インバウンド誘致や地域活性化を目的に 「聖地巡礼」 が注目を集めています。「聖地巡礼」とは、アニメや漫画の舞台やモデルとなった地域をそのファンが訪問すること を指します。日本が世界に誇るソフトパワーコンテンツであるアニメや漫画を観光に組み込むことで多くの観光客誘致に成功している地域が国内には多く存在しています。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
訪日中国人に関心度が高い観光名所ランキング:「江の島」がランクイン
順位 | 観光地・名所の名前 |
---|---|
1位 | 富士山 |
2位 | 江の島 |
3位 | 浅草寺 |
4位 | お台場 |
5位 | 海遊館 |
中国で83%のシェアを誇る検索エンジン「百度(バイドゥ)」の日本法人バイドゥ株式会社は、訪日中国人を中心としたユーザーの間で検索数が多かった訪日旅行に関するキーワードをランキング化しています。観光地ランキング部門で2位に江の島がランクイン しており、この要因には「聖地巡礼」が絡んでいます。
実は漫画「スラムダンク」の聖地巡礼の舞台となってる江の島
江の島は、週刊少年ジャンプ誌上で連載されていた井上雄彦作のバスケットボール漫画 「スラムダンク」の舞台 となっています。中国では スラムダンクが理由で2000年代初頭にバスケブームが起こった といわれており、特にアニメのオープニングソングに登場する踏切は訪日中国人観光客にとって聖地巡礼の舞台となっています。このように聖地巡礼が目的で特定の地域を訪れる訪日外国人観光客は多く、国内ではその他にも多くの事例が見て取れます。
聖地巡礼を武器に訪日外国人の地方誘致がすすめる自治体が増加中
[埼玉県秩父郡横瀬町]「心が叫びたがっているんだ。」などのアニメの舞台に:コスプレイベントが訪日外国人にも好評
2015年に放送された人気アニメ「心が叫びたがっているんだ。」などの秩父市を舞台にした作品に、横瀬駅や大慈寺など、横瀬町の風景が多く登場することから、埼玉県秩父郡横瀬町は「聖地巡礼」の場所としても知られています。 埼玉県秩父郡横瀬町では、2015年6月から 参加者がアニメや漫画のキャラクターに変身するコスプレイベントが開催 されており、多くの訪日外国人観光客の誘致にも成功しているとのこと。
[埼玉県久喜市]人気アニメ「らき☆すた」の舞台:経済効果は約22億円とも
昨今の 「聖地巡礼」の火付け役とも言われるアニメ「らき☆すた」 では、久喜市の鷲宮神社がその舞台として登場 しています。 同地には国内外から多くのファンが押し寄せ、 放送開始の翌年2008年正月には、鷲宮神社の参拝者は前年比で倍以上の30万人を記録したとのこと。自治体としても「らき☆すた」関連のグッズの販売やスタンプラリーの実施、インバウンド向けに英語版パンフレットを用意するなど多くの観光客を誘致するために様々な取り組みを実施した結果、 約22億円の経済効果がもたらされた ともいわれます。
2016年には約100万人の訪日客が聖地巡礼を実施!満足度も90%を記録
観光庁より発行されている「訪日外国人消費動向調査」では、訪日外国人観光客のうちどれくらいの人が「聖地巡礼」を期待しているのか、または実際に行ったのかに関して調査しています。
2016年(平成28年)の年間値の推計のデータによると、訪日外国人観光客の 4.8%が「聖地巡礼(映画・アニメ縁の地を訪問)」を訪日旅行中に行っています。 そして、11%が次回の訪日旅行で「聖地巡礼」を行いたいとしています。2016年(平成28年)の訪日外客数は、およそ2,400万人なので、およそ 96万人の訪日外国人観光客が実際に「聖地巡礼」をし、また264万人は、次回「聖地巡礼」をしたいと回答 しているということになります。
また、「聖地巡礼」をした訪日外国人観光客のうち、90.0%が「満足した」と回答 しています。これは観光庁が調査する 20項目のうち3位 と上位にランクインする結果になっています。そのアニメや漫画のファンであるいう要因もあってか「聖地巡礼」は 訪日外国人観光客にとって満足度が高くなる傾向に あり、聖地巡礼の舞台となる地域では、訪日リピーター醸成も期待できるかもしれません。
まとめ:アニメ・漫画の力でインバウンド誘致 「聖地巡礼」は4,000万人誘致のキラーコンテンツに?
人気バスケットボール漫画「スラムダンク」の舞台となっている江の島は、訪日中国人観光客にとって聖地巡礼のスポットとなっています。アニメや漫画の舞台やモデルとなった地域をそのファンが訪問する聖地巡礼をうまく観光産業に組み込み、多くの訪日外国人観光客の誘致に成功している地域は日本国内に数多く確認でき、今回ご紹介した埼玉県秩父郡や久喜市がその例にあたるでしょう。
聖地巡礼をした訪日外国人観光客のうち9割は聖地巡礼に満足している ことから、漫画やアニメといった世界に通じる日本のソフトパワーコンテンツを活用した聖地巡礼は、これから 日本が4,000万人のインバウンド誘致を達成する上でキラーコンテンツに なってくるかもしれません。
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<参照>
- 日本法人バイドゥ株式会社:バイドゥ、2017年訪日中国人の検索動向ランキング発表 今年の検索傾向は「コンテンツ志向」
- AFP:動画:「コスプレ」で狙う地方活性化、300人が秩父に集結
- 観光庁:平成28年 訪日外国人の消費動向
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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<本セミナーのポイント>
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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