ドラマや映画、アニメ・漫画のロケ地やモデルとなった土地を訪問する「ロケツーリズム」。そのなかでもアニメや漫画のモデル地となった場所を訪問し、アニメ内と同じアングルで写真をとったり、その世界に入りこんだような感覚を楽しんだりすることを特に「聖地巡礼」といいます。
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「聖地巡礼」という俗語をご存知でしょうか?もともとは宗教上の聖地や霊場などを参拝して回ることを意味します。有名なものでは、イスラム教において人生のうち、1度はメッカを訪れなければならないとされている「ハッジ」ではないでしょうか。しかしながら、現在ではその「聖地巡礼」の原義から転じて『アニメや漫画などの舞台やモデルとなった場所や縁のある場所を「聖地」と呼び、その「聖地」を訪れる』という意味がメジャーとなってきています。いまやインバウンド需要においても重要な要素となりつつある、この意味での「聖...
先日9月16日、アニメ・漫画の舞台やモデルになった「聖地」を認定し、アニメや漫画を通じて訪日外国人観光客誘致や地域の観光活性化を図る「一般社団法人アニメツーリズム協会」が発足しました。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
アニメツーリズム協会とは?
アニメツーリズム協会とは、アニメの舞台・モチーフとなった地域を「聖地」として選定し、訪日外国人観光客の聖地巡礼促進を目的としている一般社団法人です。
アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズで有名な富野由悠季監督が理事長に就任、理事会にはKADOKAWAやJTB、日本航空の代表らが参加しており、今後は観光庁とも連携していくとのこと。官民連携し、オールジャパン体勢で聖地巡礼を盛り上げていくことがねらい。
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「聖地」として88カ所を選定へ:世界中のアニメファンから公募も開始
アニメツーリズム協会は、聖地を
- アニメや漫画の舞台やモデルになった地域や場所
- 作家ゆかりの街や生家、記念館
- 作品アドに関連する博物館や施設
と定義しており、これらの聖地候補をWEBページにて募集しています。募集ページは日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、タイ語、マレー語と多言語対応しており、日本のファンだけでなく、世界中のアニメファンから意見を募集しています。
公募を参考に選定した全国88カ所の「アニメ聖地」の情報を国内外に発信し、各地域へ送客を促していきます。地域とコンテンツホルダー(アニメなどの権利所有者)をつなげ、新たなサービスや旅行商品、観光名所開発を促進、「聖地」と「聖地」をつなぐ周遊観光ルートも整備していく。各地域の受け入れ体制もサポートしていくとのこと。
すでに観光庁や自治体が独自で作成したアニメマップも存在
アニメツーリズム協会の発足以前から、訪日外国人観光客の聖地巡礼需要の高まり、または訪日外国人観光客誘致の観点から観光庁や地方自治体が個別でアニメマップを作成する動きはありました。
JNTO(日本政府観光局)は英語版WEBサイトにて、「Japan Anime Map」と題し、日本の「OTAKU CULTURE」と、有名アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」「らきすた」「エヴァンゲリオン」などといった作品の聖地を紹介。
財団法人東京観光財団が運営する訪日外国人観光客向けWEBメディア「GO TOKYO」においても、東京都内のアニメスポットを紹介する観光マップを配布しています。
東京の場合、アニメや漫画の具体的な舞台としての「聖地」が少数であるものの、アニメ製作会社や日本一の同人誌即売会「コミケ(コミックマーケット)」といったイベント、随一のアニメ街秋葉原などを有しています。「GO TOKYO」のアニメマップも、「聖地」というよりかは「アニメスポット」を紹介する格好となっています。
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アニメツーリズム協会の意義は広域連携か
上記のほか、地方自治体や企業・団体などが独自に訪日外国人観光客のアニメ聖地巡礼向けアニメマップを作成した例は、各聖地ごとに存在しています。
しかしながら、横の連携が乏しく、画一的な情報提供が出来ていない印象です。そのため、訪日外国人観光客目線では、情報が個別に展開されており、どうしたら「聖地」に行けるのかがわかりづらいのが現状です。
アニメツーリズム協会の設立意義は、このような課題を解決するところにあるのではないでしょうか。
アニメツーリズム協会設立のプレスリリースにある通り、「オールジャパン体勢」での聖地巡礼需要の醸成に期待が集まります。
まとめ:聖地巡礼はニッチであるこそリピーター化に期待
聖地巡礼といったアニメツーリズムを含むロケツーリズムは、年間100万人の訪日外国人観光客が実施しており、今後の市場拡大に注目が集まる分野です。しかしながら、観光スポットとしての集客力は、現状「東京」「京都」といった一大観光スポットには遠く及ばないのが事実でしょう。そのため、聖地巡礼市場は、受け入れ側からも訪日外国人観光客の口コミからも、情報提供が行き渡っていない分野でもあります。
そのような状況の中、アニメツーリズム協会が設立されたのは、直上で述べた通り、画一的な情報提供ができうることに意義があるのではないでしょうか。
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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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