昨今、観光庁は欧米豪からの訪日外国人を重要視するようになっています。日本までの移動距離が長いとしぜんに滞在期間も長くなり、そのぶん日本で消費する金額も多くなります。今回は、ヨーロッパの真ん中あたりを担当するドイツのフランクフルト事務所で、ドイツ語圏からの訪日外国人についてお話を伺ってきました。
インバウンド対策なにから始めたら良いかわからない?【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
ドイツ語圏と中欧地域を担当するフランクフルト事務所
JNTOフランクフルト事務所の担当地域は、ドイツ、オーストリア、スイスのドイツ語地域、クロアチア、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、モンテネグロ、ルーマニアと広範囲にわたります。現在は、事務所がフランクフルトにあるということもあり、約9割の事業がドイツ国内で行われています。

ロングホールで旅行しているドイツ語圏の人にアプローチ
フランクフルト事務所では、ドイツ語圏の旅行者に向け、ユーチューブなどといったウェブメディアや雑誌を利用して、特にロングホールで旅行している人々にアプローチしています。
今年は、7つのパッション(興味関心)として、例えば食、自然など旅行者が旅行先に求めるものテーマにして欧米豪向けのムービーを作成しました。旅行先としての日本をまだ知らない層をターゲットにしていて、ドイツもこのプロジェクトの対象でした。
東北キャンペーンも実施中(2018年10月~2019年2月)

2017年の統計では、195,606人のドイツ人旅行者が日本を訪れています。一方、ドイツの旅行者は旅行先として、アジア圏ではタイを好み、タイへは849,283人もの旅行者が訪れています。
ドイツの旅行会社では、格安のタイ旅行のパッケージツアーが販売されていますし、長期休暇をとることができるので、ゆったりしたリゾート型の旅行を好み、このような大きな数字になるのでしょう。

紙媒体と口コミが強い地域性
ドイツ語圏の特徴として、旅行情報を得る手段として紙媒体が強いということが挙げられます。どういうことかと言うと、世界的には、ウェブ上から旅行情報を集める旅行者が多いのですが、ドイツでは旅行ガイドブックの類もよく利用されているのです。
また、口コミも強いです。家族や友人や会社の仲間などから、「どこそこに行ってよかった」と聞くと、俄然興味を持つという具合です。信頼できる筋からの情報ならば確かだろう、と思うのでしょう。
SNSでは、ドイツ語のハッシュタグを活用
JNTOフランクフルト事務所では、ツイッター、インスタグラム、フェイスブックといったSNSを利用して、積極的に日本観光の情報を発信しています。
特に、インスタグラムに力を入れており、英語だけでなく、ドイツ語のハッシュタグをつけ、ドイツ語圏の旅行者がアクセスしやすいように心がけています。ドイツでは、英語を理解する人は多いですが、ドイツ語で検索する人が多いですし、英語のハッシュタグは数が多いため、せっかくの情報が埋もれてしまうからです。
まとめ
ドイツ人は旅行好きの国民性で、休暇にはよく海外旅行にでかけます。残念ながら、まだ日本は、魅力的な旅行先として認知されているとはいえません。
旅行先としての日本をまだ知らない層をターゲットにした7つのパッション(興味関心)の試みをドイツで行ったということも、この潜在マーケットの掘り起しの一環ですし、SNSでの積極的な情報発信も地道なアプローチです。
フェイスブックでフォロワーからの質問に丁寧に返信するなど、JNTOフランクフルト事務所のドイツらしい律義さが実を結ぶ日は近いと思います。
インバウンド対策なにから始めたら良いかわからない? 「インバウンドコンサル」を資料で詳しくみてみる 「調査・リサーチ」を資料で詳しくみてみる 「インバウンドデータ」を資料で詳しくみてみる 「インバウンド研修」を資料で詳しくみてみる<参考>
- 2017年 国籍別 / 目的別 訪日外客数 (確定値) / 日本政府観光局(JNTO)
- 観光白書
- 7 つのパッション(興味関心)についてEnjoy my Japan グローバルキャンペーンを始動!~2020 年に向けて、新たな「楽しい国 日本」の魅力を発信~/ 日本政府観光局(JNTO)
- Enjoy my Japan
- ドイツのデータ / 日本政府観光局(JNTO)
【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント
2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。
これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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