改めて知っておきたい 日本各地で実証実験が進む「おもてなしプラットフォーム」とは?IoTを活用して訪日客に利便性を提供しようとする取り組み

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経済産業省では、IoT(人ともののインターネット)を活用し、サービス事業者同士が情報を共有・活用し、訪日外国人観光客に対して質の高いサービスを提供できる仕組み「おもてなしプラットフォーム を構築し、2020年までに社会実装を目指しています。

これは訪日外国人観光客が観光時に行う消費行動について、サービスを受ける際に求められる情報を「おもてなしプラットフォーム」に共有・連携することで、「おもてなしプラットフォーム」を介して、様々な事業者や地域が、情報を活用した高度なサービスを提供出来るという体制を目指すものです。各地で実証実験が進む「おもてなしプラットフォーム」について、今一度詳しく見ていきましょう。

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おもてなしプラットフォームが目指す世界とは

「おもてなしプラットフォーム」は、訪日外国人観光客を対象に様々なサービスを提供する事業者・地域が連携し、情報の共有・活用が可能な仕組みを提供することで、今まで実現できなかった付加価値の高いサービスを容易に提供できる世界を目指しています。

おもてなしプラットフォームの仕組み

「おもてなしプラットフォーム」は、利用者である訪日外国人観光客の意思に基づき、登録された属性情報や、各事業者・地域が収集した利用者の履歴情報の共有、活用が可能です。「おもてなしプラットフォーム」へ登録した訪日外国人観光客は、接続する事業者・地域のサービス利用時、同じ情報を再度登録する必要がありません。また、「おもてなしプラットフォーム」では、標準化された認証方式の採用、 APIの提供等、セキュリティを確保し、安価に接続可能な方法を提供しています。

接続メリットと利用イメージ

「おもてなしプラットフォーム」には、経済産業省実証事業の採択事業者の他、訪日外国人観光客サービス提供を行う様々な事業者・地域の皆様が参画・接続可能です。「おもてなしプラットフォーム」への接続により、利用者情報の取得コスト削減、利用者の属性に基づく効率的なアプローチ、事業者・地域間の連携による新たなサービスの提供が可能となります。 - 【利用者情報の取得コスト削減】 -他の事業者・地域が提供するサービスの中で収集した利用者情報を 「おもてなしプラットフォーム」から取得可能なため、利用者の嗜好や行動特性等を把握するためのマーケティングコスト削減が可能です。 - 【利用者の属性にもとづく効率的なアプローチ】 -事業者・地域間で連携される、利用者の属性情報、履歴情報をもとに、ニーズにあったサービス情報やクーポンの提供が可能となります。 - 【事業者・地域間の連携による新サービスの提供】 -生体認証サービスに登録した利用者は、「おもてなしプラットフォーム」で連携する宿泊施設や商業施設で生体情報の読み取りにより簡単にチェックイン、決済が可能となります。

おもてなしプラットフォーム採択事業者

平成28年度補正予算「IoTを活用した新ビジネス創出推進事業(IoT活用おもてなし実証事業)」の「ローカルプラットフォーム」実証の委託先について、平成28年11月18日から平成29年1月30日までの公募で集まった応募は33件。そしてその中から10の応募者が採択予定者として決定しています。

  • 【(株)博報堂プロダクツ】
    • 釧路市ストレスフリーサポート事業
  • 【(株)ガイアックス】
    • 三陸おもてなしステーション〜観光アプリ
  • 【NECソリューションイノベータ(株)】
    • 越前加賀ホワイトヒーリングプロジェクト
  • 【(株)博報堂】
    • SHIBUYA DIVERSITY PROJECT
  • 【(株)ワイヤレスゲート】
    • 浅草おもてなしプロジェクト
  • 【(株)JTB中国四国】
    • 縁の道~山陰~ プラットフォーム
  • 【NECネッツエスアイ(株)】
    • 高松丸亀町スマート観光プラットフォーム
  • 【西日本電信電話(株)長崎支店】
    • MIRACLE NAGASAKI PROJECT
  • 【日本ユニシス(株)】
    • 負けんばい 熊本プロジェクト
  • 【(株)JTBコーポレートセールス】
    • Touch&Pay 2017

「三陸おもてなしステーション」実証実験の詳細

それでは実際に「おもてなしプラットフォーム」の具体例として「三陸おもてなしステーション」を見てみましょう。どのような形でおもてなしを提供するのでしょうか?

  • 【地域体験サービス】
    • 暮らし体験マルシェ「TABICA」のインバウンド観光客向けサイト「WOW! JAPAN Experience+」にて案内人自身の知識や知見を活かした体験を提供。すべての体験にコーディネーターが同行するため、英語の能力に関わらず、地域の人が案内人になることが可能。インバウンド観光客は旅行日と目的地を入力するだけで旅行日程に合った体験を探し、実際に参加することができます。
  • 【現地観光アプリ】
    • 観光客+三陸+IoTをつなげる観光アプリケーション「三陸おもてなしステーション」を使い、観光情報を見ることができます。その他アプリ内で決済、ロボットとの通信も可能です。
  • 【ECサイト】
    • 岩手・三陸地域の素晴らしい商品を生産者のもとから直接お客様にお届けする、地域密着型ネットショッピングモール「三陸まるごと市」で三陸地域の商品を購入することができます。
  • 【モバイル決済】
    • 「モバイル決済」では日本の「はんこ」文化を使い、スマートフォンに電子スタンプを押すことで決済することができます。
  • 【Free Wi-Fi】
    • 駅売店内に設置された「Wi-Fi」スポットは、商品購入時に貰える「Wi-Fi」接続チケットを使うことで利用することができます。
  • 【ロボット駅員】
    • ロボット駅員が切符の買い方から観光情報まで駅での困りごとに対応します。外国人の方への対応も可能であり、ゲーム機も搭載しています。
  • 【シェアサイクル】
    • 置くだけでシェアサイクルが開始できる「COGICOGI」により、訪れた観光客の二次交通を確保し、地域のコンテンツ体験場所までのアクセスを支援します。

まとめ:ITをフルに活用した次世代の「おもてなし」はこれから

具体例からもわかるように、「おもてなしプラットフォーム」実現後の訪日観光の体験は、色々な物事が少しづつではありますが、「こうであればいいな」という方向で便利になります。各地での実証実験は始まったばかりですが、今後に関して大いに期待出来ると言えるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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