「言語の壁を無くしたい」個人と通訳者をつなげるオンデマンド遠隔通訳アプリ 「Oyraa(オイラ)」が生まれたワケ〜前編〜

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2018年は訪日外国人数が初の3000万人を突破。2019年はラグビーワールドカップもあり、さらに訪日外国人が増えると予想されます。しかしながら、訪日外国人が増えれば増えるほど課題として出てくるのが、訪日外国人とのコミュニケーションの課題です。

2017年2月7日に観光庁が発表した「受入環境について訪日外国人旅行者へのアンケート」では、旅行中でもっとも困ったことに「施設等のスタッフとのコミュニケーション」があげられています。

このような、言葉が通じないといったコミュニケーションの課題を解決するべく取り組んでいるのが、株式会社Oyraaの代表取締役コチュ・オヤ氏です。「Oyraa(以下、オイラ)」という、通訳者と個人をつなげるオンデマンド遠隔通訳アプリを提供しており、外国人とのコミュニケーション課題を解決しようと取り組んでいます。

今回は訪日ラボがオイラについて様々な角度からインタビューしてきました。

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通訳者と個人をつなげるオンデマンド遠隔通訳アプリオイラ

-オイラについて教えてください

株式会社Oyraaの代表取締役コチュ・オヤ氏(以下コチュ・オヤ氏):

オイラを一言で説明すると、24時間365日対応のオンデマンド遠隔通訳アプリです。必要な時に、いつでも・どこでも、専門性の高いプロ通訳者にスマホやタブレット端末で即時にアクセスして、誰でも利用できます。

オイラ説明資料より抜粋
オイラ説明資料より抜粋

必要なときに、いつでも・どこでも使えるのがオイラ

-個人の方がオイラを活用する利点はどういったところにありますか?

コチュ・オヤ氏:

必要なときに、いつでも・どこでも専門性の高いプロ通訳者に通訳をしてもらえることです。

例えば、日本人が旅行や仕事で外国人と接点を持つ際に、簡単な英語なら伝えられるでしょう。しかし、契約などの専門的で複雑なことを伝える場合は、その国の言語を理解している人じゃないとうまく伝えられないことが多いでしょう。そういった際にオイラを活用していただければ、事前に予約もする必要もなく、瞬時に通訳者が通訳をしてくれます。

オイラは、153ヶ国語/142の専門分野に対応しているので、ほとんどの言語や分野に対応できます。例えば「スワヒリ語を話す人とコミュニケーションを取るので、通訳をお願いしたい」というような珍しいケースでも活用できます。

他にもメリットとしてあるのが、1分毎で課金されるというわかりやすい料金体系です。通訳者ごとに1分ごとの単価が記載されています。通常、通訳を依頼しようとすると、数時間単位ではないと予約できません。そのため、30分や1時間の利用を考えていても、余計なコストがかかってしまいます。

しかしオイラの場合は、使った分だけの課金なのでわかりやすく安心して利用できます。

-通訳者の方々から活用する利点を教えてください

コチュ・オヤ氏:

通訳者の方々のお仕事を増やせるのではないかと考えています。オイラを活用して、遠隔で通訳の仕事ができるので、Wi-Fiさえあれば仕事ができますし場所を選びません。

従来の仕事の仕方だと、移動などのコストを考えると、例えば1時間だけの通訳の仕事だと割に合わないと、お仕事を断ってしまうケースが多かったみたいです。最低でも3時間以上の仕事でないと受けないという方もいたそうです。

オイラであれば、数分〜1時間だけでも通訳の仕事ができます。オイラを通してネットさえ繋がればどこでも仕事ができるため、移動する必要がありません。そのため、通訳者の方々のお仕事を増やせると考えています。

友人の悩みを解決できるサービスがどこにも無かった

-なぜ、オイラを始めたのですか

コチュ・オヤ氏:

私は日本の大学に留学していて、その後日本にある外資系のコンサルティング会社に勤めていました。日本に訪れて8年近く経っていましたので、片言ではありますが日本語もそこそこ話せるようになりました。

そんな時に、日本で暮らす外国人の友人から「伝わらなくて困っているから通訳してくれないか?」という依頼を沢山もらうようになりました。

インタビューに答えるコチュ・オヤ氏
インタビューに答えるコチュ・オヤ氏

-どんなことを通訳してくれと依頼が来たのですか?

コチュ・オヤ氏:

不動産が借りれなくて通訳してほしい」というような相談ですね。当時、日本人の保証人がいないと外国人は不動産を借りることができませんでした。私の友達は日本人の保証人がいるのですが、なぜか借りれませんでした。そこで私が代わりに会話した所、私の友人と不動産屋の間でコミュニケーションの齟齬が起きていたことがわかりました。私がそのコミュニケーションの齟齬を解決したことで、ようやく無事に借りることができました。

その他にも、「不動産の契約書がわからないから通訳してほしい」や「子供が熱を出して病院に来ているが、症状をうまく伝えられない」といった、通訳してほしいという依頼が私の元に数多く来ました。

たいていの場合、私が通訳として入ると、5分、10分くらいで解決します。しかし、それが仕事中でも頻繁にかかってくるようになりました。友人が困っているので助けたいのですが、当時、コンサルティング会社の仕事がかなり忙しい状況でした。そのため、全部対応することもできなくなってしまいました。

その際に、困った時に通訳をお願いできるサービスって無いのかな?と思い調べてみた所、法人向けの通訳サービスはたくさんあるのですが、個人向けの通訳サービスはないことに気づきました。

法人向けのサービスを利用すると、どうしても費用が高くなってしまいますし、予約するのにも手間がかかります。「必要な時に、必要な分だけ通訳してくれるサービスがあったら、みんなの課題を解決できるのに……」と思い始めたのがこの分野に興味を持ち始めたのがきっかけです。

-なるほど。外国人の友人たちが抱える課題からスタートしたのですね

コチュ・オヤ氏:

はい。そこから通訳の市場をリサーチし始め、通訳者や外国人の友人達にヒアリングする中で、課題を解決したいと思いがさらに強まりました。通訳をお願いしたい方々の課題は、ある程度把握していたのですが、通訳者側の課題はリサーチする中でわかりました。

仕事が安定的では無かったり、仲介会社が入ると、通訳者の利益が少なくなってしまったりするのが課題でした。そこで通訳をお願いしたい方と通訳者を直接マッチングができれば、課題を解決できるんじゃないかと思い、株式会社Oyraaを設立しオイラをはじめました。

インタビューに答えるコチュ・オヤ氏
インタビューに答えるコチュ・オヤ氏

オイラで言葉の違いで起きる問題を解決していく

-今後の展望をお聞かせください

コチュ・オヤ氏:

オイラを沢山の方々に活用してもらい、言葉の違いで起きる問題を解説してもらいたいと考えています。今年はラグビーワールドカップ、2020年はオリンピックが控えています。今まで以上に外国人の方々が日本に訪れるようになると思います。コミュニケーションの機会が増えると思いますので、コミュニケーションに困ったらぜひ、オイラを活用して見てください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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