ドイツ・シュトゥットガルト 世界最大級のBtoC旅行見本市「CMT 2019」とは/訪日インバウンドを誘致・来場者はリピーター観光客多数【現地レポート】

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2019年1月12日〜20日に、世界最大級のBtoC国際旅行見本市「CMT 2019」がドイツのシュトゥットガルトで開催されました。2018年開催時は、2,100以上の出展者が約100ヵ国360の地域や都市から集まり、26万5千人が来場、うち1,500人以上のジャーナリストが取材に訪れました。出展者の88%が「CMTへ来年も出展したい」、99%が「CMTを他の人たちに勧めたい」と回答したことから、非常に満足度の高い見本市と言えます。

「CMT 2019」で明らかになったドイツ市場ならではの来場者や、日本の訪日インバウンドを狙う企業・団体を含む各国ブースの特徴をイベントレポートとして報告します。


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【CMT 2019】官公庁・旅行会社・宿泊施設など2,100以上の団体が出展

▲「CMT 2019」:会場内の様子
▲「CMT 2019」:会場内の様子

「CMT 2019」は、シュトゥットガルト空港から徒歩10分以内、シュトゥットガルト中央駅からも電車で30分以内の見本市会場「Messe Stuttgart」で開催されました。一般来場者に向けた旅行先の提案だけでなく、キャンピングカーとトレーラーハウスなどの大規模な展示も特徴的な見本市です。

10のホールのうち7ヶ所がキャンピングカーとトレーラーハウスの展示に使用され、残り3ヶ所では約100ヵ国360の地域や都市から集まった観光庁・旅行会社・ホテルなどの宿泊施設などがブースを構えました。

CMT 2019のJAPANブースはリピーターなど訪日インバウンド意欲の高い来場者が目立つ

▲「CMT 2019」:日本らしい暖簾が印象的なJAPANブース
▲「CMT 2019」:日本らしい暖簾が印象的なJAPANブース

JAPANブースでは、ヨーロッパの旅行見本市で共通して使用している、日本らしい暖簾のデザインが来場者からの注目を集めていました。「CMT 2019」には日本政府観光局をはじめ、JTB・H.I.S.・全日本空輸・JR東日本・沖縄観光コンベンションビューロー・Japan Experienceや、日本向けの現地ツアーを取り扱うドイツの旅行会社、Unterwegs individuelles Reisen・Zentoursの全9団体が出展しています。

▲「CMT 2019」:リゾート需要の取り込みを目指す「沖縄観光コンベンションビューロー」のブース
▲「CMT 2019」:リゾート需要の取り込みを目指す「沖縄観光コンベンションビューロー」のブース

沖縄のPRブースでは、3週間〜1ヶ月の長期で旅行を計画するドイツ人観光客のビーチ需要の高まりを受け、沖縄の美しい海やダイビングなどのマリンアクティビティの充実度をアピールしました。

担当者によると、東京や京都などの有名観光地以外に魅力的な都市の情報収集のために、リピーターも多くブースを訪れていたとのことです。個人観光客はもちろん、言葉の面を心配しグループツアーを探しにブースに立ち寄るケースも見受けられました。

韓国のソウルなど、周辺のアジア諸国とあわせて沖縄を旅行できることや、京都などで忙しく観光をした後にのんびりリラックスする場所として沖縄を選択するなど、あらゆる楽しみ方ができる観光地として、来場者を惹きつけていました。

▲「CMT 2019」:訪日ツアーを手がけるドイツの旅行会社「Zentours」ブース
▲「CMT 2019」:訪日ツアーを手がけるドイツの旅行会社「Zentours」ブース

ドイツに本拠地を置く現地旅行会社のブースにも、多くの来場者が足を止め、熱心に情報収集に当たっていたのが印象的です。

出展者によると、来場者の傾向として全体的にはリピーター観光客の40代以降が多い一方で、週末の開催日には家族連れやカップルも目立っていたとのことでした。訪日インバウンド旅行におすすめの季節や、大都市の観光地だけでなく北海道や沖縄などの島をはじめ、地方都市について質問する来場者が多かったようです。

