東京都内、神奈川県内で日帰り、宿泊型のバスツアーを展開している「はとバス」は 2016年度(2016年7月1日~2017年6月30日)の東京観光コース利用者数を発表しました。この発表内容によると、東京観光コースの利用人数はバブル期並みとなる934,306人となり昨年比で109.6%という結果 となりました。この中で 訪日外国人観光客向けコースは83,879人となっており、昨年比94.4% となりました。

コースごとに見ると、昼コース、夜コースともに前年比で増加しているが、訪日外国人観光客コースなどが減少

コースごとの内訳を見ていくと、昼コースは昨年比74,465人増となる718,173人の利用となり、前年比111.5% となりました。夜コースは昨年比15,051人増となる118,630人 となっています。一方で、訪日外国人観光客コースに関しては中国人向けコースが25%減少し、昨年比で4,975人減少となっており、前年比94.4% という数字となりました。団体での貸し切り利用に関しても同様に減少。昨年比では2,481人減、84.6%という数字となりました。
全体的には軽井沢スキーバス転落事故や熊本地震の影響、8~9 月に相次いで接近・上陸した台風や雨天の影響等により2016年9月まで苦戦を強いられたとのことですが、秋の行楽シーズンから利用者数が急伸。前年度よりご利用者数が8.2万人増加の93万人を超え、バブル期に匹敵する利用者数となっています。
バブル期に匹敵する利用者数を達成出来た背景
はとバスではこうした数値を達成出来た背景には様々な要因があったと考えています。
まず、3月には北海道からの観光客増に繋がる北海道新幹線が開業。4月にはバスタ新宿(新宿南口に出来たバスターミナル)が開業、赤坂離宮迎賓館の一般公開もあり、7月には国立西洋美術館が世界文化遺産に登録されました。 また、話題としてはギンザシックスの開業、築地市場の移転問題などがあり、東京への関心が高まったこと、都内ホテルの客室不足と宿泊代金の急騰が一服、値下げする動きもなどもあり、東京におけるホテルの宿泊事情が変化した ことなども今回の結果に繋がったのではと推測されます。

はとバス側も、こうした話題を受けて赤坂離宮迎賓館や国立西洋美術館など、話題の施設を組み込んだコースを販売。 また需要の高い2 階建オープンバスの台数を増やし需要を取り込みました。また、2017年3月から各新幹線の開業周年記念として、割引切符や往復の新幹線とホテルをパックにした旅行商品などをJR各社が発売、東京への旅行者数増加も見込まれたことから、それに連動し各地方都市での需要喚起を行うなど、マーケティング活動も積極的に展開したことが、今回の結果の1つの要因となっていると言えるでしょう。

今後さらに訪日外国人観光客をバスツアーに呼び込むには、「コト消費」に関連するツアー開発などが必要
観光庁が平成29年1-3月期 報告書としてまとめている「訪日外国人観光客の消費動向」によると、訪日外国人観光客が日本観光で最も楽しんでおり、次回も楽しみたいと考えているのが「日本食を食べること」で、「ショッピング」「繁華街の街歩き」も高い人気であることがわかります。

そうしたことを踏まえると、単純に「世界遺産を訪れるツアー」だけでなく、「バスで行く東京B級グルメ食べ歩きツアー」など、訪日外国人観光客が日本でやりたいと思っているツアー商品を発売することで、新たな訪日外国人観光客にとって人気のツアーを生み出せる可能性が高いと言えます。今後増加していく訪日外国人観光客ゲストに楽しんでもらうためにも、各方面で訪日外国人観光客目線でのサービス開発、サービス提供がさらに求められていくでしょう。
<参考> - 訪日外国人観光客コースは 5%減も、国内需要が伸長、好調持続。 - 訪日外国人観光客の消費動向
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