人数から言えば日本のインバウンド市場最大のターゲットになっている東アジア出身の訪日外国人観光客には負けますが、旅行支出額が大きいことからヨーロッパ諸国出身の訪日外国人も日本のインバウンド市場にとって魅力的なターゲットになっています。
今回は、 訪日スペイン人のインバウンド市場 の特徴を観光庁の平成28年における訪日外国人の消費動向に記載されているキーワードとなる数字とともにご紹介します。
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- 91,849人:2016年の訪日スペイン人観光客数
- 66.9%:訪日スペイン人観光客のうち男性が占める割合
- 72.6%:訪日スペイン人観光客のうち初めて日本に訪れた人の割合
- 69.9%:訪日スペイン人観光客のうち観光・レジャー目的で訪日した人の割合
- 14泊:2016年日本に訪れたスペイン人観光客が日本に滞在した平均日数
- 89.2%:観光で訪れた訪日スペイン人観光客が7日以上日本に滞在する割合
- 86.7%:2016年の訪日スペイン人のうち個別手配にて訪日した人の割合
- 224,072円:1人の訪日スペイン人観光客が一回の訪日旅行で使う金額の平均
- 206億円:2016年に訪日スペイン人観光客が日本で使ったお金
- 39.9%:訪日スペイン人の旅行支出のうち宿泊費用に使われた額の割合
- まとめ
目次
91,849人:2016年の訪日スペイン人観光客数
2016年に日本を訪れたスペイン人観光客の数は、91,849人 でした。この数は、2015年と比較すると +19.0% の数となっており、グラフでもご紹介しているように順調に訪日スペイン人観光客数が増加していることがわかります。
66.9%:訪日スペイン人観光客のうち男性が占める割合
2016年に日本を訪れたスペイン人観光客のうち 66.9%%は男性 でした。
年代別に見ると、男女あわせてもっとも大きな割合を占めたのが、「30歳~39歳の男性」でした。(全体の33.5%) そのため、訪日スペイン人のうちおおよそ3人に1人は30歳~39歳の男性です。その後は、「30歳~39歳の女性」(15.5%)、「40歳~49歳の男性」(13.5%)、「20歳~29歳の男性」(11.8%)と続きます。
訪日スペイン人観光客のうち 女性が占める割合は、約33.1% となっており、他の欧州圏出身の訪日外国人観光客と同じく、3割を占めるのみの結果に。また、50代以上の訪日旅行者が少ない 点にも留意するべきです。
72.6%:訪日スペイン人観光客のうち初めて日本に訪れた人の割合
観光庁の調査によると、2016年に日本を訪れたスペイン人観光客のうち、72.6%は、初めての訪日旅行 だと答えました。複数回訪日旅行を経験している訪日リピーター層は、比較的少なく 全体の約1/4を占めるのみ になりました。
初訪日と答えた外国人観光客の割合を他のヨーロッパ諸国と比較すると、訪日ドイツ人観光客(48.1%)、訪日イギリス人観光客(53.4%)となっており、スペイン人の間では、複数回の訪日旅行は、まだ人気とは言えないようです。
69.9%:訪日スペイン人観光客のうち観光・レジャー目的で訪日した人の割合
2016年に日本を訪れたスペイン人のうち、「観光・レジャー」目的で訪れた人は、69.9% にあたります。
14泊:2016年日本に訪れたスペイン人観光客が日本に滞在した平均日数
2016年に日本を訪れた スペイン人観光客は平均で14泊日本に滞在しました。 ドイツでは14泊、フランスでは16泊、イギリスでは12.6泊となっており、他のヨーロッパ諸国出身の訪日外国人観光客と同じく平均的滞在日数は2週間ほどになっています
89.2%:観光で訪れた訪日スペイン人観光客が7日以上日本に滞在する割合
上記でご紹介した14泊という数値の通り、訪日したスペイン人の約86.3%が7日以上日本に滞在しています。 観光・レジャー目的になるとこの数字は約94.3%まで跳ね上がります。 ビジネス目的となると全体の約49%が6日以内の滞在にとどまります。
86.7%:2016年の訪日スペイン人のうち個別手配にて訪日した人の割合
2016年に日本を訪れたスペイン人のうち、86.7%が個別手配にて日本に訪日しています。 団体ツアーや旅行パッケージは、 13.2%を占めるのみ となっています。
観光・レジャー目的に限っても個別手配が占める割合はさほど変わりません。(87.1%)訪日スペイン人の間では、 基本的に個別手配 にて訪日する場合が多いことがわかります。団体ツアーは、スペイン人観光客の間では一般的な旅行形態ではないようです。
224,072円:1人の訪日スペイン人観光客が一回の訪日旅行で使う金額の平均
2016年に日本を訪れたスペイン人観光客は、一度の訪日旅行中に平均で224,072円使いました。
224,072円という額は、訪日外国人消費動向調査における調査対象となったヨーロッパ諸国(イギリス・フランス・ドイツ・スペイン・イタリア・ロシア)の中で、もっとも大きい金額です。 一人当たりの旅行支出額という観点では、訪日スペイン人は、欧州諸国の中でもっとも魅力的なターゲットです。
206億円:2016年に訪日スペイン人観光客が日本で使ったお金
2016年に日本を旅行した スペイン人観光客が訪日旅行中に使った金額を全て合わせると206億円になります。 206億円という額は、2016年全体のインバウンド消費額(3兆7,476億円)の0.5% にあたります。
39.9%:訪日スペイン人の旅行支出のうち宿泊費用に使われた額の割合
2016年に訪日したスペイン人は、一人当たり旅行支出額のうち 39.9%を宿泊料金に費やしています。 フランス(39.9%)やドイツ(46.1%)などもそうですが、ヨーロッパ諸国出身の訪日外国人は宿泊料金を多く払う傾向にあります。
まとめ
今回は、観光庁の平成28年における訪日外国人の消費動向から、スペイン人のインバウンド観光市場に関してご紹介してきました。
訪日スペイン人のインバウンド市場として特筆すべき点は、
- 個別手配にて訪日する人の割合が突出して大きい点
- 一人当たりの旅行支出額が、観光庁の調査対象国の中でもっとも大きい点
- 宿泊費用に多くのお金を落としている点
の3点です。訪日スペイン人を集客・誘致する場合には上記のことを参考にするとよいかもしれません。
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<参照>
- 観光庁:平成 28年における訪日外国人の消費動向
- JNTO(日本政府観光局):国籍別 / 目的別 訪日外客数
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