今、台湾人に『甲子園』が人気のワケ/背景には甲子園舞台の台湾映画「KANO」の存在・ロケツーリズムの関係とは

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リピーターが多いことでも知られる訪日台湾人ですが、多くの台湾人が訪日旅行の際に訪れる人気スポットとなった場所があります。それが阪神タイガースの本拠地・阪神甲子園球場です。

阪神甲子園球場は高校野球の聖地としても知られていますが、今球場を中心に阪神タイガースの公式ショップなどが台湾人に大人気だというのです。なぜ阪神甲子園球場が訪日台湾人の人気を集めているのでしょうか?

驚異の訪日率を誇る、今注目の訪日台湾人市場の特徴も合わせて見ていきましょう。

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台湾人に甲子園が大人気な理由

数年前から、阪神甲子園球場に多くの訪日台湾人が訪れているといいます。

甲子園が台湾人の人気を集めている背景には、台湾で2014年に公開された「KANO」という映画があるということです。「KANO」は、台湾が日本の統治下にあった時代、現在の全国高等学校野球選手権大会にあたる全国中等学校優勝野球大会に台湾代表の「嘉義(かぎ)農林」という農業高校が出場した際の実話をもとにした映画です。

嘉義農林は次々と勝ち進み、ついに決勝までたどり着きました。決勝では現在の中京大中京にあたる中京商に敗れましたが、チームはそのさわやかな印象で甲子園の人気を集めたということです。この「KANO」が台湾では大ヒットし、その舞台となった甲子園が注目されました。この映画はのちに日本でも『KANO  1931海の向こうの甲子園』というタイトルで公開され、話題となりました。

映画の公開を機に甲子園を訪問する台湾人は増え、またそれに伴い、甲子園球場のレフト外野スタンド下にある、甲子園の歴史を後世に伝えることを目的につくられた「甲子園歴史館」にも台湾人が多く訪れるようになりました。甲子園歴史館では嘉義農林が出場した際のトーナメント表などを展示しており、それが台湾人のお目当てになっているようです。

また、JTB総合研究所の調査によると、訪日台湾人の入国空港・出国空港の組み合わせは出入国ともに関西国際空港というのが最も多く、22.6%を占めているということです。台湾から関西国際空港へは直行便が出ており、台北・高雄・台南などいくつか空港はありますが、首都台北から関西国際空港への便だけでも一日20便ほど出ています。

甲子園球場は台湾人から最も支持されている関西国際空港から行きやすく、アクセスの良さという点もこの甲子園の人気を後押ししているのではないかと考えられます。

阪神タイガースも人気

甲子園人気に伴って、甲子園球場を本拠地として活動する阪神タイガースも台湾人の人気を集めています。阪神タイガースの試合では、ラッキーセブンといわれる7回裏の攻撃前にファンがジェット風船を飛ばすことが恒例となっていますが、その様子がSNS等で拡散され、「体験してみたい」「試合を見てみたい」という台湾人が増えたということです。

甲子園球場に次ぐ第2の聖地として阪神ファンに親しまれている阪急百貨店梅田本店8階のタイガースショップにも、多くの台湾人が訪れるようになったといいます。

この台湾人人気を受けて、阪神タイガースは2016年から毎年「台湾デー」というものを設けています。

台湾デーでは、始球式に台湾出身の選手が登場したり、球場で台湾グルメが食べられるなど、台湾にちなんだ演出がなされます。他にも台湾デーだけの特別イベントが催されたり、無料航空券が当たるプレゼントナイターなどが行われます。

台湾人はインバウンド市場で重要な位置に

訪日台湾人は日本のインバウンド市場でどのような立ち位置を占めているのでしょうか。今一度確認していきましょう。観光庁の調査によると、訪日台湾人はリピーター率が80%、訪日数10回以上のヘビーリピーターも15%いるということです。滞在日数は4~6日間が70%と、比較的短いのが特徴です。

2015年9月から2017年1月までの間に日本を訪れた台湾人を対象に行われたJTB総合研究所の調査では、回答者の平均訪日回数は6.29回、今後2年以内の再訪意向は94.8%だったということです。

あまり間隔を開けずに、何度も気軽に訪日するのが台湾人のスタイルといえるでしょう。親日家が多く、インバウンドでは「常連」の手堅い国です。今後も日本にとって重要な顧客であり続けるでしょう。

台湾デーは阪神タイガースが本拠地の甲子園球場でプレーをする際に開催され、日本人客に加え多くの台湾人観光客が訪れるということです。

阪神の積極的なマーケティングがユニーク/これからも注目すべき台湾市場

台湾人の甲子園人気は、甲子園を舞台にした映画に端を発するものでした。阪神タイガース側も増え続ける台湾人をただ受け入れるだけではなく、「台湾デー」を設定して自ら積極的にマーケティングを行っています。

毎年全人口の5人に1人が日本を訪れている台湾ですが、現在もその勢いは衰えることを知りません。今後も日本のインバウンドにおいて重要な立ち位置を占め続けるでしょう。 インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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