最新!海外メディア事情 シンガポール編:第3回 シンガポールのメディア概要(OOH&ネットメディア編)

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POINTS.SG PTE LTDの山本です。さて前回の新聞&雑誌編に続き、OOH、ネットメディアを見ていきましょう。

【シンガポール富裕層狙うなら『紙』メディアの攻略は必須】最新!海外メディア事情 シンガポール編:第2回

POINTS.SG PTE LTDの山本です。さて前回のTV&ラジオ編に続き、シンガポールの新聞、雑誌、フリーペーパーについてそれぞれ見ていきましょう。目次シンガポールの新聞概要:もっとインバウンド集客で活用すべき媒体シンガポールの新聞への広告出稿の相場は?シンガポールの雑誌概況:細分化されているがゆえに、PR対象と広告出稿先のマッチングが重要シンガポールの雑誌への広告出稿の相場は?ちょっと補足、雑誌のオンライン版ってどうなってる?シンガポールのフリーペーパー概況:雑誌と同じく対象セグメン...

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シンガポールのOOH概況

シンガポールは東京23区ほどのサイズの小さな島で、人口の密度は7,697人/km2、日本(335人/ km2)で日本の約23倍です。この小さくて人口密度の高い国では、一部のOOH広告に接する機会が非常に高く、一日の中で同じ広告を何度も接触します。そういう意味では、シンガポールにはOOHがMASSに近い国と言えます。

また、シンガポールは車が非常に高額なので公共交通機関を利用する人が多いのも特徴です。2015年のNielsen Singapore Media Indexの調査によりますと、97.4%の回答者はすくなくとも週1回交通機関を利用する。シンガポールの陸上交通庁(LTA)の2017の報告によりますと毎日の平均公共交通機関利用者数(合計)は7,214,000人でした。

OOHの有用性に関するデータ


出典:https://www.gov.sg/news/content/the-straits-times—bus-rail-ridership-soars-to-new-high

2016年の公共交通機関利用者数

バス: 3,939,000
駅(MRT1):3,095,000
駅(LRT2) : 180,000
1MRT: Mass Rapid Transit, 2Light Rail Transit
タクシーの場合は、平均の利用者数(1日)は95.4万にのぼる。

主なOOHメディア

交通機関

<バス> SBSトランジットはシンガポール最大の公共バス運行会社です。およそ3000台のバスがシンガポール全土で運行されている。

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① 2 階建てバスラッピング(4台、2か月):620万円~
② 1 階建てバスラッピング(5台、2か月):350万円~

<MRT駅> マス・ラピッド・トランジットはシンガポールの公共電車で、南北線、東西線、北東線、環状線、ダウンタウン線の5路線が開業している。

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① ドビーゴート駅(※)柱巻き(3柱巻き、4エスカレーターグラフィック、1か月):650万円~
② 車内ステッカー(全車両、1か月):180万円~
※シンガポールで一番大きな駅で、南北線、北東線、環状線の三路線が乗り入れるインターチェンジ駅。毎日100万人以上がドビーゴート駅を利用しています。

<タクシー> シンガポール内で走っているコンフォートタクシー、シティーキャブがコンフォートデルグロであり、17,000台以上を運行する国内最大のタクシー会社である。

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① タクシーラッピング(100台、2か月):560万円~ ② タクシー内LCDモニター(300台、30秒スポット、1か月):42万円~

空港

<チャンギ空港> チャンギ国際空港は106の航空会社と連携してシンガポールと世界242都市をつないでいる。2016年の利用者数は5,800万人。2017年10月に最新のターミナル4をオープン、新ターミナルで160万人の旅客増加が見込まれています。

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① 荷物受取コンベヤーデジタル看板(8ユニット、2か月):800万円~ ② 全ターミナルデジタル看板ネットワーク(36ユニット、10秒スポット、2か月):2,100万円~

モール

<モール> 「ショッピング天国」と呼ばれているシンガポールには100以上のモールがある。一番知られているオーチャードロードは、観光客はもちろん、ローカルの人たちも数多く利用する。

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①  DRAGON’S TAIL - IONモールの B1とB4を繋がっている長いエスカレーターです。16LCDモニターを壁際に付いており、45秒の接触時間がある。(16台の32”モニター、2面の壁グラフィック、1か月):1,200万円~

屋外看板広告

<看板広告> 規制が厳しいシンガポールの高速道路の側にも広告看板がほとんどないが、モールやオフィスビールの外側に広告を流しているモニターが付いていることはよく見られます。

