ゴールデンルート愛知県のインバウンド満足度95.2%、成功した理由とは

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愛知県は訪日外国人の観光におけるゴールデンルートの1つに数えられる都市ですが、実際に訪日外国人は愛知県でどのような観光を楽しんでいるのでしょうか?中部国際空港が中部国際空港から出国する訪日外国人に実施したアンケート調査からその内容を見ていきましょう。

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観光客の属性情報他、合計1,156人からの回答が得られた。

調査は平成28年10月~11月に中部国際空港からの出発便で出国する訪日外国人を対象に行われ、1,156の回答が得られました。この中では観光客の属性情報(国籍、性別、年齢、来日回数、来県回数、同行者、滞在目的)、宿泊状況(宿泊の有無、宿泊場所、日数)、旅行費用(全体、土産代、飲食代、宿泊代)、来訪先(日本全体、県内観光地)、県内での飲食物、県内での購入物、県内観光の満足度・不満点、旅行のきっかけ、再来訪意向などを調査しています。

国別で同行者は異なり、中国・香港では「夫婦・パートナー」が最多。

アンケートに回答した1,156人のうち、国籍で最も多かったのは中国で21%、台湾が14%、韓国が12.4%、タイが11.3%、東南アジアが10.3%となりました。国別に同行者を見ていくと、中国・香港で最も多かった回答は「夫婦・パートナー」、台湾、タイでは「家族・親族」でしたが、欧米豪では「自分ひとり」と回答した方が最も多くなりました。しかし全体で見ると「職場の同僚」でという回答が最も多く24.1%、次いで「家族・親族」が22.4%となりました。

日本へのリピート訪問は全体で70%を超える、国別では韓国がトップ

来日回数を見ていくと、4回目以上と回答した方が全体で40.4%となり、2回目以上の方を加えると日本旅行のリピーターが70%を超えていることが明らかとなりました。リピート回数が4回目以上であると答えた方が多いのは韓国(57%)、台湾(56.5%)、香港(55.7%)で、東南アジア、タイ、アメリカでもリピート訪問が多いことが伺えます。一方、日本旅行が1回目だとする方は圧倒的に中国が多く、49.6%となっています。

愛知県の訪問が4回目以上であると回答した方は韓国がトップ

愛知県の来訪回数に関しても 4回目以上と回答したのは韓国がトップ(25.7%) でした。欧州、東南アジアでも4回目以上と回答した方が多くなっています。一方、一回目と回答した方が最も多かったのは台湾(66.9%)で、香港、中国、タイの方も一回目の訪問であると回答した方が多くなっています。

「観光・レジャー」目的で愛知県を訪れている方が最も多いのは香港

愛知県の滞在目的では 「観光・レジャー」と回答した方が全体で51.5% となりました。国籍別では「観光・レジャー」目的で愛知県を訪れているのが最も多いのは香港出身の方、台湾、中国、タイが続いています。目的として2番目に多いのが「企業ミーティング」で、特に米国、欧州出身の方は、「企業ミーティング」で愛知県を訪問する方が多いことが見て取れます。これは 愛知県が世界に誇るトヨタ、そしてその関連企業が愛知県に集中している事も一因でしょう。

日本の滞在日数は「6〜9日」、愛知県の滞在日数は「2日」が最多

滞在日数については「日本での滞在日数」は「6〜9日」という回答が最多。アメリカ、欧州などは「10日以上」が最多となっています。中国、台湾、香港では「6〜9日」、「5日」という回答が目立ちますが、韓国は「4日」と回答した方が最も多くなっており、他の東アジア各国と比較する 滞在日数が短めであると言えるでしょう。

愛知県の滞在日数で最も多かったのは全体で 「2日」が最多。「3日」と回答した方が14.1%、「日帰り」が18.9%で、愛知県の滞在日数は比較的短い ことが伺えます。

愛知県の旅行費用は「10万円以上」が最多となり、国別では香港の方が愛知県で最も旅行費用が多い

愛知県での旅行費用としては 「10万円以上」が全体で最多となり、「10万円以上」と回答したのが最も多かったのは香港が最も多く、中国が続いています。 東アジアで見ていくと韓国は中国、香港、台湾と傾向が異なり、「3万円以上5万円未満」が最多となっています。また、愛知県で購入した 土産代では「1万円未満」が最多、「1万円以上3万円未満」が次いで多く なっています。

