2016年11月2日、日本政府観光局(JNTO)により、2016年1月1日から10月30日までの訪日外国人観光客数が2,000万人を超えたとの報道発表がありました。
以前より目標としていた2,000万人到達の達成時期は当初の目標よりも早く、JNTOは2020年の訪日外国人観光客数4,000万人誘致を目指して、これからもインバウンド誘致に向けた取り組みを加速させていくとしています。
このような追い風を受ける日本のインバウンド市場。国内の各種業界、メーカーにとっても「インバウンド」はホットなキーワードの1つになっています。
その中でも、お菓子類の開発・販売を行う「製菓業界」には、他業界よりも大きなインバウンド需要が存在しているということが言えるかもしれません。
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- 訪日客の土産品として人気の高い「菓子類」:全体の65%が滞在中に購入
- [インバウンド向け商品例①]Nestle:さくら風味、宇治抹茶味などのキットカットを販売
- [インバウンド向け商品例②]江崎グリコ:インバウンド向けポッキーを開発:空港の免税エリアで販売
- [インバウンド向け商品例③]森永製菓:板チョコアイス<抹茶あずき味>を全国コンビニで販売 訪日客もターゲットに
- [インバウンド向け商品例④]カルビー:「日本の味シリーズ」としてご当地ポテトチップスを販売
- インバウンド向け菓子類の開発、ポイントは「味・品質の良さ」「日本らしいもの」の2つ
- まとめ:訪日客はお菓子に「味・品質の良さ」「日本らしさ」を求める 国内メーカーではその背景を利用したインバウンド向け商品開発を実行
目次
訪日客の土産品として人気の高い「菓子類」:全体の65%が滞在中に購入
観光庁による「平成27年度訪日外国人消費動向調査」では、訪日外国人観光客の「土産品の購入実態」(訪日外国人観光客が日本滞在中に土産品として購入したものに関するデータ)が記載されています。
購入率(その費目を購入した人の割合)に関する部分を確認すると、訪日外国人観光客の購入率が最も高いものが「菓子類」であることが把握できます。
その数値は65%となっており、これは訪日外国人観光客の65%が「菓子類」を購入しているということを意味します。
先述の通り、多くの訪日外国人観光客が菓子類を購入するという事実から、国内の製菓業界でもインバウンド対策に着手。訪日外国人観光客向けの商品の開発・販売を行っています。
[インバウンド向け商品例①]Nestle:さくら風味、宇治抹茶味などのキットカットを販売
スイスのヴェヴェーにある売上高世界最大の食品メーカーネスレ (Nestle S.A.) の日本法人であるネスレ日本(以下、ネスレ)は、世界的にも知名度の高い「キットカット」を日本でも販売しています。
「キットカット 宇治抹茶」「キットカット 日本酒」「キットカット さくら風味」「キットカット ほうじ茶」などを訪日外国人観光客もターゲットに取り込んだ商品として開発しています。
[インバウンド向け商品例②]江崎グリコ:インバウンド向けポッキーを開発:空港の免税エリアで販売
江崎グリコ株式会社(以下、グリコ)では、地域限定お土産ポッキーをリニューアルし、厳選した地元食材による「夕張メロン」、「信州巨峰」、「宇治抹茶」が堪能できる「ご当地みやげポッキー」を、2016年2月2日より発売しています。
これらの商品は、訪日外国人観光客向けに、国際線発着空港の免税エリアにある土産店で販売されています。
[インバウンド向け商品例③]森永製菓:板チョコアイス<抹茶あずき味>を全国コンビニで販売 訪日客もターゲットに
森永製菓株式会社では、「板チョコアイス<抹茶あずき>」を開発。2016年6月13日より全国のコンビニエンスストアにて販売が始まっています。
同商品は30代から40代の男女と訪日外国人観光客をターゲットとしているとのこと。
[インバウンド向け商品例④]カルビー:「日本の味シリーズ」としてご当地ポテトチップスを販売
カルビー株式会社(以下、カルビー)では、訪日外国人観光客向け商品として、「ポテトチップス 日本の味シリーズ」を販売しています。
「わさび味」「博多明太子味」「北海道バターしょうゆ味」「九州しょうゆ味」など「ご当地」の魅力を売りにした商品でインバウンド需要に応えます。
また、2016年2月1日から「桜バター味」の販売も開始。パッケージには同シリーズの特徴である富士山のアイコンと「Made in Japan」の文字を同様に表記。桜のイラストを盛り込むことで日本らしさを前面に押し出しています。
このように、大手製菓メーカーは、訪日外国人観光客向けに、「日本らしさ」「ご当地」をテーマにしたインバウンド向け商品の開発を行っています。
訪日外国人観光客向けの商品を開発・販売する場合、どういったことがポイントになってくるのでしょうか?先ほど引用した観光庁からの資料をもとに紐解いていきます。
インバウンド向け菓子類の開発、ポイントは「味・品質の良さ」「日本らしいもの」の2つ
先ほどの資料「平成27年度訪日外国人消費動向調査」では、訪日外国人観光客が日本の菓子類に関して満足した理由についての記載もされています。
日本の菓子類に関して満足した理由について、最も大きな割合を占めたのが「美味しいから」という回答。全体の53.7%を占めています。
次に多かった回答が「お土産にいいから・頼まれたから」との回答で、全体の21.9%を占めています。
他にも「価格の手ごろさ」「自国での入手の難しさ」「伝統的・日本独特のものだから」などの回答が挙がっています。
ここから把握できるのは、訪日外国人観光客は日本の菓子類において、「味・品質の良さ」「日本らしいもの」を求めているということです。
飲食物を販売する際、味や品質などが重要であるということは言うまでもないため、1つ目の理由については割愛しますが、抹茶やサクラなど「和を連想させるもの」や明太子や九州しょうゆ、お好み焼きなどの「ご当地もの」は、訪日外国人観光客に人気になりやすい傾向にあります。
人々の健康志向の高まりというトレンドから「和食」が世界的に注目されているという背景を踏まえると、抹茶など日本独自の食文化を活用した商品には、インバウンド市場において大きな可能性があるといえます。
まとめ:訪日客はお菓子に「味・品質の良さ」「日本らしさ」を求める 国内メーカーではその背景を利用したインバウンド向け商品開発を実行
訪日外国人観光客の多くが購入する菓子類。国内の製菓業界は、インバウンド対策として「味・品質の良さ」「日本らしいもの」を売りにした商品開発を行っています。
製菓業界に限らず、日本独自の文化や伝統を取り入れた商品には、インバウンド市場において大きな可能性があるといえます。
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【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
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