「四国一周サイクリング」は、2013年に四国4県連携事業の一環として始まりました。さらに2018年8月より、愛媛県を起点として四国をスタンプラリー形式で一周する「CHALLENGE 1,000km プロジェクト」が、訪日客を取り込むために海外エントリーの受付を開始しています。
国内外で注目を集めるサイクルツーリズムが持つ、インバウンドの地方誘致の可能性とは何か、「四国一周サイクリング」を例に見ていきましょう。
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「CHALLENGE 1,000km プロジェクト」とは?

「CHALLENGE 1,000kmプロジェクト」は、愛媛県を起点とし四国一周総距離1,000kmの道のりを自転車で走破し、4県の地域独自の魅力に触れられるサイクルツーリズムの企画です。
エントリー料金は8,000円で、チャレンジキット購入費と今後の四国サイクリング文化推進活動費が含まれます。チャレンジキットとは、オリジナルのサイクルジャージと、29カ所の道の駅をチェックポイントとするオリジナルスタンプラリーシート「公式チャレンジパス」が含まれたものです。
エントリー後3年以内に四国一周を達成すると、記念に愛媛県自動車新文化推進協会から「完走証」と「バックル」が無料でプレゼントされます。完走証を発行するためには、公式チャレンジパスにスタンプポイントである道の駅で各県3カ所以上、徳島県のみ2カ所以上スタンプを押さなければなりません。
1度目の訪日旅行で達成できなかったとしても、3年以内に再度来日すれば完走したと見なされるため、より気軽に挑戦できるプログラムと言えるでしょう。1,000kmもの道のりを走破できた場合は、大きな達成感からまた何年かに一度は挑戦しようというリピーターを生み出す効果も期待されます。
サイクリングを通じて四国4県の知られざる地域独自の魅力発信

「四国一周サイクリング」で期待される、インバウンド誘致の効果を2つ紹介します。
「四国一周サイクリング」で期待される効果その1:自転車だからこそ楽しめるローカル体験がインバウンドの地方誘致の鍵

自転車という交通手段を活用することで、電車や車では通り過ぎてしまうような地元スポットにも気軽に立ち寄り、地域独自の食や文化、人とのふれあいを楽しむことができます。一方地上自治体にとっても、チェックポイントの道の駅で地産地消のグルメやお土産など、地域の魅力を直接訪日客にPRできることは大きなメリットとなるでしょう。
「四国一周サイクリング」のルートは、4県全てを通り、それぞれの独自の気候や文化、景観が体験できるよう設定されています。県同士の連携により築かれた、大規模なサイクリングコースだからこそ実現できたと言えます。
海沿いを走るルートがほとんどですが、瀬戸内海と太平洋で海の表情はガラッと変わるため、サイクリストを飽きさせることはありません。「四国」という1つの地域の中でも、さまざまな魅力に触れられ常に新しい発見があるところは、訪日客を惹きつける上で効果的と言えます。
「四国一周サイクリング」で期待される効果その2:”おもてなしサポーター”で訪日客の満足度UP

1200年の歴史があるお遍路の影響で、四国にはおもてなしの精神が根付いており、「四国一周サイクリング」では、”おもてなしサポーター”という制度を設けています。
サイクリストは、オリジナルサイクルジャージ着用または公式チャレンジパスの提示により、登録先の飲食店や宿泊施設などでさまざまな優待が受けられます。宿泊料金の割引や温泉の優待券、ワンドリンクサービスなど、多種多様なおもてなしでサポートする制度です。
特に宿泊施設では、自転車の保管場所やランドリー施設、スポーツサイクル用の空気入れなど、サイクリストには嬉しいサービスが充実しています。訪日客の日本のおもてなし文化へ期待が高まっているため、「四国一周サイクリング」のようなおもてなしや受け入れ態勢を整えておくことで、より満足度の高い体験となるでしょう。
サイクルツーリズムのインバウンド誘致成功例:瀬戸内しまなみ海道

観光庁は、2020年までに4,000万人の訪日客誘致を目指す上で、13のテーマで観光事業を強化することを明らかにしています。テーマの中には「自転車」が入っており、国をあげてサイクルツーリズムに取り組む姿勢が伺えます。
サイクルツーリズムのインバウンド誘致成功例として、瀬戸内しまなみ海道が挙げられます。
瀬戸内しまなみ海道で、自転車を活用した観光事業の推進を始めたのは約7年前です。台湾の最大手自転車メーカー「ジャイアント社」や関連団体等と提携しプロモーションを行ったことで、サイクルツーリズムで成功している台湾からも、しまなみ海道サイクリングを目的に多くの自転車愛好家が訪れるようになりました。
その結果、英CNNが選ぶ「世界で最も素晴らしい7つのサイクリングコース」に選ばれ、2014年からは2年おきに「サイクリングしまなみ」という国際大会が開かれています。2018年は10月28日に第3回大会が開催され、国内外から 7,000名の参加者が集いました。
橋を渡りながら、眼下に広がる穏やかな海に数々の小さな島々が浮かぶ景色が楽しめるようなコースは、世界的にも珍しく、年々注目度は高まっています。
普段は自動車でしか走ることができない道路で、開放感あふれるサイクリングを楽しめるのも、大きな魅力の1つです。瀬戸内しまなみ海道を往復するロングコース、今治・尾道間を駆け抜けるミドルコースなど、レベルや興味関心に合わせて7つのコースが用意されました。途中の休憩ポイントでは、地元民を含めたボランティアが、みかんゼリーなどの地元グルメや飲み物を提供し好評でした。
2017年に広島県尾道市を訪れた訪日外国人観光客は11年連続で過去最多を更新、観光消費額の推計値は前年比の1.5%増と、9年連続増加という結果になりました。瀬戸内しまなみ海道のサイクルツーリズムによるインバウンドの地方誘致の成果と言えるでしょう。
まとめ:インバウンドの地方誘致は自治体発信が鍵
サイクルツーリズムを通じて、地域独自の景色や文化、気候、そして地元民とのふれあいをPRし、インバウンドの地方誘致に繋げる動きは今後さらに加速されると言えます。愛媛県が台湾と連携し「四国一周サイクリング」を宣伝しているように、自治体が率先して地道に訪日客を呼び込む努力をすることこそ、インバウンドの地方誘致を促進させる鍵と言えるでしょう。
<参考>
- 愛媛県自転車新文化推進協会:四国一周サイクリング|疾走感、出会い、観光、食を楽しもう!
- サイクリングしまなみ:瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ2018」
- 産経新聞:昨年の尾道観光客数、外国人も自転車も最多更新 観光消費額は前年比1.5%増
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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