月間ユニークユーザー数約180万人の訪日観光客向けポータルサイト「japan-guide.com」では、現在、ジャパンガイド編集部の外国人スタッフ制作による動画プロモーションを実施しています。
今回は動画プロモーションにおける適切な効果測定方法について、ジャパンガイド編集部の見解をもとにご紹介していきます。
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無関心層から一歩進んだ訪日計画者へのアプローチ
観光庁と日本政府観光局(JNTO)は今年2月、訪日に無関心だった層の旅行需要を喚起するための新キャンペーン「Enjoy my Japan」を開始。日本を旅行先として意識していない欧米豪市場に向けて動画を用いた施策を進めています。
一方、ジャパンガイドの場合は、このような喚起を行った結果、次の段階に進み「訪日を計画している層」が主なユーザーとなっています。それでは具体的に、ジャパンガイド編集部がどのような方法で動画プロモーションの効果検証をしているのかについてまとめて行きます。
再生回数だけに注目するのは危険 その動画を閲覧したのはどんな人?
動画プロモーションでは再生回数が指標として取り上げられることが多いですが、訪日して貰うことを目的として動画プロモーションを実施する場合、一番重要なのは「動画をみてほしい人にリーチしていること」であると、ジャパンガイド編集部は考えています。この「みてほしい人」とは、「訪日を予定している層」、「訪日に興味がある層」になります。
たとえば、再生回数100万回の動画があったとして、その動画の閲覧者が日本への渡航に興味のない層であったとしたら、いくらその動画が再生されていても意味がありません。最近の動画閲覧者の中には、ユーチューバーや「動画を楽しむこと」だけを目的にしている人も一定数存在しています。もし日本に来て貰うことを目的としたプロモーションを行うのであれば、そういった層ではなく、「日本に行くことを考えている」、または「考えてくれそうな層」にリーチする必要があります。
訪日確度の高い閲覧者に着実にリーチし、旅行計画者に役立つ情報を発信することで、最終目的である「訪日」を実現させる可能性を高めることを重視しています。
再生回数以外の指標は?
それでは再生回数以外にジャパンガイドが注目している指標は何なのか。それは以下の4点になります。
指標 ※YouTube Analyticsの表記を参照 |
指標の意味 | チェックすべき点 |
---|---|---|
ユーザー層(上位の地域) Top geographies |
どの国から動画へのアクセスが発生しているか | ターゲットとなる国からの割合が多くを占めているか |
視聴者維持率 Audience retention |
動画が視聴者の注目をどの程度維持できたかを示す総合的な尺度 | YouTube動画の平均値40%を超えているか=動画をきちんとみてもらえているか |
コメント Comments |
動画閲覧者からのコメント | 動画の感想だけでなく、訪日を計画していると思われるコメントが見られるかどうか |
評価 Likes and dislikes |
LikeとDislikeの割合 | Like: Dislike = 10:1が望ましい |
プロモーションによってはターゲット国を絞っているケースもあるかと思いますが、その場合、どの国からアクセスがどれくらいあったかを知る必要があります。欧米圏へ向けてのプロモーションだったのに、アジア圏からのアクセスが多くを占めていた場合は、欧米のユーザーが多く集まるメディアへの動画掲載や、アジア圏向けのコンテンツになっていなかったかなど、内容の見直しを図る必要があるかもしれません。
また、動画がどれくらいきちんとみられたかを示す「視聴者維持率」はとても大切な指標になります。再生回数100万回のうちの多くが数秒の閲覧であったとしたら、再生回数としてカウントする意味はほとんどありません。YouTube動画の平均視聴者維持率は40%といわれているため、これをひとつのベンチマークにすることができます。
コメントについては書き込まれた数よりも、書かれた内容をひとつひとつ見ていく必要があります。「動画の音楽がきれいですね」や「編集技術がすばらしいですね」などのコメントは動画そのものへの評価であり、私たちが期待する「閲覧をきっかけに訪日を考えてほしい」という効果を計る指標にはなりえません。撮影した地域への交通手段に関する質問や、「次の旅行のプランニングの役に立ちました」、「この場所に行ってみようと思います」というコメントがあって初めて動画の効果があったと判断できます。
以下、ジャパンガイドの動画に対して書き込まれたコメント例:
まとめ:複数の指標をもとに総合的な判断を
ジャパンガイドでは訪日のポテンシャルのあるユーザーに、より具体的な行動に繋げてもらえるよう、交通情報やモデルルートなど、具体的な計画を立てるにあたって有益な情報を盛り込んだ動画制作を心がけています。同時に、再生回数だけではなく、前述したような指標にも注目し、実際に訪日に繋がるような効果があったかどうかを総合的に判断しています。みなさんもぜひ、プロモーションの目的に応じて適切な指標を設定してみてください。
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