訪日外国人観光客が感じる日本観光の魅力はいくつもありますが、その中でも特に 「温泉」 の人気が高まっているのをご存知でしょうか?「DBJ・JTBFアジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査(平成27年版)」によると、「日本旅行を選んだ理由」として 「温泉に興味があった」という回答が全体で40%を超え、日本旅行=温泉というイメージを持っている方が多い ということが伺えます。
そうなってくると気になるのは日本の温泉と入れ墨(タトゥー)の関係です。海外では入れ墨(タトゥー)はファッションという性格が強いため、男女を問わずに入れ墨(タトゥー)を入れている方が多く存在します。日本での法律、実際の事例はどうなっているのか、温泉をインバウンドに活用した成功例などを見ていきましょう。
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「公衆浴場法」によれば 入れ墨などを入れた人の温泉や浴場の利用が制限されることはない
漠然と入れ墨(タトゥー)があると温泉には入れないというイメージを持っている方が多いと思いますが、実際の日本の温泉、浴場に関するルールは「公衆浴場法」において定められています。この「公衆浴場法」によると、公衆浴場は、「一般公衆浴場」「その他の公衆浴場」とに分類されます。
この中で「一般公衆浴場」とは「地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される施設」とされており、入浴料金が統制されているいわゆる「銭湯」、「老人福祉センター等の浴場」などがこれにあたります。一方、「その他の公衆浴場」とは「健康ランド」「ゴルフ場などスポーツ施設に併設されるもの」「エステサロンの泥ぶろなど」「個室付き公衆浴場(いわゆるソープランド)」などが該当します。
実は 「公衆浴場法」自体には入れ墨(タトゥー)の有無によって入浴を禁ずるとした内容はなく、実際に2017年2月21日の定例閣議において、政府は「公衆浴場法」によって、入れ墨(タトゥー)を入れた人が利用の制限を受けることはないという内容の答弁書を決定しています。 また「一般公衆浴場」はその性格として、公衆衛生上で必要な施設であると考えられるため、感染病にかかっている、著しく不潔であるなど、他の入浴客の健康を害する恐れがない限りは、利用者の入浴を断ることは出来ません。
対して「その他の公衆浴場」に関しては公衆衛生の為の施設ではなく、完全に営利目的であるため、入れ墨(タトゥー)が入った方が利用すると、「他のお客さんに威圧的な印象を与える」「入れ墨(タトゥー)が入った人とは一緒に入浴したくない」という大多数の意見を無視することが出来ないという現状があります。また日本の場合、入れ墨(タトゥー)=暴力団関係者という図式が古くからあるため、こうしたイメージから「温泉、銭湯では入れ墨お断り」という形の認知が広まったと考えられます。
観光庁「入れ墨(タトゥー)がある外国人旅行者の入浴に際し留意すべきポイントと対応事例」を発表
観光庁では多くの訪日外国人観光客がイメージする日本=温泉と、実際にサービスを提供する事業者のイメージする入れ墨(タトゥー)の相違を踏まえ、「入れ墨(タトゥー)がある外国人旅行者の入浴に際し留意すべきポイントと対応事例」を発表しました。
この中で、日本と異なり、海外の場合は入れ墨(タトゥー)について
- 宗教、文化、ファッション等の様々な理由で入れ墨をしている場合があること
- 利用者相互間の理解を深める必要があること
- 入れ墨があることで衛生上の支障が生じるものではないこと
を留意するべきポイントとし、その具体的な対応事例として 「シール等で入れ墨部分を覆い、他の入浴者から見えないようにする」、「入れ墨(タトゥー)が手のひらサイズなど小さく、他の入浴者に威圧感を与えない場合は特別な対応を求めない」といった対応、「家族連れの入浴が少ない時間帯への入浴を促す」など時間帯を工夫してもらう方法、「複数の風呂がある場合、浴場を仕分けてご案内する」、「貸切風呂がある施設では、貸切風呂の利用をご案内する」、「宿泊施設の場合、専用風呂のある客室等をご案内する」など貸し切り風呂を案内するなどの対応方法 を紹介しています。
インバウンドで成功している温泉地の筆頭は、兵庫県豊岡市にある城崎温泉
上記の内容を踏まえると、入れ墨(タトゥー)を入れている入浴客の利用に関しては、各施設の判断に基本的には委ねられるということになりますが、実際に温泉をインバウンドに活かして成功しているのが 兵庫県豊岡市にある城崎温泉 です。
城崎温泉はミシュラン・グリーン・ガイドにおいて2つ星を獲得したこともあり、多くの訪日外国人観光客が訪れています。町として「ゆかたの似合う外湯の町」を売りにしていることもあり、英語サイト、繁体語サイト、韓国語サイトなどの多言語サイト、さらにFacebookページ、Twitter、Youtubeオフィシャルチャンネルなどを活用した積極的な情報発信、英語の「ONSEN MAP」を公開するなど、積極的に海外に向けて温泉をアピールし成功しています。
まとめ:海外から注目を集める「温泉」を売りにする地方自治体は積極的なインバウンド対策を
温泉を売りにしている地方自治体において、独自に「入れ墨(タトゥー)お断り」のルールを設けている温泉地も多いでしょう。昔は暴力団関係者の利用を防止するためという名目が大きかったことと思いますが、近年のこうした海外からの温泉への注目を受けて、観光庁が発表した「入れ墨(タトゥー)がある外国人旅行者の入浴に際し留意すべきポイントと対応事例」のように、ある一定の理解も今後求められていきます。
温泉という魅力的な観光資源を有する地方自治体に関しては、今後入れ墨(タトゥー)を入れた訪日外国人観光客の受け入れも含めて、インバウンド施策を見直す時期に来ているのではないでしょうか。
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