1996年に設立され、現在、月間約180万人のユーザー*が閲覧している「ジャパンガイド 」では、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、イギリスなどの英語圏からのアクセスが上位を占めています。今回はJNTOで認定されている欧米豪主要9市場から 「アメリカ・オーストラリア・イギリス・カナダ・ドイツ・フランス」の6カ国をとりあげ、各国からのジャパンガイドへのアクセスデータをもとに、それぞれの国の特徴を比較 してみたいと思います。
ゴールデンルート以外に「高山」、「高野山」などがランクイン 国別の人気エリアページランキング
ジャパンガイドでは約2000ページに渡り、47都道府県の情報を発信していますが、サイト内のページカテゴリーは大きく4つに分けて構成されています。具体的には、「Destination(地域)」、「Interests(興味)」、「Plan a Trip(旅行計画)」、「Forum(掲示板)」の4つになります。「表1」では、「Destination」のカテゴリー下にあるページを、各国別にページへのアクセスが多い順に並べています。
まず共通点を見ていくと、「東京」、「京都」、「大阪」がいずれの国でも1位から3位を占めている点や、順位に若干の違いはあるものの、「箱根」のページは6カ国すべてにおいて10位以内にランクインしていることから、これらのエリアは国に関係なく根強い人気があることがうかがえます。
一方で、3位以下からは国によって順位が異なっています。アメリカ においては、東京の中でも「築地」や「秋葉原」のページが他5カ国よりも高い順位にランクインしていることや、京都の「伏見稲荷大社」がピンポイントで10位以内にランクインしていることから、アメリカでは地域名だけではなく、具体的なスポットにまで観光地としての認知が及んでいるということがわかります。
オーストラリア の特徴としては「名古屋」が7位にランクインしている点があげられますが、これは「表1」で9位にランクインしていた「高山」へのハブとして名古屋が使われている可能性が考えられます。
イギリス は、特に山のあるエリアのランクインが目立ち、「富士」に関するページが2つランクインしている点はアメリカに類似しています。「富士登山」に関するページが見られていることからも、「富士」を見るだけでなく登ることへの興味が強い様子がうかがえます。
カナダ においては「嵐山・嵯峨野」が4位にランクイン、ドイツやフランスではアメリカのデータとは反して、東京に関するページは2位から10位までランクインしておらず、より地方への興味関心が高い傾向が表れています。
フランス については九州や中部のページが上位に入っている点も他国には見られない特徴です。また、10位以内には入っていないものの、ドイツ からのアクセスでは「沖縄」が11位にランクインしていたのも、他5カ国には見られない結果となりました。
このように、「欧米豪」という括りのなかでも、ひとつひとつの国を見ていくと、それぞれの国における興味、関心度の違いが浮かび上がってきます。
独・仏は食よりお花見 テーマ別にみる各国の関心度の違い
次に「Interests」と「Trip a Plan」のカテゴリー下にあるページへのアクセス順位を、国別に比較してみたいと思います。
こちらでは1位から国によって違いが出ています。まず 「日本へ行く時期」について説明しているページは、ドイツ、フランスを除いて1位にランクイン。「日本食」に関するページもこの2カ国を除いて10位以内に入っています。
ドイツ、フランスで共通の特徴としては「花見」に関するページが上位に来ている点 があげられます。「表1」でもドイツやフランスでは、東京以外のエリアが数多くランクインしていたので、都会では見ることのできない自然の風景に惹かれる傾向 があるのかもしれません。
各国で特徴的な部分を見ていくと、アメリカ については「神道」についてのページが8位にランクインしており、これは他5カ国では見られなかった特徴になります。同じく、オーストラリア では「侍」についてのページが9位に、フランス では「温泉」が7位にランクインしており、日本文化や歴史という括りの中での細かな興味の対象の違いが見えてきます。
全体で共通する点としては、「新幹線」ページはどの国でも5位以内に入っており、訪日時に必須の情報として認識されている ようです。また、「おすすめの旅程」についてのページもフランスを除いたすべての国で10位以内にランクイン しています。
まとめ:「欧米豪」でも全く違う人気エリアと興味分野
第一回目となる本記事では主要6カ国の違いを大枠でご紹介しましたが、単純にPV数とアクセス国を軸にランキングするだけで多くの特徴が浮かび上がりました。次回からはより細かいデータや、今回あげていない欧州諸国のデータを取り上げ、それぞれの特徴について分析していきたいと思います。
*ジャパンガイドのアクセス集計方法
- Google Analytics参照
- bot、クローラー、および関係者からのアクセスをすべて除外して算出
- 日本語コンテンツへのアクセス数は除外しています。
- Facebook等ソーシャルメディアへのアクセス数は含んでおりません。
【2023年インバウンド最新動向を予測】国・地域別デジタルマーケティング戦略
2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。
未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。
では、今やるべきインバウンド対策とはなんでしょうか。そしてそれを国・地域別に見ると、どういった違いがあるのでしょうか。
インバウンド対策を何から始めたら良いか悩んでいる方や、インバウンドの最新動向を知りたい方向けに
- 最新の訪日観光の状況や今後の予想
- 国・地域別のデジタルマーケティング
- 外国人向け情報発信の際に意識すべきこと
などがわかる資料を公開しています。
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!
【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる