イギリスの越境ECとは | 欧州で最大のEC市場・商品ジャンル・人気サイト5選

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2014年時点の調査で、Eコマースの売上高が最も多かったヨーロッパの国はイギリス、次いでドイツとなっており、この2国だけで全体の50%を占めるほどのボリュームとなっています。

それでは実際にイギリスEC事情はどのようになっているのでしょうか?

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イギリスの小売りEC市場規模

eMarketer.comより引用

eMarketer.comより引用


イギリスEC市場は成長を続けています。

アメリカの市場調査会社eMarketerによると、イギリスにおける小売りEC市場規模は、成長を続けており、2014年には527億ポンドだったものが、2016年には670億ポンドに成長すると予想されています。

2014年から2015年にかけては14.5%の成長、2015年から2016年にかけては15.7%成長するという予想がされています。

高い成長ポテンシャル

イギリスの人口は約6490万人ですが、そのうち92%がインターネットのアクティブユーザーであるとされています。

2015年にはインターネットユーザーの77%がオンラインでの購入をしています。

2014年にはインターネット経由でのセールスが、全体の小売市場規模の13.5%だったのが、2015年には15.2%に、2016年には16.8%になると予想されています。 

モバイルコマース(Mコマース)市場

イギリスでは約7400万台のモバイル端末が普及しています。対人口比の普及率は115%となっており、一人で複数台を所有する人もいます。

今後、こうしたモバイル機器を経由した消費活動の「モバイルコマース」(Mコマース)の市場としてのポテンシャルは非常に高いといえるでしょう。

イギリスECサイトのうち、60%がモバイル対応を完了しているとのデータがあります。モバイルからのECサイトへのアクセスのうち、70%がスマートフォン、30%がタブレットです。 

イギリスの消費者はECで何を購入しているのか?

同じく調査会社のtwenga-solutionsは、イギリスで最もポピュラーなオンラインでの購入商品のジャンル別ランキングを発表しています。

1位はアパレル、2位が本、3位が家電製品で、これら3品目はイギリスに限らず欧州市場でもポピュラーとなっています。

また、2015年には58%のイギリス人消費者が海外から商品を購入しています。

国別の上位3位にはアメリカ中国ドイツが入っています。 

決済方法

twenga-solutionsの調べによると、イギリスで最も選ばれている決済方法はクレジットカードで49%、次いでPaypalなどが40%となり、銀行決済は僅かに5%しかありません。

イギリスで人気のECサイト

イギリスの人気ECサイトとしては世界的にも有名なサイトが多いですが、その中でもイギリス発のTesco、Argos、Nextなどが存在感を発揮しています。

1. ebay

ebay

ebay

もともとアメリカ発のオークションサイトだが全世界規模に発展。月額費用を支払う事でebay内にストアを持つことが可能で、現在は世界最大規模のオンライン・マーケットプレイスとなっている。

2. Amazon.co.uk

amazon.co.uk

Amazon.co.uk

アマゾンのイギリスサイト。もともとはイギリス最大のオンライン書店であったブックページズを1998年にアマゾンが買収、これが後にアマゾンのイギリス部門 amazon.co.ukとなり、ドイツへの進出と共に、アマゾンの欧州進出のきっかけとなった。

3. TESCO

TESCO

TESCO

スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどを展開するイギリス企業。金融、電気通信、ガソリンスタンド事業など幅広く事業を展開している。

4. Argos

Argos

Argos

イギリス国内に750以上の店舗を持つイギリス企業。玩具、家具、日用品、電子機器、デジタル製品などを扱っている。

5. asos

asos

asos

オンラインショッピングサイトと、自社ブランドを展開するイギリス企業。ファッション通販サイトとしては最大規模で、850以上のブランドを扱う。

まとめ

ヨーロッパの中では最もEコマース市場が発展しているイギリス。しかしその一方で利用者のサイトに対する要望も多く、無料配送、豊富な支払い方法、そして配達予定日の通知などがデフォルトで求められます。

越境ECの市場としてイギリスを捉えた時に問題となるのがEU離脱による影響です。各国がEU進出の拠点としてイギリスに進出してきた過去もありますが、イギリスがEUを離脱すると言うことはイギリスからEU圏への商品発送にも関税がかかることを意味します。また離脱前後での金融、為替への影響も見逃せません。

欧州連合基本条約(リスボン条約)にはEUからの離脱については2年間で離脱することと定めていますが、EU離脱に関しては新たに就任したメイ首相がEUと離脱交渉をしていくことになります。そのため、最短でイギリスのEU離脱は2019年、大方の予想では2023年頃といわれています。

越境ECの市場としてイギリスを見た場合、将来的なEU離脱に関する影響、最悪の場合はイギリス市場からの撤退までを含めて検討したほうが良いでしょう。

<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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