2016年に行われたリオオリンピック・パラリンピックの閉会式にて、安倍首相が東京オリンピック・パラリンピックのPRを兼ねて世界的に知名度の高い任天堂のキャラクターである「マリオ」に扮して登場したことが世界中のメディアに取り上げられ話題になったように、 日本の魅力を語るうえでアニメ・マンガなど日本のポップカルチャーは欠かすことのできない存在 です。では、実際に日本を訪れた外国人観光客にとってアニメやマンガなどのクールジャパンコンテンツはどのように捉えられているのでしょうか。日本政策投資銀行の資料をもとに見ていきましょう。
【海外の反応】安倍首相マリオ姿「トーキョーショー」への海外メディア、ネットでの反応まとめ
オリンピックの閉会式では次の開催年がパフォーマンスをすることで知られていますが、リオオリンピックの閉会式で、日本はプロジェクションマッピング(※建物や物体、あるいは空間などに対して映像を映し出す技術の総称 ※wikipediaより引用)や素晴らしいダンスパフォーマンス、幻想的な雰囲気の音響効果だけでなく、紹介映像の中に漫画やアニメ、ゲームのキャラクターが登場し、観客を楽しませました。しかし、その中で一番の驚きとなったのは、 マリオに扮して土管から現れた安倍首相でしょう。海外の様々なニュース...
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訪日客にとって「日本の魅力」とは? 多数の訪日客が「アニメ・マンガ」と回答
日本政策投資銀行の地域・産業・経済レポート「DBJ・JTBFアジア 欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(平成28年度版)」では、2016年に訪日した外国人旅行者に対して「日本の魅力」に関して質問しています。上記の表は国籍別の回答をまとめたものです。すべての調査対象国においてアニメ・マンガに関するものが回答されています。 特に台湾では「ドラえもん」、香港・シンガポールでは「ガンダム」、アメリカでは「ゴジラ」、イギリスでは「ハローキティ」など 具体的なキャラクターを回答する国も存在 しています。
また、以前の訪日ラボの記事でもご紹介したように1996年に放映されたバスケットボールを題材にした日本のアニメ「スラムダンク」により中国全土でバスケットボールブームが訪れたり、台湾では「ドラえもん」の人気が高く、子供の鑑賞に適したテレビ番組としての評価を得ていたりと日本のアニメ・マンガの影響力は海外で大きなものであるようです。近年、こうした海外でのアニメ・マンガの人気を活用して訪日外国人観光客を誘致する「アニメツーリズム」の促進は日本国内で活発化しています。
訪日中国人から意外な人気を集める「江の島」その背景にはまさかの「スラムダンク」が!?
インバウンド誘致や地域活性化を目的に 「聖地巡礼」 が注目を集めています。「聖地巡礼」とは、アニメや漫画の舞台やモデルとなった地域をそのファンが訪問すること を指します。日本が世界に誇るソフトパワーコンテンツであるアニメや漫画を観光に組み込むことで多くの観光客誘致に成功している地域が国内には多く存在しています。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする「インバウンドデータ」の資料を無料でダウンロー...
日本国内で進む「アニメツーリズム」の整備:聖地巡礼は地域活性化の切り札にも?
アニメ・漫画の舞台やモデルになった「聖地」を認定し、アニメや漫画を通じて訪日外国人観光客誘致や地域の観光産業の活性化を図る「一般社団法人アニメツーリズム協会」を中心に、日本国内では 「聖地巡礼」 が整備されています。聖地巡礼とは、アニメや漫画の舞台やモデルとなった地域をそのファンが訪問すること を意味します。
訪日外国人の「聖地巡礼」とは? 約100万人のインバウンド観光客の満足度84.9%
「聖地巡礼」という俗語をご存知でしょうか?もともとは宗教上の聖地や霊場などを参拝して回ることを...
アニメやマンガの舞台となった場所の自治体や観光協会などでは、聖地巡礼を通じた訪日外国人観光客誘致を進めています。例えば、人気アニメ「らき☆すた」の舞台となった埼玉県久喜市では関連のグッズの販売やスタンプラリーの実施、インバウンド向けに英語版パンフレットを用意するなど、インバウンド向けにも聖地巡礼をしやすい環境を整備した結果、約22億円の経済効果がもたらされた といいます。
また、先述の通り中国で爆発的人気を誇った「スラムダンク」の舞台となった江の島は、訪日中国人観光客に人気の聖地巡礼スポットとなっています。中国で83%のシェアを誇る検索エンジン「百度(バイドゥ)」でも 「江の島」の検索数は日本の観光地の中で2位にランクインしています。 スラムダンクの聖地巡礼場スポットとして江の島の知名度は中国で向上しているといえるでしょう。
2016年には約100万人の訪日外国人が聖地巡礼を実施!作品のファンであるという理由からか満足度も非常に高い傾向に
観光庁の「平成28年 訪日外国人消費動向調査」によると、2016年の訪日外国人観光客の 4.8%が聖地巡礼(訪日外国人消費動向調査内では「映画・アニメ縁の地を訪問」と表記)を訪日旅行中に行っています。 それに加え、11%の訪日外国人観光客は次回の訪日旅行で「聖地巡礼」を行いたいと回答 しています。2016年の訪日外国人観光客数は、約2,400万人なので、約96万人 の訪日外国人観光客が実際に聖地巡礼をし、約264万人 は、次回の訪日旅行時に聖地巡礼を希望していることになります。
また、聖地巡礼を行った訪日外国人観光客のうち 90.0%は「(聖地巡礼に関して)満足した」と回答。 訪日外国人観光客にとって好きなアニメやマンガの舞台となった地域を訪れているためか、聖地巡礼をすることによって 訪日旅行中の満足度も高くなる傾向に あるようです。
まとめ:訪日旅行のキラーコンテンツはやっぱりアニメ?
日本政策投資銀行の資料によると、多くの訪日外国人観光客は「日本の魅力」としてアニメやマンガなどクールジャパンコンテンツを挙げています。 海外で高い評価を受ける日本のアニメ・マンガの舞台となった地域やゆかりの地を訪れる訪日外国人観光客は近年増加しており、2016年には 約100万人の訪日外国人観光客が「聖地巡礼」を実施 しました。こうした背景から「一般社団法人アニメツーリズム協会」が設立されるなど日本国内では アニメツーリズムを整備する動きが活発化 しています。日本が世界に誇る文化であるアニメやマンガはインバウンド市場にとってキラーコンテンツとしての地位を確立しつつあるといえるでしょう。
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<参照>
- 日本政策投資銀行:コンテンツと地域活性化
- 観光庁:平成28年 訪日外国人の消費動向
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