リピーターが多いことでも知られる訪日台湾人ですが、多くの台湾人が訪日旅行の際に訪れる人気スポットとなった場所があります。それが阪神タイガースの本拠地・阪神甲子園球場です。
阪神甲子園球場は高校野球の聖地としても知られていますが、今球場を中心に阪神タイガースの公式ショップなどが台湾人に大人気だというのです。なぜ阪神甲子園球場が訪日台湾人の人気を集めているのでしょうか?
驚異の訪日率を誇る、今注目の訪日台湾人市場の特徴も合わせて見ていきましょう。
- 「訪日台湾人・香港人向けメディア」を資料で詳しくみてみる
- 「広告プロモーション(台湾・香港向け)」を資料で詳しくみてみる
- 「調査・リサーチ(台湾・香港)」を資料で詳しくみてみる
- 「訪日台湾人・香港人向けフリーペーパー」を資料で詳しくみてみる
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
台湾人に甲子園が大人気な理由
数年前から、阪神甲子園球場に多くの訪日台湾人が訪れているといいます。甲子園が台湾人の人気を集めている背景には、台湾で2014年に公開された「KANO」という映画があるということです。「KANO」は、台湾が日本の統治下にあった時代、現在の全国高等学校野球選手権大会にあたる全国中等学校優勝野球大会に台湾代表の「嘉義(かぎ)農林」という農業高校が出場した際の実話をもとにした映画です。
嘉義農林は次々と勝ち進み、ついに決勝までたどり着きました。決勝では現在の中京大中京にあたる中京商に敗れましたが、チームはそのさわやかな印象で甲子園の人気を集めたということです。この「KANO」が台湾では大ヒットし、その舞台となった甲子園が注目されました。この映画はのちに日本でも『KANO 1931海の向こうの甲子園』というタイトルで公開され、話題となりました。
映画の公開を機に甲子園を訪問する台湾人は増え、またそれに伴い、甲子園球場のレフト外野スタンド下にある、甲子園の歴史を後世に伝えることを目的につくられた「甲子園歴史館」にも台湾人が多く訪れるようになりました。甲子園歴史館では嘉義農林が出場した際のトーナメント表などを展示しており、それが台湾人のお目当てになっているようです。
また、JTB総合研究所の調査によると、訪日台湾人の入国空港・出国空港の組み合わせは出入国ともに関西国際空港というのが最も多く、22.6%を占めているということです。台湾から関西国際空港へは直行便が出ており、台北・高雄・台南などいくつか空港はありますが、首都台北から関西国際空港への便だけでも一日20便ほど出ています。
甲子園球場は台湾人から最も支持されている関西国際空港から行きやすく、アクセスの良さという点もこの甲子園の人気を後押ししているのではないかと考えられます。
阪神タイガースも人気
甲子園人気に伴って、甲子園球場を本拠地として活動する阪神タイガースも台湾人の人気を集めています。阪神タイガースの試合では、ラッキーセブンといわれる7回裏の攻撃前にファンがジェット風船を飛ばすことが恒例となっていますが、その様子がSNS等で拡散され、「体験してみたい」「試合を見てみたい」という台湾人が増えたということです。甲子園球場に次ぐ第2の聖地として阪神ファンに親しまれている阪急百貨店梅田本店8階のタイガースショップにも、多くの台湾人が訪れるようになったといいます。
この台湾人人気を受けて、阪神タイガースは2016年から毎年「台湾デー」というものを設けています。
台湾デーでは、始球式に台湾出身の選手が登場したり、球場で台湾グルメが食べられるなど、台湾にちなんだ演出がなされます。他にも台湾デーだけの特別イベントが催されたり、無料航空券が当たるプレゼントナイターなどが行われます。
台湾人はインバウンド市場で重要な位置に
訪日台湾人は日本のインバウンド市場でどのような立ち位置を占めているのでしょうか。今一度確認していきましょう。観光庁の調査によると、訪日台湾人はリピーター率が80%、訪日数10回以上のヘビーリピーターも15%いるということです。滞在日数は4~6日間が70%と、比較的短いのが特徴です。2015年9月から2017年1月までの間に日本を訪れた台湾人を対象に行われたJTB総合研究所の調査では、回答者の平均訪日回数は6.29回、今後2年以内の再訪意向は94.8%だったということです。
あまり間隔を開けずに、何度も気軽に訪日するのが台湾人のスタイルといえるでしょう。親日家が多く、インバウンドでは「常連」の手堅い国です。今後も日本にとって重要な顧客であり続けるでしょう。
台湾デーは阪神タイガースが本拠地の甲子園球場でプレーをする際に開催され、日本人客に加え多くの台湾人観光客が訪れるということです。
阪神の積極的なマーケティングがユニーク/これからも注目すべき台湾市場
台湾人の甲子園人気は、甲子園を舞台にした映画に端を発するものでした。阪神タイガース側も増え続ける台湾人をただ受け入れるだけではなく、「台湾デー」を設定して自ら積極的にマーケティングを行っています。毎年全人口の5人に1人が日本を訪れている台湾ですが、現在もその勢いは衰えることを知りません。今後も日本のインバウンドにおいて重要な立ち位置を占め続けるでしょう。 インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる
「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる 「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる 「多言語化表示サービス」を資料で詳しくみてみる 「テレビ電話型通訳サービス」を資料で詳しくみてみる 「訪日外国人向け道案内」を資料で詳しくみてみる<参照>
- 日刊スポーツ:台湾から訪日旅行客6年連続↑「甲子園」人気のワケ
- 外務省:中国基礎データ
- 外務省:台湾基礎データ
- 訪日ラボ:訪日台湾人観光客の特徴
- 阪神甲子園球場 甲子園歴史館
- 阪神甲子園球場
- アジア・アクセス:大阪 - 台湾間 直行便 発着ダイヤ/スケジュール
- JTB総合研究所:台湾からの旅行者の心理と行動に関する調査研究
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!