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① ONE RAFFLES PLACE LED – ビジネス街にあるオフィスビール(1ユニット、30秒スポット、1か月): 250万円~
② SHAW HOUSE LED – シンガポールで最も人気なショッピング街オーチャード通りにある。(1ユニット、30秒スポット、1か月):125万円~

国内企業や欧米外資系企業の利用率も高いので、OOHメディアはかなり発達しており、特にチャンギ空港は利用者も多いのでマスメディア以上の価格設定になっている。訪日プロモーションで活用できる、いくつかのメディアを今回はご紹介します。

① ビジネスマンに効果的にアプローチ、オフィスビル内広告

シンガポール市場の中でも特に意味のあるターゲットであるビジネスマン、エレベーターの中、外で30秒のCMを露出。エレベーターを待っている「間」なので注目度が高い。毎日84回を配信、テナントは1日複数回利用する、刷り込みの効果も高い。

視聴回数(最大値)

・テナントの人数:682,754 (平均エレベーター使用回数/人:4.96回)
・訪問者:225,309(平均エレベーター使用回数/人:1.00回)
毎日の平均トラフィック:(682,754X4.96) + 225,309
=約3,610,000回

② クッキングスタジオを活用した「食」プロモーション

近年アジア圏では、日本料理に興味を持っているローカルが急激に増加しており。ABCクッキングスタジオはアジアで6カ国、19か所のスタジオを運営。

シンガポールでは2つ目のスタジオを準備中で90%の生徒はローカルの奥様。スタジオ内に常設されているモニターで御社のCMを定期的に放映し、PRします。

スタジオ内には5~8個ほどのモニターが調理室、待合室、試食室などにも配置されており露出効果、繰り返しが高い。

※シンガポールでは店舗1つがあり、5,250人のメンバーがいます。

③ 映画館を活用した若者へのプロモーション

シンガポール一番大きいな映画館オペレーターGolden Villageは1992年に設立され、シンガポール各エリア12所にあり、100以上のスクリーンがある。客層は映画によりますが、15~35歳の客が多数派を構成します。

映画が始まる前に広告動画を流れます。映画も選択することができます。(15秒、45秒、60秒) ポップコーン箱に広告を掲載することも可能です。

※4本の映画が選択可能。
※30秒のCM。
※ポップコーン箱の広告も含まれる。

シンガポールのインターネットメディア概況

インターネットメディアにおいては、英語がネイティブということもあって欧米系のサイトをメインの情報源としている層が多い。ローカルのネットメディアではいわゆるYahoo Japanのようなポータルサイトは存在せず、欧米の検索サイト、SNS、ECサイト、ローカル新聞社のNEWSサイトのアクセスが多い状況にあります。

シンガポールでトップ使用されているウェブサイトランキング (2018年1月の時点)

※ランキングはビジター数と1回あたりの頁閲覧数に基き算出。


出典:We are Social, Hootsuite. Digital in 2018.

それらのメジャーサイト以外は、かなり細分化されておりセグメントが明確に分かれている。下記は各カテゴリーで人気のあるメディア。

各メディアの概要(左上から順に)

① Tripzilla : 旅行コンテンツに特化したシンガポールのNO.1旅行メディア。フィリピン、マレーシア、ベトナムとインドネシア版もあり。(URL: www.tripzilla.com)

② The Straits Times : シンガポールで一番読まれている英語新聞のオンライン版。コンテンツをアクセスするため、登録が必要。(URL: www.straitstimes.com)

③ City Nomads : 主にシンガポール、タイ、インドネシアと日本のグルメ、ライフスタイルと旅行に関するコンテンツをメイン。(URL: www.citynomads.com)

④ AsiaOne : 無料ニュースサイトで、シンガポールだけではなく、世界中の最新ニュースを配信。(URL: www.asiaone.com)

⑤ STOMP : シンガポール中心のニュースサイト。タブロイドのイメージがある。(URL: stomp.straitstimes.com)

⑥ Her World : 大人気の女性向けの雑誌のオンライン版。 ショッピング、ファッションやライフスタイルのコンテンツに強いメディア。(URL: www.herworld.com)

バナー価格表


※CPM: 広告を1,000回表示させる広告コストを指します。

そういった背景もあって、より多くのリーチ量やコンバージョン数を求める場合は、アドネットワークへDSP(Demand-Side Platform)などを活用した広告配信や、SNSに絞ったターゲティング広告などが主流のようです。ここらあたりは専門の方々がたくさんいると思いますので、ここでは概況に留めておきます。

