日本の遊園地・テーマパークの2大巨頭であるディズニーランドやディズニーシーを束ねる東京ディズニーリゾートとユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)。両者とも訪日外国人観光客に人気のゴールデンルート圏内に所属し、近年外国人来園者数が増加しています。
東京ディズニーリゾートについては、東京ディズニーリゾートが発表する「ゲストプロフィール」から割り出すと、およそ200億超えのインバウンド収益があることを、以前の訪日ラボ記事「東京ディズニーリゾートのインバウンド収益は2016年度で推定200億超え!?」でも取り上げました。
東京ディズニーリゾートのインバウンド収益は2016年度で推定200億超え!?
訪日外国人観光客に人気の訪問ルートである「ゴールデンルート」にも入っている東京ディズニーリゾート。今回はオリエンタルランドが発表するゲストプロフィールから、東京ディズニーリゾートのインバウンド収益を見てみます。 目次訪日外国人の来場者比率は近年増加傾向訪日外国人来園ゲスト数は、たった4年で倍の160万人弱まで急増インバウンド収益も4年で倍の172億円(推定)順調に伸びていけば2016年のインバウンド収益200億超えも可能まとめ:インバウンドにおける「定番化」することの重要性訪日外国人の来場...
今回は、USJの開業から今までの入場者数や売上高の推移、そしてそこから割り出したインバウンド収益などの各データをご紹介したいと思います。
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USJ、2015年度の入場者数は前年を120万人上回る1,390万人
東西2大テーマパークの一翼を担うUSJですが、2001年の開業時を除き、入場者数の伸びに悩まされてきました。転機が訪れたのは2010年の親会社「SGインベストメンツ株式会社」への吸収合併。その後、入場者数は増加の一途で推移していきます。
そして2015年度の入場者数は過去最高の昨年を超え1,390万人を記録します。産経新聞によると、
大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の運営会社が1日発表した平成27年度の入場者数は1390万人で、過去最高だった26年度(1270万人)を120万人上回った。
26年7月に開業した人気映画「ハリー・ポッター」のエリアが引き続き人気だったほか、ハロウィーンイベントが好調だった昨年10月の入場者数が前年比約2割増の約175万人と、単月として開業以来最高を記録するなど、イベントでの集客が目立った。―産経WEST「USJ昨年度入場者数は過去最高の1390万人!イベント集客や訪日客増で」
と、ヒットアトラクション「ハリー・ポッター」やハロウィーンイベントが好調の要因と分析しています。
2015年度の訪日外国人入場者数は140万人!入場者の10人に1人が訪日外国人観光客
そして産経新聞によると、こう続きます。
> また、訪日外国人入場者は約140万人で、前年から60万人増加。全体の入場者数を押し上げる要因にもなった。―産経WEST「USJ昨年度入場者数は過去最高の1390万人!イベント集客や訪日客増で」
と、訪日外国人観光客の入場者数が前年度から60万人増加の140万人まで登っています。またブルームバーグでは
> 14年7月には総投資額450億円の新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」をオープン、10年間で5兆6000億円の経済効果を見込んでいる。高橋氏は「ハリーポッター開始後からの1年で海外からの入園者数がだいたい倍になった」と述べた。―Bloomberg「USJ買収、コムキャスト1830億円で-ゴールドマンなどから取得」
と、訪日外国人の入場者数においてもハリーポッターによる影響が大きいと見ています。
全体の入場者増加数は前述のとおり、120万人増です。その内、およそ半数が訪日外国人観光客が担っており、昨今のUSJの好調ぶりの裏にインバウンド需要があることは明らかです。
また、入場者全体数1390万人に対しての訪日外国人入場者数が140万人ですので、入場者の訪日外国人率は10.07%。USJを訪れる人の10人に1人が訪日外国人観光客であるという驚異的な数字となります。
2015年の売上高は推定1,500億円
それでは、USJの売上高の推移を見てきましょう。売上高も、入場者数同様に開業時に1,181億円を記録して依頼、70億前後で推移していきます。そして、2010年の吸収合併の後、順調に増収していき、2015年3月の決算、つまり2014年度の売上高で史上最高となる1,385億円となります。(2010年の吸収合併の為、2009年度の売上高はデータ無し)
USJは、2016年3月決算、つまり2015年度の売上高は、買収の関係で公開しないとしています。そのため、2015年年度売上は2014年度の客単価(約10,900円)を維持したものとして推定で算出しています。
訪日外国人入場者数から割り出されるインバウンド収益は153億!
USJ発表によると2014年度の訪日外国人の入場者数は80万人、2015年度は140万人です。仮に日本人と訪日外国人観光客の客単価が同額であると仮定すると、2014年度のインバウンド収益はおよそ87.2億、2015年度は152.6億円に及びます。
ディズニーリゾートのインバウンド収益は2014年度で172億円でした。しかしながら、ディズニーリゾートの場合、東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーの総計での算出なので、いかにUSJが訪日外国人観光客に人気なのかを伺わせる結果となりました。
まとめ:「モノ」から「コト」への転換で注目を浴びるテーマパーク
以前の訪日ラボ記事でもお伝えしたとおり、主に訪日中国人観光客の消費が爆買いから体験へ、つまり「モノ」から「コト」へ転換してきつつあります。
今まででも、東京ディズニーリゾートやUSJはゴールデンルートに組み込まれていたこともあり、すでにインバウンド需要の取り組みに成功しつつあります。そこに、この「モノ」から「コト」への転換が起きつつあるので、USJにとってはかなりの追い風になりうるのではないでしょうか。
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<数値データ参照先>
- THE PAGE「USJ 開園以来の入場者数、年間1000万人が確実に」
- 産経WEST「USJ昨年度入場者数は過去最高の1390万人!イベント集客や訪日客増で」
- 日本経済新聞「USJ、山あり谷あり驚きありの15年 」
- 日本経済新聞「USJ、12年度売上高13%増821億円 過去2位の水準 」
- 平成21年3月期 決算短信(非連結)
- 株式会社ユー・エス・ジェイ 有価証券報告書
- 帝国データバンク「特別企画: 遊園地・テーマパーク経営企業の実態調査(2015 年決算)」
- 帝国データバンク「特別企画: 遊園地・テーマパーク経営企業の実態調査(2014 年)」
- 帝国データバンク「特別企画: 遊園地・テーマパーク経営企業の実態調査(2013 年)」
- 帝国データバンク「特別企画: 遊園地・テーマパーク経営企業 118 社の実態調査」
- 帝国データバンク「特別企画: 遊園地・テーマパーク経営企業 126 社の実態調査」
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