2017年8月16日に国土交通省会見室において、観光庁の田村長官が記者会見を行ない、2017年7月の訪日外国人旅行者数、4-6月期の旅行・観光消費動向調査についてコメントを発表しました。その中から観光庁としての見解をいくつか見ていきましょう。
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- 訪日外国人旅行者に関しては欧米豪からの旅行者を増やしたい
- 日本に関しては、東北地方のプロモーションを強化したい
- 9月に訪日外国人旅行者数が2000万人を突破するかどうかは、未知数
- 2020年の訪日外国人旅行者数4000万人達成という目標に向けては堅調に推移している。
- 4000万人という数値だけでなく、消費額、地方への誘客が重要
- 中国に関しては個人客の伸びが非常に高い。
- 欧米のマーケットに関しては伸びしろが非常に大きい
- 欧米は近隣アジア諸国とアプローチ方法が異なるため、欧米豪市場推進室を設置
- 出国税に関しては検討を進めている
- ナイトタイムエコノミーに関しては問題意識を持っている。
- 北朝鮮の動向によるインバウンド、アウトバウンドの影響は現時点ではない。
- しっかりとしたルールの元で健全な民泊サービスは普及させていく必要がある
- まとめ:観光庁の向かう先を見据えたインバウンド対策が必要
目次
訪日外国人旅行者に関しては欧米豪からの旅行者を増やしたい
訪日外国人旅行者数については引き続き堅調な増加を期待。また、欧米豪からの旅行者を増やしていきたいと考えている。 それ以外にも、非常にポテンシャルのあるインド など、まだまだ開拓できる余地のあるマーケットは色々ある。それぞれの国毎に戦略を立てて努力していくことが重要。
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日本に関しては、東北地方のプロモーションを強化したい
全体として堅調な中でも、例えば 東北地方はまだまだ平均よりも伸び率が低い。 東日本大震災という大きな災害の影響から徐々に回復しているが、それ以前から東北については、インバウンドの受け入れはかなり遅れていた面がある。情報の発信が足りないということや、広域的な連携がまだまだできていないということもある。そういう意味で、今年後半、東北ではさらにプロモーションをはじめとした取組を強化していきたい。
9月に訪日外国人旅行者数が2000万人を突破するかどうかは、未知数
トレンドは計算すれば色々推測できると思うが、今年に入っても比較的堅調に推移しており、今月の残り日数や、年末にかけてこの勢いが衰えないように、しっかり対応していかなければいけない。
2020年の訪日外国人旅行者数4000万人達成という目標に向けては堅調に推移している。
2020年の訪日外国人旅行者数4000万人達成という目標に向けて順調、堅調に推移している という。ただ、人数だけを目標にしているわけではなく、消費額や地方部の宿泊者数を増やしていくといった他の目標もある。こうした部分については格段の努力が必要であり、努力を加速していきたい。
4000万人という数値だけでなく、消費額、地方への誘客が重要
訪日数だけでなく、消費額、地方への誘客が重要。 長期滞在や、多く消費して頂ける旅行者を増やしていく必要があり、そのためには欧米豪方面のお客様を増やしたり、もう1泊してもらえるよう努力をしていかなければならない。
特に、ゴールデンルート以外の地域はまだまだ魅力の発信という面では足りない 部分があり、地方へ行けば行くほど受け入れ環境の整備がまだまだ十分ではないということもある。リピーターを増やすためには、より地方への誘客を含めて進めていく必要があり 、そのためには、ゴールデンルート以外の地方への誘客に向けた努力を2020年に向けて相当加速しなければいけない。
中国に関しては個人客の伸びが非常に高い。
今年に入って中国はやや伸び自体は鈍化しており転換期にあるが、今年に入ってから個人客の伸びが非常に高い。 昨年は、個人客が約55%、団体客が約45%、2015年は団体の方が多かったが、今年に入って 約62%が個人客という状況 であり、単月過去最高になった要因として、個人客の増加が挙げられる。
欧米のマーケットに関しては伸びしろが非常に大きい
国・地域ごとにアプローチの仕方を変えていかないとプロモーションの効果が上がらないが、特に欧米のマーケットというのは、今、日本に来て頂いている旅行者を分析すると、もともと日本に関心をお持ちの方、知日派の方々に来て頂いているという面が大きい。