我々の仕事では、クライアントのPR対象にマッチしたメディアと組んで訪日観光のプロモーションを行っています。

アルピコホールディングス株式会社事例紹介

<概要>
2017年10月に行われたシンガポールのJapan Travel Fairへの出展のタイミングに合わせて、アルピコを独自のコンテンツ化にして、2018年3月までの長期的及び効果的なメディア露出キャンペーンを実施。

シンガポールの旅行コンテンツに強いTripzillaと日本コンテンツに特化したWAttentionを長野のファムトリップに招聘。Tripzillaの記事、またTripzillaのFacebook頁でのギブアウエイは去年の11月に実施済み。また、今年の2月末にWAttentionの2月誌にファムトリップについての記事を掲載する予定。
※上記は2017年10月5日の時点のデータです。

<記事のURL>
https://www.tripzilla.com/alpico-group-nagano-itinerary-nature/68611 

東武鉄道株式会社事例紹介

<概要> 東武鉄道グループのシンガポールにおけるメディアレップ、また旅行博( NATAS )の現場サポートや制作業務を担当。旅行及び日本のコンテンツに特化したメディアTripzillaと連携、東武鉄道のコンテンツを作成、ウェブ掲載やニュースレターでの配信を通じて、3か月間で3つの記事を掲載。

<記事のURL>
・2017年7月: https://www.tripzilla.com/tobu-railway-group-tokyo-fireworks-festival/64401
・2017年9月: https://www.tripzilla.com/tobu-railway-group-japan-autumn-nikko/67635
・2017年10月: https://www.tripzilla.com/tobu-railway-group-japan-steam-locomotive-train-novel-experience/68979

シンガポールのSNS概況

日本以上にSNSが発達しており、シンガポールでは75%以上が利用しています。その90%はモバイルからのアクセス、FBが最も使われており、IGが若者を中心に伸びているトレンドです。また、1日のSNS利用時間は2時間程度と日本よりもかなり長い接触時間があります。メッセージ系では、LINEではなく、WhatsAppの利用者が圧倒的に多く、また、YouTubeの利用率が東南アジアで唯一75%を超えています。

東南アジアのSNS利用者数 (2018年1月時点)


出典: We Are Social, Hootsuite, Jan 2018
1 使用デバイスに限らず。

東南アジアトップSNSの利用率(2018年1月時点)


出典: We Are Social, Hootsuite, Jan 2018

YouTubeチャンネルランキング / 登録者数


出典:Social Blade 2018

シンガポールファンが一番多いフェイスブック頁ワーランキング (2018年1月の時点)


※ローカル頁の合計ファン数。(マクドナルドの頁は世界中の現地マクドナルドの頁の合計ファン数しかのせていません。)
出典:Socialbakers 2018

テーマごとでいくつかシンガポールで人気であるインスタグラムアカウントを紹介


KOLを使ったプロモーションの限界説なども聞きますが、弊社では単純にKOLに当地に来ていただいて、数回の投稿でいくら、という彼らの発信力だけに依存したプロモーションではなく、彼らの「どのように使うか?」に焦点を当ててプランニングを行います。

企画事例/UP DOWN トラベラーズ 

 

この企画のように、KOLを演者として、彼らの利点を活用しつつ、エンターテインメントな仕立てにするものも一つの手です。最近は、エッジの効いた動画プロモーションの成功事例も増えていますが、KOLを使ったメディアツアーの動画プロモーションというアプローチもありです。

いかがでしたでしょうか?シリーズ3回に渡ってシンガポールのメディアをご紹介して参りました。長々とお付き合いを頂きましてありがとうございます。

POINTSでは、シンガポールだけではなく東南アジアの国々と日本をつなぐマーケティングサービスを提供しています。現地を知るからこそのプロモーション、メディアの活用、イベント運営など幅広いソリューションを提供しておりますのでお気軽にお問合せください。

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この記事の筆者

POINTS JAPAN/SINGAPORE

POINTS JAPAN/SINGAPORE

POINTSはシンガポールと日本を拠点としてASEAN各国での広告制作/宣伝PR/マーケティング/メディアバイイング/リサーチ/コンサルティング等々の業務を行なっています。シンガポールを中心に現地目線でのインバウンド/アウトバウンド情報を発信します。

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