中国経済産業局では、サイクリングをツールとした新たな観光関連産業の創出を目指し、「Cycling × Life Project(サクラプロジェクト)」(以下、サクラプロジェクト)を立ち上げました。先日7月29日、サクラプロジェクトの第一弾の取り組みとして、山口県でアイデアソンを開催されました。
近年のインバウンド市場の拡大とともに注目を集めるスポーツツーリズム。その中でもサイクリング(サイクルツーリズム)に注目した本プロジェクトはどのようなものなのでしょうか?サクラプロジェクトの全容とともに、第一回目のアイデアソンのご紹介をしていきます。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
サクラプロジェクトとは?
サクラプロジェクトとは、中国経済産業局主導のもと、中国地域内外のプラットフォームを構築し、サイクリングをツールとした新たな観光関連産業を創出する取り組み です。国内外で成長傾向にあるサイクルツーリズムにおいて、地域のイノベーションを促進するため、積極的に地域内外の資源を活用し、様々な産業を掛け合わせ、知財等も活用し、骨太な観光関連産業の創出を目指すとのこと。
このサクラプロジェクトはビジョンとして以下をあげています。 - あらゆる人が、テクノロジーや人との繋がりを通じ、達成感や非日常感のある体験や、心と体の健康を得ることで、笑顔あふれる豊かな人生を実現する。 - 大切な人達と安全に、気軽に、サイクリングで、楽しめる社会を実現する。
そして、平成29年度(2017年度)、つまり今年は 中国地方各地域でアイデアソン/ハッカソン等の手法を用いて、地域の気運醸成・ネットワーク形成の促進を図っていきます。
7月29日、サクラプロジェクトの取り組みの初動として、山口県で第1回目のアイデアソン開催
このサクラプロジェクトの取り組みの第1弾として、先日7月29日、山口県山口市で「サクラプロジェクト in 山口・湯田温泉」が開催されました。
「サクラプロジェクト in 山口・湯田温泉」はアイデアソン(*1)の形式をとったイベントで、「温泉×サイクリング」 をテーマとし、歴史や温泉街である山口の「サイクリング・ツーリズム体験をより○○に変えたい、○○になったらいいな」という想いやアイデアをお持ちの方々が集い、ファシリテーターのガイドのもと、即席チームを作ってアイデア創造に取り組みました。
*1:アイデアソンとは「アイデア(Idea)」と「マラソン(Marathon)」を合わせた造語。特定のテーマについてグループ単位でアイデアを出し合い、それをまとめていくイベントのことを意味する。
山口県のサイクルツーリズムの取り組み「サイクル県やまぐちProject」
山口県は「サイクル県」として「サイクル県やまぐちProject」を推進しています。日本最大のカルスト台地の国定公園「秋吉台」を擁する山口県は、サイクリストからの人気を徐々に集め始めています。
山口県は、サイクルイベントの開催やサイクルエイド(修理工具やポンプ等を設置した施設)の普及、そして国内外に対するPR・情報発信などの取り組みを通じて「サイクル県やまぐち」のイメージ定着・推進を目指しています。
今後のサクラプロジェクトの取り組み
サクラプロジェクトの2017年度の取り組みとして、今回の山口の他、今後3つのアイデアソンの開催が予定されています。スケジュールは以下の通り。
- サクラプロジェクト in 島根・飯南町
- 日程:8月6日(日)9時30分~17時30分
- 場所:飯南町役場(島根県飯石郡飯南町下赤名880番)
- テーマ:「里山×サイクリング」
- サクラプロジェクト in 鳥取県大山町
- 日程:9月9日(土)9時30分~17時15分予定
- 場所:モンベル大山店(鳥取県西伯郡大山町大山115番地)
- テーマ:「アウトドア・ツーリズムの創出・活用」(仮)
- サクラプロジェクト in 広島県尾道市
- 日程:10月21日(土)、22日(日)開始時間未定
- 場所:ONOMICHI SHARE(広島県尾道市土堂2丁目10番24号)
- テーマ:「未来のサイクリング・ツーリズム」(仮)
まとめ:各地で地方創生・インバウンド地方誘客の取り組み続々と
今回はサクラプロジェクトの全容と、山口県で行われた第一弾の取り組み「サクラプロジェクト in 山口・湯田温泉」についてご紹介しました。日本は山岳地域が多く、熱心なサイクリストにとっては手軽にヒルクライム(自転車による山登り)ができる他、アクティビティーとして取り組みたい方にとっても、地方では日本ならではの田園風景が楽しめ、「コト消費」への対応や観光資源の発掘として注目を集めています。
以前、DMOについて取り上げた際も触れましたが、現在の地方観光では 関係者の巻き込みが不十分、データの収集・分析が不十分、民間的手法の導入が不十分 といった課題があります。
最近インバウンドで良く耳にするDMOって何?そもそもDMOとは何なのか、なぜ日本のインバウンドにもDMOが必要なのかを解説
インバウンドビジネスに関わる皆さんも、最近DMOという言葉を耳にする機会が多いのではないでしょうか?でも「そもそもDMOが何なのかわからない。」という方もいるかと思います。そんな方に向けてDMOとは何なのか?日本でのDMOについて解説していきます。目次DMOとは何か?DMOの目的インバウンドにおけるDMO:日本版DMOがなぜ必要なのか?インバウンドで日本版DMOが必要な理由その1:関係者の巻き込みが不十分インバウンドで日本版DMOが必要な理由その2:データの収集・分析が不十分インバウンドで...
そのようななかで、今回のサクラプロジェクトのような取り組みは、地方での横の連携を強め、地域全体の観光資源の発掘・ブランディング強化の施策として非常に有意義であると考えられるでしょう。
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
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→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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