ヨーロッパは世界で最も海外旅行のシェアが大きいマーケットであるが、その中で かなりの方が日本に関心を持っていないとか、日本自体をあまり知らないという状況であるため、そういう方々にアプローチしていかないとこれからの伸びが期待できない。 つまり、伸びしろがものすごく大きいマーケットである。日本に関心のない人たちへのアプローチとして、まずは、日本への関心を呼び起こすところから始めなければならない。
欧米は近隣アジア諸国とアプローチ方法が異なるため、欧米豪市場推進室を設置
近隣アジア諸国に関して言うと、もともと日本に対する認知度が高く、すでに多くの方が関心を持っているので、スタートラインが違う。そうすると、やはりアプローチの仕方は当然変わってくるので、地域ごとに変えていこうということで、今回、市場ごとに室を作った。 そこで戦略を立て、実際の訪日プロモーションを行うJNTOと一体となって、プロモーションや、マーケティングをやっていくという体制を作った形。
出国税に関しては検討を進めている
色々と海外の事例も参考にしながら勉強している状態。現時点で何かコメント出来る進展はないが、検討を深めていきたい。
ナイトタイムエコノミーに関しては問題意識を持っている。
やっと東京でも週末に美術館、博物館を8時ないし9時まで開館しようという動きは出てきてはいるが、歌舞伎などの伝統芸能、ライオンキングみたいなミュージカルの開館時間は結構早い。日中とか夜間でも比較的早い時間帯に集中しているということがある。
一方で、世界の主要な大都市を見てみると、例えばロンドンは、金曜、土曜は地下鉄24時間、これにあわせて国内のバーやラウンジ、劇場やレストランなどが夜間営業を行うということで、ロンドンぐるみでナイトエコノミーの振興に取り組んでいる。 ニューヨークでもブロードウェイの開演時間が20時以降、美術館も21時までというところもあるが、ロンドン現代美術館は23時まで、ルーブル美術館も曜日によって21時45分まで開いていることがある。
日本においてもこうした取り組みをする余地は大きい。外国人旅行者からも飲食は出来るが、それ以外の楽しみがないという意見は多い。 夜間帯がもっている経済価値、経済効果、文化も昼間だけでなく、夜間でも活用することによって、持っているポテンシャルが発揮できるということもある。
全国の美術館、博物館の夜間開館について、関係機関と連携して今後もさらにやっていきたい。閉館後に旅行会社が貸切り鑑賞ツアーをやって人気を博しているということもあり、ナイトタイムエコノミーの振興は、効果を上げられる分野の一つ。
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北朝鮮の動向によるインバウンド、アウトバウンドの影響は現時点ではない。
現時点で影響が出ているという報告は受けていない。しかし、情勢の急激な変化があれば、影響が出てくる可能性もある。事態の推移は注視していくべき。
しっかりとしたルールの元で健全な民泊サービスは普及させていく必要がある
民泊自体は、現実非常に全国に広がっているが、やはり相当程度の需要がある。ホームステイ型のものについては、日本人の普通の生活が体験できるという魅力があるということ、家主不在型の場合については、シンプルでリーズナブルな宿泊サービスに需要がある。
宿泊施設が足りなくなるような繁忙期に柔軟に供給を増やしていくという意味で、従来宿泊インフラの足りなかったところで活用する余地はある。しっかりとしたルールの下で健全な民泊サービスは普及させていく必要があるということで、法律を通した。民泊を地方への誘客などに活かして観光消費を促すという意味で民泊のポテンシャルは相当程度ある。
まとめ:観光庁の向かう先を見据えたインバウンド対策が必要
伸びしろが大きい欧米豪・インドマーケットへの注力、消費額を増やすという意識、地方への誘客、ナイトタイムエコノミー、適切なルールの元での民泊の拡大などのキーワードがあった観光庁長官の記者会見コメントでした。
時間にして僅か30分の記者会見ではありますが、観光庁が現時点でどのような課題感を持っているのかが良くわかります。観光庁が課題感を持っている分野、課題感を持っているマーケットでの解決策をインバウンド事業者がどのように提示出来るか、どのようなサービスが今後に登場していくのかにも注目が必要でしょう。
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