家族連れやアクティブシニアを対象としたアウトドアツーリズムのPRが盛んなCMT 2019

▲「CMT 2019」:キャンピングカーの展示盛んな会場内
▲「CMT 2019」:キャンピングカーの展示盛んな会場内

キャンピングカーやトレーラーハウス専用の展示会場以外にも、国や地域ごとにキャンプなどのアウトドアツーリズムをPRしているブースが非常に多い印象を受けました。

全体的に60代以上の来場者も多数見られる中で、ハイキングやキャンプなどのアウトドアアクティビティに注目する旅行見本市は、老若男女問わずアウトドア好きな観光客が多いという傾向があるドイツならではと言えるでしょう。家族連れはもちろん、アクティブシニアのご夫婦でキャンピングカーやトレーラーハウスの見学に訪れている来場者が目立ちました。

CMT 2019ではSNSの活用より体験コーナーによるプロモーションが効果的

▲「CMT 2019」:JAPANブースで書道の体験を満喫した来場者
▲「CMT 2019」:JAPANブースで書道の体験を満喫した来場者

来場者の年齢層が比較的高いこともあり、他の旅行見本市では定番のFacebookやInstagramなどのSNSを活用したプロモーションを実施するブースは少なかった印象です。SNSの代わりに、体験コーナーで来場者の集客に繋げていたブースが印象的でした。

JAPANブースでは、書道や折り紙などの日本文化体験ワークショップを開催し、連日多くの来場者を惹きつけていました。

担当者によると、土日は小さいお子さん連れに折り紙のワークショップが大人気で、日本文化の魅力発信から訪日旅行の認知・興味拡大に繋げられたとのことでした。ドイツでは抹茶の知名度はすでに高く、茶道のワークショップで「初めて本物の抹茶を体験できた」と話すドイツ人来場者が見受けられたそうです。書道のワークショップを訪れた来場者に話を聞いたところ「まだ日本は訪れたことはないが本当に美しい国!日本食や日本の田舎風景、人々の生活など全てが興味深い!」と、簡単な日本語の挨拶とともに嬉しそうに話してくれました。

リピーターだけでなく、今後訪日旅行を予定している来場者の訪日インバウンド意欲喚起に、日本文化の体験ブースは効果的と言えるでしょう。実際に来場者の中には、現地ツアー会社のブースで旅程を相談後、その場でツアーを即決するケースも見られたとのことです。

【CMT 2019】会場図や資料を活用し計画的に見学するドイツ人来場者

▲「CMT 2019」:会場入り口付近で会場図を熱心に読み込む来場者たち
▲「CMT 2019」:会場入り口付近で会場図を熱心に読み込む来場者たち

他国の旅行見本市に比べ、ドイツ人来場者は入場したらまず会場図を熟読し計画的にブースを訪れようとする様子が印象的でした。何事も計画的に行動する傾向を持つドイツ人の特徴は、旅行の計画の際にも表れると言えるでしょう。

資料を紙のバッグにまとめて配布しているブースも多く、複数のバッグを持ち歩き休憩時に資料を読み込む来場者の姿が見受けられました。

まとめ:CMTはシニア訪日外国人観光客へ地方の魅力を発信する絶好の機会!

「CMT」は世界最大級のBtoC旅行見本市として、主にドイツ人のアクティブシニアや家族連れに向けたPRが効果的な場と言えます。訪日旅行のリピーター観光客も多く訪れる傾向にあることから、地方へのインバウンド観光客誘致を促進する絶好の機会です。出展する際には、SNSのプロモーションだけでなく、体験ワークショップの開催がより来場者を惹きつけるでしょう。

「CMT 2020」は、1月11日〜19日に同じくMesse Stuttgartにて開催予定です。参加事業者の募集と出展の詳細は、毎年9〜10月頃にJNTOから発表されます。タイミングを逃さないようJNTOのプレスリリースを随時チェックしましょう。

「CMT 2019」イベント情報

イベント名:CMT 2019

開催国・都市:ドイツ・シュトゥットガルト

開催日:2019年1月12日~20日

会場:Messe Stuttgart

対象: 一般消費者

来場者数:26万5千人(2018年実績)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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