『夜の』インバウンド需要:訪日客のナイトライフへの不満を満たすサービスが東京、大阪などで登場 改正風営法も追い風に

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訪日外国人観光客が日本で観光を楽しむ場合の観光地として、どのような場所を訪れているのだろうか?と考える時、普段意識するのは、訪日外国人観光客日中にどのような場所に訪れるのか? といった内容でしょう。しかし、意外と注目されていないのが訪日外国人観光客夜にどのような場所を訪れているのか? という点です。こうした訪日外国人観光客ナイトライフという部分で、ナイトクラブに注目したサービスがいくつか登場しています。

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訪日外国人観光客の中でもアメリカ人は、日本のナイトライフへの不満が高い

日本政策投資銀行、日本政策投資銀行がアジア8地域、欧米豪4地域の訪日外国人観光客旅行者を対象に行なった調査によると、「日本旅行で不満だった点は何ですか?」という質問に対して、ナイトライフ(バーやクラブ・ナイトマーケット等)体験」という回答が7番目に登場 しています。国籍別では 特にアメリカ出身の訪日旅行者が日本のナイトライフへの不満が高いことが伺え、香港、韓国出身の訪日旅行者はアジア地域の中ではナイトライフへの不満が比較的高い ことが伺えます。

アジア・欧米豪の訪日外国人観光客旅行者の意向調査(平成28年版)より引用

アジア・欧米豪の訪日外国人観光客旅行者の意向調査(平成28年版)より引用

東京、大阪ではナイトクラブへ訪日外国人観光客を呼び込む形のサービスが始まる

日本でナイトクラブというと、東京で言えば六本木、渋谷、大阪ではミナミといったイメージが強いですが、訪日外国人観光客に日本のこうしたエリアのナイトライフを楽しんでもらおうというサービスが登場しています。

都内のナイトクラブが定額3,900円で行き放題となる「NEON」

株式会社 3.0が展開するのは、都内のナイトクラブが月額3,900円で行き放題となる「NEON」の新サービスである「Weekly Plan」。これは訪日外国人観光客や国内旅行者向けに新たに始まったプランで、「NEON」では月額となるところを、2,900円で7日間行き放題となるプラン。1日での利用制限もないため、ナイトクラブをハシゴすることも可能です。

大阪ミナミエリアのナイトクラブ10店の共通入場パス「OSAKA NIGHTCLUB PASS」

JTB西日本が9月1日から販売を開始するもので、大阪市内で10店のナイトクラブをプロデュースするトライハードエンターテインメントジャパンが発行し、JTB西日本が運営する訪日外国人観光客専用の観光案内所「関西ツーリストインフォメーションセンター」4店で販売されます。パスの購入客は3日間の有効期間中、ミナミエリアのクラブを中心に、10店のナイトクラブに自由に入場できるようになります。価格は3,500円で6カ月間で5000枚の販売を目指しています。

改正風営法でナイトクラブが夜のインバウンドの舞台に

今まで踊りや音楽、飲食を客に提供するクラブは風俗営業に指定され、営業時間が午前0時までとされていました。しかし2017年6月に参院本会議で改正風俗営業法が可決、成立し、2016年6月からは店内の明るさの基準を設けることで24時間営業が可能となりました。

もともとの風営法は、1948年施行の際に、男女が踊ることが売買春に繋がる可能性があるとしてダンス営業を規制。これに対し、政府の規制改革会議などから「時代遅れ」といった声が上がっており、政府もクラブの24時間営業が可能となることで、訪日外国人観光客の増加を期待していました。 なお、改正風俗営業法下では、店内、バーカウンターやソファなどの飲食用スペースが「10ルクス以上(※映画館の休憩時間と同程度)」であるという条件が付きますが、照明が明滅するダンスフロアは基準の対象外となっています。

こうしてナイトクラブの24時間営業が可能となったことで、訪日外国人観光客からすると「朝まで開いているナイトクラブがない」「朝まで遊べるお店がない」という不満を解消する糸口となる でしょう。

まとめ:風営法改正はナイトクラブ側にとって追い風だが、呼ぶ側のマインドが重要

訪日外国人観光客ナイトライフに対する不満は確かに存在し、それを解消出来る方向に法改正も進んだ状況で登場したナイトクラブへの行き放題サービスですが、何よりも重要なのは 訪日外国人観光客を受け入れる現場そのもの です。飲食店などでの指差し会話ツールは存在しますが、音量などの問題で会話が難しいダンスクラブ、バーカウンター等での指差し会話ツールなども今後需要が出て来るかもしれません。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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