手ぶら観光サービスがインバウンド消費を加速/訪日客・宿泊施設双方の負担軽減に効果的!関西初のサービスも登場

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全但バス株式会社とヤマト運輸株式会社は2018年12月19日より、訪日外国人観光客向けの手ぶら観光サービスの提供を開始しました。関西でも有数の温泉地として有名な兵庫県豊岡市の城崎温泉と大阪間で手荷物を輸送するサービスで、関西初の試みとなっています。

城崎温泉の手荷物配送サービスの狙い、先行事例として「LUGGAGE-FREE TRAVEL」の効果をふまえた上で、今後のインバウンドの受け入れ体制強化に向けた手ぶら観光サービスの可能性を見ていきましょう。


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城崎温泉での訪日客の滞在時間を伸ばす狙い

▲訪日客の注目も集まる城崎温泉
兵庫県豊岡市に位置する城崎温泉は、近年訪日客が急増している地方観光地の1つです。家族経営の旅館が予約サイトに対応したことなどが効果を発揮し、直近5年で城崎温泉を訪れた訪日外国人観光客は36倍に増えました。

訪日客の誘致に成功した一方で、多くの旅行者は大きな荷物を持ったまま移動するケースが顕著となっています。観光地で身動きがとりづらく満足に観光が楽しめないことから、城崎温泉周辺での滞在時間が短くなってしまうといった課題が挙がりました。城崎温泉周辺での観光をより楽しんでもらうこととインバウンド消費の活発化を目指し、全但バスとヤマト運輸による、城崎温泉から大阪市内のホテルへの手荷物の当日配送サービスを開始しました。

手ぶら観光サービスによるタビマエ・タビナカの訪日客のメリットとは?

▲PR TIMES記事より引用
手ぶら観光サービスを利用するためには、全但バスが運営する城崎温泉ツーリストインフォメーション「SOZORO」のWEBサイト、またはインバウンド向け宿泊予約サイト「Visit Kinosaki」にて、旅行前に申し込みが必要です。料金は送料が2,030円となっています。

実際に荷物を預ける際は、城崎温泉で旅館をチェックアウト後、「SOZORO」のカウンターに荷物を持ち込みます。申し込み時に発行された2次元コードをカウンターでかざすだけで、宅急便の送り状が発行されるといった便利な仕組みが特徴です。城崎温泉で預けた荷物は同日中に、宿泊先となる大阪市内のホテルでのチェックイン時に受け取ることができます。なお、現在サービスを提供しているのは、大阪市北区と福島区のホテルのみです。

利用する訪日客の最大のメリットとしては、大きな荷物を常に運ぶ必要がなく、より身軽に観光が楽しめる点が挙げられます。事前にウェブ申し込みができることから、訪日外国人観光客にとってはハードルの高い送り状の記入が不要となり、カウンターで2次元コードをかざすだけなので、よりスムーズに宅急便を利用できるといったメリットがあります。

手ぶら観光サービス先行事例:『LUGGAGE-FREE TRAVEL』

▲JTB:LUGGAGE-FREE TRAVEL公式ウェブサイトより引用

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、観光のJTB、物流のヤマトグループ、情報技術のパナソニックが協業し強みを生かしたサービス、「LUGGAGE-FREE-TRAVEL(以下LFT)」が2018年1月から提供を開始しています。

事前にオンライン上で荷物の配送を予約し、当日は受付カウンターでQRコードを提示するだけで荷物を預けることができるシステムです。LFTは空港から宿泊施設の配送だけでなく宿泊施設間の配送も実施しており、混雑した駅や新幹線、街中での訪日客のストレス軽減が期待されています。

LFTは旅行者の利便性はもちろん、宿泊施設の負担削減にも着目しました。配送カウンターを設けている宿泊施設が多い一方で、伝票を日本語で書くことが困難な訪日客に対して施設側が代筆、次の宿泊施設の情報を聞き出し料金を徴収する...など、チェックアウト時に集中する配送のやりとりの負担は非常に大きいのが現状です。宿泊施設側の課題も解決できるよう、配送に必要な予約情報とQRコードによる簡単認証を連携する仕組みを実現しました。

結果として、LFTは旅行者とスタッフ双方の負担軽減に効果を発揮しています。導入前まで15〜20分ほど要していた宿泊施設での配送手続きは、LFT導入後はわずか1分半まで大幅に短縮することに成功しました。利用者アンケートでも、9割以上の人に素晴らしいとの評価を得ているとのことです。

まとめ:手ぶら観光サービスの推進で訪日客の消費行動を活発化

手ぶら観光サービスは、訪日客の利便性向上はもちろん、宿泊施設側の配送サービスの負担軽減にも効果的であることが明らかになりました。全但バスとヤマト運輸は、今後も連携を強化し城崎温泉〜大阪間のみならず他地域でのサービス展開も検討し、LFTは2018年9月末時点で約600施設ある取次店のさらなる拡大を目指していくとのことです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた、手ぶら観光サービスという視点からのインバウンドの受け入れ体制強化はより活発化していくでしょう。


<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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