訪日イギリス人 9割以上が7日以上の長期滞在で観光:訪日イギリス人を集客・誘致する際に知っておくべきデータまとめ

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人数から言えば日本のインバウンド市場最大のターゲットになっている東アジア出身の訪日外国人観光客には負けますが、旅行支出額が大きいことからヨーロッパ諸国出身の訪日外国人観光客も日本のインバウンド市場にとって魅力的なターゲットになっています。

今回は、 訪日イギリス人のインバウンド市場 の特徴を観光庁の平成28年における訪日外国人の消費動向に記載されているキーワードとなる数字とともにご紹介します。

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292,457人:2016年の訪日イギリス人観光客数

訪日イギリス人観光客数 2013年~2016年:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

訪日イギリス人観光客数 2013年~2016年:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

2016年に日本を訪れたイギリス人観光客の数は、292,457人 でした。

この数は、2015年と比較すると +13.1% の数となっており、グラフでもご紹介しているように急増とはいかないまでも順調に訪日イギリス人観光客数が増加していることがわかります。

70.3%:訪日イギリス人観光客のうち男性が占める割合

2016年の訪日イギリス人観光客 性別・年齢別割合:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

2016年の訪日イギリス人観光客 性別・年齢別割合:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

2016年に日本を訪れたイギリス人観光客のうち 70.3%は男性 でした。年代別に見ると、男女あわせてもっとも大きな割合を占めたのが、「20歳~29歳の男性」でした。(全体の17.6%) その後は、「30歳~39歳の男性」(16.5%)、「40歳~49歳の男性」(14%)、「50歳~59歳の男性」(13.3%)と続きます。

訪日イギリス人観光客のうち 女性が占める割合は、約30% となっており女性の中でもっとも大きな割合を占めた年代層は20~29歳ですが、全体で見ると8.3%を占めるにとどまります。

他のヨーロッパ諸国出身の訪日外国人観光客でも男性が大きな割合を占めておりドイツでは75.2%が男性、フランスでは69%が男性、イタリアでは69.2%が男性)、訪日イギリス人観光客においても同じ現象が起こっています。

53.4%:訪日イギリス人観光客のうち初めて日本に訪れた人の割合

2016年の訪日イギリス人観光客 訪日回数別割合:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

2016年の訪日イギリス人観光客 訪日回数別割合:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

観光庁の調査によると、2016年に日本を訪れたイギリス人観光客のうち、53.4%は、初めての訪日旅行 だと答えました。 2回から5回と答えた人は、全体の24.5% でした。

他のヨーロッパ諸国出身の訪日外国人観光客と同じく、初訪日であると答えたイギリス人観光客は全体の約半数となりました。

50.1%:訪日イギリス人観光客のうち観光・レジャー目的で訪日した人の割合

2016年に日本を訪れたイギリス人のうち、「観光・レジャー」目的で訪れた人は、50.1% にあたります。

イギリス人観光客の訪日目的として留意しておくべき点としては、他のヨーロッパ諸国出身の観光客と比べてビジネス関連の訪日が多いという点。 「企業ミーティング」「国際会議」「その他ビジネス」を目的に訪日したと回答したイギリス人観光客は、全体の約30%を占めます。(フランスにおいては約20%、イタリアにおいては21%)

ヨーロッパの金融の中心都市であるロンドンには多くの日系企業が立地しており、日本とビジネス関連での交流が多いという特徴がこの数字にも反映されています。

12.6泊:2016年日本に訪れたイギリス人観光客が日本に滞在した平均日数

2016年に日本を訪れた イギリス人観光客は平均で12.6泊日本に滞在しました。

ドイツでは14泊、フランスでは16泊、スペインでは14泊となっており、他のヨーロッパ諸国出身の訪日外国人観光客と比べると多少短いようです。

89.2%:観光で訪れた訪日イギリス人観光客が7日以上日本に滞在する割合

2016年の訪日イギリス人観光客 訪日目的別滞在日数:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

2016年の訪日イギリス人観光客 訪日目的別滞在日数:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

上記でご紹介した12.6泊という数値の通り、訪日したイギリス人の約70%が7日以上日本に滞在しています。

観光・レジャー目的になるとこの数字は約90%まで跳ね上がります。 ビジネス目的となると半数以上が6日以内の滞在にとどまります。

86.6%:2016年の訪日イギリス人のうち個別手配にて訪日した人の割合

2016年の訪日イギリス人観光客 旅行形態割合:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

2016年の訪日イギリス人観光客 旅行形態割合:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

2016年に日本を訪れたイギリス人のうち、86.6%が個別手配にて日本に訪日しています。 団体ツアーや旅行パッケージは、 13.4%を占めるのみ となっています。

しかし、観光レジャー目的に限れば、団体ツアーや旅行パッケージの2つが占める割合は22.1%まであがります。

いずれにしろ、訪日イギリス人の間では旅行エージェント等を通さず、訪日旅行プランを個別で手配する場合が多いことがわかります。

181,795円:1人の訪日イギリス人観光客が一回の訪日旅行で使う金額の平均

2016年に日本を訪れたイギリス人観光客は、一度の訪日旅行中に平均で181,795円使いました。

532億円:2016年に訪日イギリス人観光客が日本で使ったお金

2016年に日本を旅行した イギリス人観光客が訪日旅行中に使った金額を全て合わせると532億円になります。

532億円という額は、2016年全体のインバウンド消費額(3兆7,476億円)の1.4% にあたります。

44.1%:訪日イギリス人の旅行支出のうち宿泊費用に使われた額の割合

2016年の訪日イギリス人観光客 旅行支出内訳:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

2016年の訪日イギリス人観光客 旅行支出内訳:観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成

2016年に訪日したイギリス人は、一人当たり旅行支出額のうち 44.1%を宿泊料金に費やしています。

フランス(39.9%)やドイツ(46.1%)などもそうですが、ヨーロッパ諸国出身の訪日外国人は宿泊料金を多く払う傾向にあります。

中国韓国台湾香港などアジア出身の訪日外国人観光客の間では宿泊料金は20%前後を推移するのみにとどまり、その分の支出はショッピングに回っています。

訪日イギリス人の場合は、ショッピング費用は全体の13.2%を占めるのみとなっており、その代わりに訪日イギリス人は宿泊費用に多くお金を落としているという点には留意するべきでしょう。

まとめ

今回は、観光庁の平成 28年における訪日外国人の消費動向から、イギリス人のインバウンド観光市場に関してご紹介してきました。

訪日イギリス人のインバウンド市場として特筆すべき点は、

  • 訪日しているイギリス人のうち70%以上が男性であるという点
  • ビジネス関連の訪日が他のヨーロッパ諸国出身の訪日外国人と比べると多い点
  • 滞在日数が他のヨーロッパ諸国出身の訪日外国人と比べると短い点
  • 宿泊費用に多くのお金を落としている点

の4点です。訪日イギリス人を集客・誘致する場合には上記のことを参考にするとよいかもしれません。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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