観光庁 MICEの経済効果1.1兆円と発表!波及効果で最も金額が大きい「国際会議」をデータから徹底分析:特徴や参加する外国人とは?

MICEという言葉をご存知でしょうか。MICEとは、企業などの会議(Meeting)、企業などが行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会などが行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字をとったビジネスイベントの総称です。

今年5月に観光庁が2016年度国際MICEの経済効果が1.1兆円と発表して注目されています。その内訳の中で国際会議による金額が約65%(約6,789億円)と大半を占め、また外国人参加者1人当たりの総消費額でも、国際会議は約37.3万円MICEの中で一番大きい金額です。しかし、この国際会議自体に馴染みがないため、なかなか理解しづらい内容ではないでしょうか。

今回は、多くの外国人が集まる国際会議の特徴やそこに参加する外国人についてご紹介します。

観光庁の調査データをもとに国際会議の特徴や外国人参加者を知ろう

2017年3月に観光庁がとりまとめた「平成28年度MICEの経済波及効果及び市場調査事業」報告書を参考に見てみましょう。

日本で開催される国際会議にはどのような人が参加しているのか(参加者の職業)

日本で開催される国際会議にはどのような人が参加しているのか(参加者の職業)

日本で開催される国際会議にはどのような人が参加しているのか(参加者の職業)

外国人参加者の職業は、参加者の約37%が研究者、約24%が学生。その他の約39%には、医師などが含まれます。

日本で開催される国際会議のテーマ別開催件数

日本で開催される国際会議のテーマ別開催件数

日本における国際会議のテーマ別の比率をみると、「技術」「自然科学」「医学」の順に多く、全体の60%を占めています。

何人ぐらい参加するのか

日本で開催される国際会議の規模比率

日本で開催される国際会議の規模比率

国際会議というと500人以上が集まる大型会議をイメージしがちですが、500人を超える会議は、約18%で、499人以下の小・中規模の国際会議が75%以上を占めています。特に30人以上149人以下という最も小さい規模の国際会議が全体の約40%あることが分かります。

国際会議の期間中、参加者は何をしているのか

一般のビジネスマンは、実際に国際会議に参加する機会がほとんどないため、期間中に何をしているのかイメージできない方も多いと思います。研究者が参加する国際会議を一例としてご紹介しましょう。

国際会議の期間中、参加者は何をしているのか

国際会議の期間中、参加者は何をしているのか

プログラムを見ていただければ一目瞭然ですが、会期中のほとんどの時間は、研究発表に使われます。研究者は、自分の発表に加え、他者の発表を聞き、自分の研究に活かすという知見の交流が行われます。

また、交流をスムーズに行うために発表の合間の食事が重要で、主な食事は、前日の夜のウエルカムパーティーや2日目のディナーバンケット、最終日のフェアウェルパーティー、そして毎日のランチになります。発表の間にコーヒーブレイクを用意して、より参加者が交流しやすい機会を増やすこともあります。

観光庁の調査によると外国人参加者は、国際会議に参加した際、主催者あるいはスポンサー、出展者からランチや軽食の提供があったと回答した参加者が約43%。また、ディナーあるいはパーティの提供があったと回答した参加者は約39%でした。

参加者の半分以上は、会議で配布される地元の観光ガイドマップを参考にして自身でお店を探すか宿泊先のホテルなどで食事をしていると考えられます。そのため国際会議の開催期間中は、会場近くのお店やレストランでは英語のメニューを準備するなど外国人への配慮が必要とされます。

公益財団法人 横浜観光コンベンションビューローが発行するガイドマップで多言語対応されていて無料(英語、中国語簡体字、繁体字、韓国語、タイ語)

公益財団法人 横浜観光コンベンションビューローが発行するガイドマップで多言語対応されていて無料(英語、中国語簡体字、繁体字、韓国語、タイ語)

国際会議後に参加者が楽しみとするものとは

アフターコンベンションという言葉を知っていますか?参加者は会期中、ほとんどの時間を研究者の発表や交流に時間を使うため、会期終了後は、アフターコンベンションとして観光やショッピングを楽しむなど、開催国を満喫してから帰国する方が多くいます。

各地のコンベンションビューローがメニューの開発やラインナップの充実に取り組み協力するなど、地域全体でこのアフターコンベンションを充実させることが訪日外国人の消費額の増加につながります

国際会議の主催者が準備するツアーで楽しむ

会議参加者は事前にオプションとして費用を払うことで、国際会議の主催者が準備をしたツアーに参加することができます。

国際会議のツアーとして行うことで、百貨店を貸し切ったショッピングや普段入ることのできない施設での食事など特別な体験が楽しめます。またツアーには、添乗員のサポートがつくため、日本語に不安のある方や訪日がはじめての方でも気軽に参加することができるのが特徴です。

既存のツアーではなく自分が行きたい場所へ行く

一方で、インターネットの普及により事前に日本の観光情報を取得することができるようになったことから国際会議主催者が準備するツアーには参加せず、個人の趣味趣向にあわせた旅行先に行くことが増えてきています。FIT層や団体旅行客とは異なるターゲットに対しインバウンド施策が有効で注目されつつあります。

有名なホテルではなく、東京から少し離れた場所にある旅館でゆっくりしたいという参加者も増えているようです。また、まちの景観や観光施設を見るだけではなく、着物の着付けや座禅などの体験型のプログラムが人気となっています。

まとめ:馴染みのない国際会議も内容をよく見てみると開催による経済効果の大きさがイメージできる。

2016年度国際MICEの経済効果の調査では、国際会議に参加した外国人1人当りの消費額は約37.3万円で、一般的な訪日外国人1人あたりの旅行支出を約20万円上回る結果となっています。国際会議期間中の宿泊や食事、そして新たな旅行者をターゲティングできるアフターコンベンション。国際会議開催による消費額が大きいイメージを持っていただけましたでしょうか。

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この記事の筆者

日本コンベンションサービス株式会社(JCS)

日本コンベンションサービス株式会社(JCS)

MICE都市研究所メンバーによる執筆。JCSは、国際会議や企業ミーティングの企画・運営、通訳・翻訳サービス、大型カンファレンス施設の運営等を展開しています。いま注目されている「MICE」の最新トレンドや事例、ビジネスネタを幅広くご紹介します。