9月にMastercard 調査「2018 年度世界渡航先ランキング」が発表されました。パリやロンドンなど、世界的に名だたる観光都市の中で、日本はどれだけ善戦したのでしょうか。はたして日本は世界でどのくらいの順位につけているのか紐解いてみましょう。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
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調査対象は162 都市。世界の都市をランキング
有名クレジットカード会社Mastercard は毎年「世界渡航先ランキング」を発表しています。海外から訪れる渡航数と消費額で162もの世界の主だった都市をランク付けしたもので、渡航先で1 泊以上した旅行者が対象です。なお、Mastercardを利用した人のデータではなくて、公表値を利用しています。
今年もバンコクが1位。日本のライバルはタイ?
2017年の渡航数が2,005万人ということで、昨年の引き続き、今年もタイのバンコクが1位になりました。2位以下は、ロンドン、パリ、ドバイ、シンガポール、ニューヨーク、クアラルンプール、東京、イスタンブール、ソウルと続きます。
東京は、渡航者数約1,193万人と8位につけており、まずまずの成績です。アジアでは、タイ、シンガポール、マレーシアあたりが日本のライバルになるでしょうか。
渡航者の消費額でも東京はバンコクに負けている
1位のバンコクは、渡航者の消費額でも東京を上回っています。バンコクを訪れる渡航者は平均で 4.7泊滞在して全体で1,636万米ドルを消費するというデータがあります。1日あたり平均消費額は173米ドルです。
一方、東京では平均で6.5泊滞在して全体で1,191万米ドルを消費。1日あたり平均消費額は154米ドルです。
タイは、以前に比べて物価は上昇しているとはいえ、今のバンコクの地下鉄の初乗り運賃は16バーツ(約55円)です。物価の違いを考えると、バンコクに比べ東京での消費額の低さはどうしたものでしょうか。
消費額のランキングでは、ドバイが1位
渡航者数ではなく、渡航者の消費額でのランキングになると、上位の顔ぶれが変わってきます。
ドバイが1位となり、全体で2,970万米ドルが消費され、1日あたりの平均消費額は537米ドルです。2位以下は、マッカ(メッカ)、ロンドン、シンガポール、バンコク、ニューヨーク、パリ、パルマ・デ・マリョルカ(スペインのリゾート地)、東京、プーケットと続き、東京は9位です。
ドバイの消費額2,970万米ドルに対して、東京は1,191万米ドルで半分以下の数値です。
成長率では日本はワンツースリー・フィニッシュ
2009年から2017にかけて渡航者の年平均成長率をみる急成長渡航先ランキングでは、日本が目覚ましい発展ぶりをみせています。
1位は沖縄で39.2%、2位は京都の27.8%、3位は大阪で23.6%と大躍進しています。ここ数年のインバウンドの取り組みが数値に現れたかっこうです。これは喜ばしいことではないでしょうか。
まとめ
Five Star Allianceで東京とバンコクの五つ星ホテルの数を調べてみました。東京が19軒、バンコクが34軒でした。
渡航者数でも、渡航者の消費額でも東京はバンコクに負けていますが、この数字を見ると、まだ訪日外国人の受け入れ態勢は発展途上だということを表していると思います。
ホテルについてだけでなく、まだ日本には課題がたくさんありますが、沖縄、京都、大阪の発展ぶりを鑑みますと、インバウンドの未来は明るいのではないでしょうか。
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<参考>
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