近年、FSA(Full Service Airline:ANAやJALなど従来の代表的な航空会社)に比べてフライトの料金が安いことから、世界中でより多くの人が LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)にて旅行する ようになっています。
日本のインバウンド市場においても、 特にアジア圏の訪日外国人観光客を中心にLCCで訪日する人が増えており、 LCC市場の動向とインバウンド市場は切っても切り離せない関係になってきています。
観光庁では、訪日外国人消費動向調査のトピックス分析において、2016年1月から9月におけるLCCの利用率及び、LCC利用者のインバウンド消費動向等を紹介しています。
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韓国では6割がLCCを使ってで訪日:LCC利用率が高い国はどこなのだろうか

上記のグラフは、LCCの利用率が全国籍平均を上回ったインバウンド市場におけるLCCの利用率を表したものです。
全国籍の平均値である24.7%を上回った国は、韓国・フィリピン・オーストラリア・マレーシア・タイと いずれもアジア圏に属する国です。
特に、韓国からの訪日外国人の6割以上 がLCCで訪日しており、FSAを割合を大きく上回るかたちになっています。訪日韓国人にとっての訪日旅行は、日本人にとっての韓国旅行のように、距離的に近い分、あまりお金をかけずに手軽に楽しむものであるようです。現に訪日韓国人の一人当たりの旅行支出額は、2016年度、観光庁の消費動向調査の調査対象となった国の中でもっとも低いものでした。
また、フィリピンでもLCCの利用率は過半数越えの53.2% 。オーストラリア(37.5%)マレーシア(34.2%)タイ(32.4%)においては依然FSAの利用率が高いものの、LCCの占める割合は増加傾向に あります。
このように、日本までの移動距離がそこまで遠くない分、特に アジア圏の訪日外国人の間で、LCCの利用率は高くなっている 模様です。また、LCCの利用率は、訪日外国人観光客数の伸びとも関わる傾向にあります。
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やはりアジア圏で高いLCC利用率:増便が追い風となり訪日客数も増加傾向に
| 国籍名 | 前年(2015年)比の客数の伸び | 全国籍平均(21.8%)との差 |
|---|---|---|
| 韓国 | 27.2% | +5.4ポイント |
| フィリピン | 29.6% | +7.8ポイント |
| オーストラリア | 18.4% | -3.4ポイント |
| マレーシア | 29.1% | +7.3ポイント |
| タイ | 13.2% | -8.6ポイント |
LCCの利用率が高い国では、訪日客数の増加も大きい傾向にあります。 先述の5か国は、2016年、訪日外国人観光客数が前年比二ケタ台の成長 を見せました。さらに、オーストラリアとタイを除く3か国で 、全国籍平均を上回る成長を記録 しました。LCCの利用率は、訪日外国人観光客数の伸びとも関連してくることが把握できます。
最近では、ANAがLCC大手ピーチ・アビエーションを買収しており、FSAでもLCCのもつ可能性に着目しています。また、地方空港でもインバウンド誘致を目的にLCCの誘致を進めており、 これからのインバウンド市場において、LCCをいかに活用していくかは、キーポイントになってきそうです。
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まとめ:アジア圏の訪日外国人の間で高いLCCの利用率:訪日客数の伸びとも深い関係に
近年、インバウンド業界で注目を集めている LCCは、韓国や台湾、香港などアジア圏の主要訪日国の間でも人気の訪日手段となっています。 特に韓国、フィリピンでは全体の過半数がLCCで訪日しており、距離が近いアジア圏の訪日外国人をターゲットとする場合、LCCの運行時間や本数などは頭に入れておくべきでしょう。
また、LCCの利用率が高い国は、それと比例して 訪日外国人観光客数も増加する傾向 にあり、特に韓国やフィリピン、マレーシアでは2016年、全国籍平均を上回る訪日客数の伸びを記録しています。今後の東南アジア圏の経済発展も見込むと、今よりも多くの観光客が訪日することが予測できるため、これからの インバウンド市場では「LCC」は注目なキーワードに なってきそうです。
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2020年までに羽田空港の国際便が約1.7倍に:インバウンドビジネスでは市場拡大などの影響が
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訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に11月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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→中国の訪日自粛要請、観光庁長官の受け止めは?/ 10月の訪日外客数389.6万人、国別1位は韓国 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年11月後編】
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