日本代表の活躍が世界中のメディアを賑わせた2015年のラグビーワールドカップから2年が経過しました。2015年のラグビーワールドカップにおける日本代表の活躍は、一時的に 日本にラグビーブームを引き起こし、 2015年の日本ラグビー最高峰リーグ「ジャパンラグビー トップリーグ」の観客動員数は 49万人 を記録しました。これは、歴代最多の数字 です。
しかし、昨シーズンにあたる2016年には再び観光客は、前年比3万人ほど落ち込みました。また、未だに日本人の90%がラグビーを観戦したことがないとのデータも存在 しており、ラグビー業界は、2015年のラグビーワールドカップ後の人気の回復に苦労しています。
このような状況にある日本のラグビー業界にとって、日本でラグビーワールドカップが開催される2019年は大きな意味を持つ年になりそうです。そしてそれは、インバウンド業界にとっても同じことかもしれません。
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- そもそもラグビーワールドカップとは? 4年に一度開かれるラグビーの世界大会
- 世界的に注目を集める「ラグビーワールドカップ」2019年の開催国は日本に!
- ラグビーワールドカップはインバウンド集客に絶好のチャンス!では、どこ出身の訪日外国人が日本に来てくれるのだろうか
- ①ニュージーランド:世界屈指のラグビー大国からは訪日客が確実に増えそう
- ②イギリス:競技人口は200万人ともいわれるラグビー発祥の国からもインバウンド増加が見込めるか
- ③イタリア:4人に1人はラグビーに強い関心:近年イタリア国内急速に人気が高まるラグビー熱をインバウンド市場に取り込めるか
- まとめ:ラグビーワールドカップはインバウンド誘致のチャンス!日本全国で開催されっるため訪日客の周遊にも期待
目次
そもそもラグビーワールドカップとは? 4年に一度開かれるラグビーの世界大会
「ワールドカップ」と言えば、サッカーの方を連想しがちですが、ラグビーワールドカップも 歴史・人気ともに兼ね備えた世界的なスポーツイベント です。
ラグビーワールドカップは、ラグビーのナショナルチームの世界一を決定する世界選手権大会です。 第1回大会は1987年に開催され、そこから 4年ごとに開催 されています。前回大会では 全世界で40億人が大会を視聴 したとされており、世界中でのラグビーに対する関心の高さが把握できます。
ラグビーユニオンの国際統括団体であるWORLD RUGBYによると、ラグビー自体の競技登録者は、2015年に256万人から282万人に増え、未登録の競技者数は447万人から491万人に増えました。ラグビーは、120以上の国で愛されており、競技者数も増え続けています。
世界的に人気があるスポーツである「ラグビー」。その世界一の国を決める大会である「ラグビーワールドカップ」とだけあれば、世界的に大きな注目を集めることは間違いなさそうです。
世界的に注目を集める「ラグビーワールドカップ」2019年の開催国は日本に!
このように 世界最大級のスポーツイベントであるラグビーワールドカップ。 次回の大会は 2019年 に行われ、開催地は 日本 です。(アジアで行われるのは日本が初)
日本国内の12都市 で試合が開催されます。開催都市・およびスタジアムは以下の通り。
- 北海道札幌市:札幌ドーム
- 岩手県釜石市:釜石鵜住居復興スタジアム
- 埼玉県熊谷市:熊谷ラグビー場
- 東京都調布市:東京スタジアム(別称:味の素スタジアム)
- 神奈川県横浜市:横浜国際総合競技場(別称:ニッサンスタジアム)
- 静岡県袋井市:小笠山総合運動公園エコパスタジアム
- 愛知県豊田市:豊田スタジアム
- 大阪府東大阪市:東大阪市花園ラグビー場
- 兵庫県神戸市:神戸市御崎公園球技場
- 福岡県福岡市:東平尾公園博多の森球技場
- 大分県大分市:大分スポーツ公園総合競技場
- 熊本県熊本市:熊本県民総合運動公園陸上競技場
こののように、単一都市ではなく日本全国 の都市でラグビーワールドカップの試合が開催される予定になっています。
以前の訪日ラボの記事でもご紹介してきたようにオリンピックやワールドカップなど大きなスポーツイベントは、多くの外国人観光客(インバウンド)を集客・誘致する絶好の機会 と捉えることができます。
ラグビーワールドカップはインバウンド集客に絶好のチャンス!では、どこ出身の訪日外国人が日本に来てくれるのだろうか
2019年に開催されるラグビーワールドカップを観戦しに訪日する観光客は、どの国・地域出身の人が多いと予測できるのでしょうか。
International Rugby Board (IRB)とNielsen Sportsなどのデータから予測してみました。
①ニュージーランド:世界屈指のラグビー大国からは訪日客が確実に増えそう