愛知県での 飲食代では「1万円以上3万円未満」が最多、宿泊代では「1万円以上」が最多 となります。興味深いのは 旅行費用では最もお金をかけていない傾向にある韓国が、土産代、飲食代、宿泊代では他の東アジア各国の国と同水準である ということです。

LCC利用の訪日韓国人はちょっとケチかも!?韓国人×LCC利用者を分析:20代の若者が過半数で消費額少なく「近畿・九州」が人気トップ2の行先

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愛知県への訪問前には「東京都」を訪れた方が最多。ゴールデンルート中心の観光ルートが伺える

愛知県に来る前の訪問先としては「東京都」と回答した方が最も多い44.2%、「大阪府」が36.4%、「京都府」が33.0%となりました。全体的にゴールデンルートを通る観光をしている方が多い事が伺えます。国、地域別に見ると台湾、香港出身の方は愛知県の隣県である岐阜県という回答が最も多く、韓国出身の方は「大阪府」という回答が最多、中国を始めとするその他の国と地域の方は「東京都」という回答が最も多くなりました。

名古屋城、手羽先など愛知県ならではの観光が楽しまれている

愛知県での訪問先として最も回答が多かったのは「名古屋城」で、徳川家康が天下統一の最後の布石として築いたとされるこの城は、訪日外国人からも高い人気を誇ることがわかる結果となっています。その他の回答としては「名古屋都心」が多く、名古屋駅、栄、大須などの中心部を訪れた訪日外国人も全体で半数を超えています。

食べ物としては名古屋名物の「手羽先」を食べたとする方が47.2%で最多。その他にも名物の「味噌カツ」、「ひつまぶし」、「味噌煮込みうどん」を食べた方も多かったようで、訪日外国人も当地の名物料理を楽しんでいる事がわかりました。また日本をイメージするものの1つである「抹茶」を楽しんでいた方も多かったようです。

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愛知県の旅行に関する訪日外国人の満足度は非常に高い

満足度について見ていくと、愛知県の旅行について「満足」と回答したのは54.4%、「非常に満足」と回答したのは40.8%となり、95.2%の方が愛知県の旅行について満足だと感じている ことが明らかになりました。

国・地域別に見ていくと、「非常に満足」であると回答した方はアメリカが最も多く、欧州、東南アジア、タイ、中国でも「非常に満足」という回答が多くなりました。満足した内容としては「交通アクセスの便が良い」が最も多く、「観光施設・交通機関等の案内表示がわかりやすい」、「食の面で魅力がある」といった声も多く聞かれました。また近年高まる「コト消費」に関連して「日本人の生活に触れることが出来た」といった回答も多くなっています。

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愛知県のインバウンド観光における不満点は「フリーWi-Fiスポットの少なさ」

不満に感じた点については フリーWi-Fiスポットが少ない」という回答が最も多く、3番目の「フリーWi-Fiの通信環境が悪い」と合わせて、巷では「ある程度フリーWi-Fiの問題は解消されつつある」と叫ばれる中、実際には訪日外国人の目線での利便性は向上していない ことが伺えます。

また日本の大きな課題と言われ続けている英語などを使用したコミュニケーションについても「コミュニケーションが取りづらい」という声が多く聞かれます。また「飲食費が高い」、「夜間に楽しめる場所が少ない」といった、日本のインバウンドにおいて課題であると言われ続けている問題点を指摘した声も多く聞かれました。「通訳ガイドが充実していない」という不満も多くなっていますが、これは [通訳案内士法の改正によって通訳案内士の資格を問わず報酬を得て通訳ガイドが可能になった(https://honichi.com/news/2018/01/15/tsuyakuannaishi/)] ことで、今後は解消に向かう事が予想されます。

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まとめ:地方らしさ、その土地の特色を打ち出した観光が好まれる一方、Wi-Fiの整備などが以前として求められている。

中部国際空港が発表したアンケート調査結果によると、愛知県を訪れた訪日外国人の多くは、愛知県ならではの観光名所、観光名物に対する満足度が高い一方、「フリーWi-Fiの少なさ」、「コミュニケーションの取りづらさ」など日本観光の問題点と言われ続けている内容に関する不満点を抱えている事がわかりました。ゴールデンルートの一部である愛知県であってもこうした不満の声があることから、都市部、地方部の両方で引き続き「フリーWi-Fiの整備」、「多言語コミュニケーション対応」の充実が求められていると言えるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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