チケット転売規制法成立、ネット上での転売もアウトってホント?/2020東京オリンピックチケット、価格や販売開始は?

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※新型コロナウイルスのパンデミックを受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。

2020年の東京オリンピックまであと600日を切りました。政府や東京都、オリンピック組織委員会などを中心に、目下急ピッチでの準備が進められています。

そのような中、スポーツやコンサートの入場券の高額転売を規制するチケット転売規制法が8日、国会で成立しました。2020年の東京オリンピックを前に、以前から問題になっていたチケットの高額転売を取り締まる法律の必要性が高まり、今回の法案成立に至ったということです。

チケット転売規制法が成立したことで、今までとは何が変わるのでしょうか?これまでは規制対象外だった行為も、施行後は違法となってしまう場合があることがわかりました。詳しく見ていきましょう。

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チケット転売規制法って?

12月8日、チケット転売規制法が参議院本会議にて全会一致で成立しました。正式名称を「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案」といい、年内に公布、6か月の周知期間を経て6月中旬に施行されるということです。これはイベントチケットの高額転売を規制する法律で、施行後は営利目的でのチケット転売が禁止されます。

規制対象となるのは、転売禁止が明記され、販売時に本人確認などの転売防止措置がなされたイベントチケットです。対象となるチケットに定価以上の値段をつけて営利目的で販売することが禁じられ、違反者には1年以下の懲役か100万円以下の罰金、あるいはその両方が科されることになっています。

対象となるチケットは、イベントの内容でも区別されます。チケット転売規制法では「興行」のチケットの転売を禁じています。ここでいう「興行」とは映画、演劇、演芸、音楽、舞踏などの芸術・芸能と、野球、サッカー、オリンピックなどのスポーツを指します。音楽フェスの駐車券やアイドルの握手会のチケットなどが高額で転売される事例は数多くありますが、これらは「興行」ではないため対象になりません。

また、個人の都合でイベントに行けなくなりチケットを知人に譲るといった場合は、営利目的ではないため規制の対象になりません。さらに、この法律では「販売」が禁止されているため、不正転売目的でないかぎり違法転売屋からチケットを購入した人が罪に問われることはありません

2020年五輪のチケット、価格や販売開始は?

今回成立したチケット転売規制法は2020年のオリンピックを見据えた法整備の一環で、国会での審議も主にオリンピックのチケットを念頭に置いて行われました。国による法整備が行われる一方で、組織委員会はオリンピックのチケット販売について審議を進めています。

気になるオリンピックのチケットですが、価格や販売時期はどのようになっているのでしょうか?

組織委員会によると、オリンピックの開閉会式のチケットは12,000円~300,000円、競技の一般チケットは2,500円~130,000円で、パラリンピックは開閉会式のチケットが8,000円~150,000円、競技の一般チケットは900円~7,000円ということです。種目ごとに値段が変わりますが、チケット全体の半分以上が8,000円以下で購入可能だということです。

日本国内向けチケットの販売開始は、2019年春以降を予定しています。公式チケット販売サイトで購入する際は「TOKYO 2020 ID」というものに登録する必要があり、登録自体は現在すでにできるということです。

国内分、海外分などのチケット分配についてはまだ公表されていません。参考までに2000年開催のシドニーオリンピックでは、オーストラリア国内販売分が75%海外一般販売分が8%、その他はIOCや国際競技連盟、選手、スポンサー、メディアとなっていました。

シドニーオリンピックの分配割合を見ると、やはりチケットの販売は国内が中心になることが予想されます。今回オリンピックを前に成立したチケット転売規制法も、国内でのチケット転売を主な対象としているといえます。

ネット上での転売もアウト?パッケージ化してもダメ?

オリンピックを見据えて成立した今回のチケット転売規制法ですが、施行後は今までと何が変わるのでしょうか?また、だれが気をつけなくてはいけないのでしょうか?

今回のチケット転売規制法は、今まで各都道府県で別々に行われていたチケット転売の取り締まりを全国で画一的に行おうというものです。

今までと最も大きく変わったといえるのが、インターネット上での転売行為も取り締まりの対象となったことです。これまでは、都道府県の迷惑防止条例によってチケットの転売が規制されていましたが、転売目的でチケットをインターネット上で購入し、インターネット上で転売するという場合は規制の対象外でした。

しかし近年はフリマアプリなどの発達により、インターネット上での売買が以前よりも容易にできるようになっています。それに伴い、インターネット上での転売行為も多く見受けられるようになっています。

今までは規制の対象外だったインターネット上での転売行為も、今回のチケット転売規制法施行後は違法となります。インターネット上で転売屋として活動していた人は注意しなければならないでしょう。

またチケット転売規制法では、ほぼ無料のグッズ等におまけでチケットをつけ、グッズのほうに高額な値段をつけてチケットは定価で売るといったパッケージ販売も禁止されます。これはチケットを売ることで利益を出そうという販売方法にほかならず、チケットを定価以上の値段で販売したとみなされるからです。

このような場合は「実質的に」どうであるかが重要になるので、悪意がなくともパッケージ化した際は注意が必要です。

海外での転売は?

世界的なスポーツイベントであるオリンピックに際しては、チケットが日本国外で転売される可能性も否定できません。そこで、日本のチケット転売規制法が国外で適用されることがあるのかということについて考えてみましょう。

基本的に、ある国の法律はその国以外では適用されないことになっています。これを法律用語で「属地主義」といいますが、過去には例外がいくつかあります。

昨年12月最高裁で、東南アジアにある日本企業5社の子会社に納入するブラウン管を巡り日本国内・国外合わせて11社が価格カルテルを締結していたことに対し、日本の公正取引委員会が独占禁止法を適用できるかどうかということが審議されました。

その結果最高裁は、日本市場に影響を及ぼす場合、国外のカルテルでも日本の独占禁止法を適用できるとしました。

ある国の法律が国外で適用されることを「域外適用」といい、日本でみられる域外適用は、主に独占禁止法です。

日本で行われるスポーツイベントのチケットが海外で不正転売された場合、日本に不利益があるのは明らかです。しかし域外適用というのはあくまでも例外的な位置付けです。今回のチケット転売規制法が同様に域外適用となるのかについては、今後の動向を注視する必要があるでしょう。

まとめ:

チケット転売規制法が成立したことで、今までは都道府県でそれぞれ行われていたチケット転売の取り締まりが全国で統一されることになりました。また、都道府県の迷惑防止条例では規制できなかったインターネット上での転売行為も禁止となり、不正転売行為のさらなる抑制が期待されます。

一方現時点では、東京オリンピックのチケットといえど海外での転売行為は規制することができません。他にも"穴"があることが予想されますが、これから検挙数を増やしていくとともに法改正を行うことで、そのような"穴"を埋めていく必要があるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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