いままでのインバウンド市場では「円安が訪日外国人観光客を呼び寄せた」というのが定説でした。そのため、逆説的に「インバウンドは今だけだ。円高が進行すれば訪日外国人観光客の客足は遠のいてインバウンドは終了だ」という言説https://honichi.com/9965も数多くありました。
円高の影響でインバウンド市場が減退ってホント? 各メディアを比較してみました
最近円高が加速していることにより、インバウンドに対する影響が心配されています。旅行には支出はつきものですので、訪日旅行にも、もちろん影響はあると思われますが、各メディア・団体はどのように報道しているのでしょうか?今回は、様々なメディアの報道・レポートを比較することで、円高によるインバウンド市場への影響を見ていきましょう。 目次東洋経済は「円安が訪日観光客を引きつけた」と分析「円高が進めば訪日客は潮が引くように減る?」のか?東洋経済の別の記事では『「円高で訪日客が減る」が絶対に間違いな理由』...
しかしながら実際に円高が進んだ2016年、インバウンドはどうだったかといえば、訪日外客数は 2403万9千人 、訪日外国人旅行消費額は 3兆7,476億円 で、どちらも過去最高を更新しました。
【速報】2016年のインバウンドは過去最高の2403.9万人!
昨日2017年1月17日、JNTOより訪日外客数統計の2016年年間値が発表され、2016年のインバウンドは過去最高の2403万9千人であったことがわかりました。2015年の1973.7万人に対し、前年比21.8%増となり、初の2000万人突破。JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最多の訪日者数となりました。 目次2016年 2400万人突破!このままのペースであれば4000万人も不可能じゃない2013年から振り返るインバウンド市場各国のインバウンド市場推移訪日中国人観光客訪日台湾人...
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2015年までのインバウンド:円安の進行とともにインバウンド市場が成長
2015年までのインバウンド市場は、LCCの増発、ビザ緩和、そして円安などの外部的要因によって成長してきました。特に円安と訪日外客数、訪日外国人旅行支出は強い相関関係が認められ、いままでのインバウンドは 安く海外旅行できる旅行先としての日本が人気であった という推測が成り立ちます。
とすれば、今までのインバウンドは「日本大好き!」「クール・ジャパン!」という、いわば理想とする訪日外国人観光客は少なかったと考えられます。ショッピング+αで日本の著名な観光地をまわれるゴールデンルートの需要が高かったことがその裏付けとなるでしょう。
各都道府県別インバウンド消費額を推計してみました:現状ゴールデンルート外、首都圏以外は苦戦の模様
先日国籍別訪問率のヒートマップをご紹介しましたが、それぞれの都道府県で見たときのインバウンド消費額は、現状どうなっているのでしょうか?今回は、観光庁「訪日外国人消費動向調査平成27年の年間値の推計(暦年)」観光庁「宿泊旅行統計調査平成27年1月~12月分(年の確定値)」ジャパンガイド「外国人が興味を持っている都道府県ランキング」の数値を利用して、各都道府県のインバウンド消費額を推計してみました。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウン...
それゆえ、各種メディアでは「円安=インバウンド成長」から翻って「円高になったらインバウンドは終わってしまうかも」という論調が出てくるようになります。
円高の影響でインバウンド市場が減退ってホント? 各メディアを比較してみました
最近円高が加速していることにより、インバウンドに対する影響が心配されています。旅行には支出はつきものですので、訪日旅行にも、もちろん影響はあると思われますが、各メディア・団体はどのように報道しているのでしょうか?今回は、様々なメディアの報道・レポートを比較することで、円高によるインバウンド市場への影響を見ていきましょう。 目次東洋経済は「円安が訪日観光客を引きつけた」と分析「円高が進めば訪日客は潮が引くように減る?」のか?東洋経済の別の記事では『「円高で訪日客が減る」が絶対に間違いな理由』...
2016年のインバウンド:円高が急速に進んだにも関わらず、成長し続けた
しかしながら、実際に円高が進んだ2016年はどうだったかといえば、冒頭でもお伝えしたとおり、訪日外客数は 2403万9千人 、訪日外国人旅行消費額は 3兆7,476億円 で、どちらも過去最高を更新しました。
前述の通り、2015年までは円安に比例して訪日外客数および消費額が伸び続けていますが、一転円高になってしまった2016年であっても、伸びが多少減退したものの、上昇を続けています。
なぜ円高にも関わらず2016年はインバウンド市場が拡大し続けたのか
インバウンド市場で中心となっている訪日中国人観光客は、元来初訪日率が高く、したがって安心して訪日旅行ができる団体ツアーに参加し、ゴールデンルートを巡るのが通説でした。しかしながら、現在ではリピーターが徐々に増加、よりディープな訪日旅行を楽しめる個人旅行(FIT)比率も増加しつつあります。
個人旅行と団体旅行の割合から見る今後の訪日中国人観光客の展望:個人旅行化が進み、wechatやweiboなどで個人へアプローチが必要
「爆買い」という言葉が大流行しました。訪日中国人観光客が団体旅行で日本を訪れ、家電製品などを中心に大量に購入していく姿は、もはやおなじみのものとなりました。また、ゴールデンルートを主軸にして、日本の観光地を訪日中国人観光客が団体旅行で回る光景もよく目にします。それでは、訪日中国人観光客の中で、団体旅行客と個人旅行客は、どのくらいの割合なのでしょうか。<関連記事>インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするが重要!おすすめのインバウンド対策についてより詳しい資料のダウンロードはこち...
ここから考えられることは、2016年以降も訪日客が増加しているのは、 円安をフックに訪日した外国人観光客が日本の魅力を体感し、リピーター化している、という好循環が発生 しているからだということです。
まとめ:2017年のインバウンドは地方・コト消費・リピーターがキーワードに
今までのインバウンドは円安などの外部要因によって成長してきました。特にアジア圏においては、 安く海外旅行できる旅行先としての日本が人気であった ものと考えられます。そのため、 都市部や主要観光地 に 買い物(モノ消費) をしにくる 初訪日旅行者 が増加し、それがインバウンドを支えていました。
しかしながら2017年以降は「安い」ことではなく、「日本そのもの」が魅力となりうるでしょう。そのため、 日本だからこそ出来る体験(コト消費) を求めて、 都市部だけでなく地方 も周遊し始めるリピーターの訪日外国人観光客を如何に取り込んでいくかが、今後のインバウンドで重要になってくるでしょう。
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