GoPro」を使い、大凧から見える風景を初めて記録したもの。大人数が凧揚げに参加しており、巨大な凧を上げる難しさを見てとることができます。
マッツとヤンマとモブリさん2 ―水軍お宝と謎解きの島々―(愛媛県)
愛媛県松山市を舞台とするアニメ「マッツとヤンマとモブリさん」の続編。今作では、鎌倉時代から南北朝時代にかけて忽那諸島を拠点としていた忽那水軍が残した伝説の宝を手に入れるべく、マッツ、ヤンマ、モブリが冒険に旅立ちます。
【絶景茨城】紅葉[4K]|VISIT IBARAKI, JAPAN(茨城県)
美しい紅葉で知られる、茨城県の花貫渓谷(高萩市)、竜神大吊橋(常陸太田市)、永源寺・袋田の滝(大子町)、花園渓谷(北茨城市)を4K映像で記録。高画質な映像で、これらの観光地の魅力を知ることができます。映画やドラマではなく、自然の魅力をそのまま切り取ったような構成です。
【京都おもてなしTV】スペシャルトーク 中島貞夫監督(京都府)
観光と映像の関わりについて、映画監督の中島貞夫氏が語るインタビュー映像。こちらの動画では2分と短いながらも、映画作りの方法という観点からロケ地巡りの魅力について解説しています。
るもいWEBCM るもいであいました。【第9話】増毛編(北海道)
祖父母の遺品から発見された写真を見つけたことをきっかけに、都会に住む男女が北海道留萌を旅行するドラマ風のWebCM。ストーリー内でぶどう農園や酒蔵、食堂など地域の観光資源を登場させ、紹介しています。
まとめ:それぞれの地域にあったコンテンツで情報発信
「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2016」でノミネート、大賞受賞した作品は、舞台とした地域の魅力を発信している点では同じですが、ジャンルは映画、アニメ、インタビュー映像、観光資源をそのまま切り取った映像など極めて多様です。こちらの記事では紹介できなかった観光映像の中には、さらに別のアプローチを採用しているものもあります。
インターネットを使った情報発信の重要性は、これからも低下することはないでしょう。特に映像コンテンツを楽しむ人はさらに増加していくと思われます。それぞれの地域に合った手法を使って、観光資源の魅力を発信していきたいものです。
また、JNTOの動画コンテスト「My Japan Story Video Challenge」の受賞作も、映像コンテンツを作るうえで参考になると思われます。記事はこちら。
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