ラグビーのニュージーランド代表は、通称「オールブラックス」の名で親しまれており、昨年にはテストマッチ18連勝を成し遂げたように世界屈指の強豪国です。
ニュージーランドでは、ラグビーは国民的かつもっとも人気のあるスポーツ であり、ラグビーワールドカップ開催時には多くのニュージーランド人が開催都市を訪れます。
また、オーストラリアやフィジー・サモア・トンガなど同じく オセアニアに位置する国々 でもラグビーは大きな人気を博しているスポーツです。
Ernst & Youngが2015年のラグビーワールドカップにおける経済効果等を予測したレポートThe economic impact of Rugby World Cup 2015では、ラグビーワールドカップで動員する観戦客のうち約20%、つまり 5人に1人がオセアニア圏出身の観戦客になる ことを予測していました。
2015年の開催地はイングランドであり地理的にも離れているにもかかわらず、オセアニア圏からの観戦客はこれほどの数まで伸びると予測されていたことからも、オセアニア圏でのラグビーの人気の高さが伺えます。
2019年のラグビーワールドカップ開催時には、オセアニア圏から例年以上の訪日外国人観光客の訪問が見込めるでしょう。
②イギリス:競技人口は200万人ともいわれるラグビー発祥の国からもインバウンド増加が見込めるか
ラグビーはそもそもイングランドで創立された競技であり、イギリスでも大きな人気を集めています。
特にイギリスを構成する国の一つでありグレートブリテン島の南西に位置する ウェールズでは、ラグビーはサッカーを凌いでもっとも人気のあるスポーツ として認知されています。
International Rugby Board (IRB)のデータによると、イングランドには 1,809のラグビーチームが存在 しており、200万人のプレーヤー人口 がいるとされています。
また、同資料によると、イギリスからドーバー海峡をはさんで南に位置する フランスでも1,798のラグビーチームと36万人のプレーヤー人口 がいるとのこと。
競技人口の数・規模感 という観点から見ると、これらの2国からも2019年、ラグビーワールドカップ観戦を目的とする訪日外国人観光客が例年以上に増えるでしょう。
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③イタリア:4人に1人はラグビーに強い関心:近年イタリア国内急速に人気が高まるラグビー熱をインバウンド市場に取り込めるか
スポーツ産業における分析データベースやインサイトを提供するNielsen Sportsによると、イタリア人の間でラグビーの人気は急速に高まっている 模様です。
同調査によると、1/4のイタリア人がラグビーに興味があります。 興味があると答えたイタリア人のうち、約2/3は男性 でした。
加えて、ラグビーに興味があると答えた人のうち 35%は過去12カ月の間にラグビーのイベントを観戦 しています。
イタリア代表チームが参加したシックス・ネイションズ(ヨーロッパの強豪6カ国が参加する国際ラグビー大会)や、ラグビーワールドカップが、イタリア人の間でラグビーに対する関心を高めたようです。
サッカーがもっとも人気のスポーツであることには変わりませんが、近年ラグビー熱が過熱するイタリアからの訪日外国人観光客も、ラグビーワールドカップ開催時には増えるかもしれません。
このほかにも、南アフリカなどアフリカ諸国 でもラグビー及びラグビーワールドカップに対する注目度は高く、2019年のラグビーワールドカップ開催時には、同競技における海外での注目の高さをうまくインバウンド市場に取り込めるかどうかが、各開催都市の課題になってくるでしょう。
まとめ:ラグビーワールドカップはインバウンド誘致のチャンス!日本全国で開催されっるため訪日客の周遊にも期待
アジア圏では大きな注目を集めているとはいえないラグビーは、欧州・オセアニア圏などでは注目・関心度の高いスポーツ です。
「インバウンド誘致・集客」という観点から見ると、2019年に日本の各都市で開催されるラグビーワールドカップのような大きなスポーツイベントは、今まで訪日旅行を検討してこなかった外国人観光客にとっても訪日目的になりうるため、インバウンド市場にとって大きなチャンスを与えてくれるものです。 また、今回のラグビーワールドカップは 単一都市の開催ではなく、日本全国で開催 されます。そのため、ラグビーワールドカップを観戦しに訪れた訪日外国人観光客の他の都市への周遊も期待できるでしょう。
加えて、2019年のラグビーワールドカップは、日本のインバウンド業界にとって一つの区切りとされる 2020年のオリンピックの前哨戦 であるという見方もでき、インバウンド業界全体で注視していくべきスポーツイベントだといえるでしょう。
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