訪日フィリピン人観光客は増加の傾向にあり、2012年から2016年にかけて訪日フィリピン人の数は4倍以上になっています。背景にはビザの条件緩和や、LCCの路線拡大などが。そんな拡大する訪日フィリピン人市場から効率的に集客をするためには、どうすれば良いのでしょうか?
訪日フィリピン人市場の特徴などを把握し、SNSやインターネットメディアをうまく利用して、プロモーションする方法を考えていきましょう。
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訪日フィリピン人市場の特徴は?
日本を訪れるフィリピン人観光客の数は、4月頃増加する傾向にあります。他の東南アジア諸国からの訪問者数は12月が一番多いので、4月に訪問者数が多いのは異例。また親日家が多く、日本で日用品のショッピングをしていく人が多いのも特徴です。
1. 親日度が高い
電通の「ジャパンブランド調査2017」によると、世界の20ヵ国・地域の中で、日本への好感度が高い国のトップは同率でフィリピンとタイ、ベトナムです。これらの国には日本を訪れたいと思っている人も多く、訪日意向のランキングではフィリピンが1位という結果になっています。
フィリピン人が日本に来てやりたいことは、「家族・友人・知人と体験を通じて思い出をつくりたい」が高いスコアに。フィリピン人の家族を大切にする傾向が出ています。
訪日フィリピン人観光客に向けたプロモーションを行うことで、大きな結果を得られるでしょう。
2. 2017年の訪日フィリピン人は42万人
2013年にビザの条件が緩和されたことにより、訪日フィリピン人の数は大幅に増加しています。2017年の訪日フィリピン人数は42万人、2018年には初めて50万人を超えて過去最高となりました。ジェットスターやフィリピン航空の新規路線就航や既存路線の増便や、訪日プロモーションの効果により訪日ブームが盛り上がったといえるでしょう。
3. 平均泊数は約1か月!?
観光庁が発表した「平成28年 訪日外国人消費動向調査」によると、訪日フィリピン人の平均泊数は28.3泊でした。全国籍の平均宿泊数は10泊ですので、フィリピン人の平均宿泊数はトップクラスになります。とはいえ、おそらく手稼ぎ的な訪日も多いと思われ、実際の観光客の宿泊数とは乖離がみられるでしょう。
また訪日フィリピン人の半数以上が女性で、特に20代と30代の女性の比率が多くなっています。そのため、訪日フィリピン人を対象とした誘致プロモーションでは、20~39歳の若い女性をターゲットにすると効果的でしょう。
フィリピン人の情報意識は?インターネットは利用している?
近年、インターネットを利用した海外へのプロモーションが盛んに行なわれています。フィリピン人は情報収集を積極的に行う傾向にありますが、インターネットプロモーションはフィリピン人にも有効なのでしょうか。フィリピン人のインターネットの利用状況を解説していきます。
情報収集に対する意識は?
JTBが行った「フィリピンからの訪日旅行に関する調査研究 第1回」によると、情報に対する意識調査の結果では、91.8%と極めて高い割合の人が「面白いと思った情報は周りの人に話したくなる」と回答しています。この調査で90%を超える項目がある国・地域はフィリピンのみです。「情報収集は自ら積極的におこなうほうだ」という回答も90.3%と非常に高い割合になっており、口コミによる情報収集に積極的な様子がうかがえます。
「最低限の情報を持っていれば十分だ(52.8%)」、「情報収集に時間をかけるのはもったいない(35.0%)」という情報に対する関心の薄さを象徴する2項目は最下位。フィリピン人の手間や時間を惜しまないで良い情報を得ようとする傾向がみられます。
また、観光庁消費動向調査の「2017年年間値の推計」によると、「訪日中に役に立った情報源」として「インターネット(スマートフォン)」が66%でした。世界平均(69.9%)に比べるとやや低いですが、多くのフィリピン人が訪日中にインターネットを利用しています。
インターネット利用状況は?

「Digital in 2018 in Southeast Asia Part 2 - South - East」によると、フィリピン人の63%がインターネットを利用しているそう。ほかの国に比べると普及率は低めですが、多くの人がインターネットを利用していることがわかります。インターネットの利用率は、2017年の同じ統計より12%(700万人)UP。
インターネットを利用する人は、1日のうち平均9時間29分をインターネットの閲覧に時間を費やしているほか、58%の人が毎日利用しています。
フィリピン人は観光メディアを利用している?
多くのフィリピン人がインターネットを利用していることがわかりましたが、訪日フィリピン人は、どのような情報源を利用して情報収集をしているのでしょうか。フィリピン人が利用している情報源について詳しく説明していきます。
「訪日前に役に立った情報源」1位は”日本在住の親族・知人”
観光庁の消費動向調査「2017年年間値の推計」によると、訪日前に役に立った情報源として、フィリピン人の38%が「日本在住の親族・知人」と回答しました。また2位は「自国の知人・親族」でした。
全国籍での統計を見ると「個人ブログ」が31%で1位、「日本在住の親族・知人」は14%で6位という結果になっています。このことから、フィリピン人の特徴として、親族や知人からのクチコミの情報を信頼する傾向が強いことがわかります。
フィリピン人はFacebookをよく利用する?

「Digital 2018」の調査では、フィリピンで「最も利用されているウェブサイト」は、Googleをおさえて「Facebook」が1位という結果でした。フィリピンにおけるFacebookの月間アクティブユーザーは、人口の約7割に当たる6700万人にも上ります。もしかすると、一人で複数のアカウントを持っている人もいるかもしれません。
ユーザーは大部分が18歳から34歳の若い世代。Facebookの友達数が多いことは、家族や友達とのつながりを重要視するフィリピン人の傾向をよく表しています。フィリピン人にとってのFacebookは日本でいうLINEのような感覚で、ポピュラーな連絡手段としても利用されているそう。
このことから対訪日フィリピン人には、Facebookを利用したプロモーションが非常に有効であるといえるでしょう。
まとめ:フィリピン人へのプロモーションにはFacebookが効果的
訪日フィリピン人観光客は、2013年のフィリピン人に対するビザの緩和により、急激に増加しています。また、日本での滞在日数も非常に長い傾向にあり、プロモーションによるインバウンド効果もかなり期待できるでしょう。プロモーションは、フィリピン人が日本の何に興味を持っているのか、どんな方法で情報にアクセスしているのかを調査することで、効果的に行えます。
フィリピンではインターネットの普及は進んでいますが、情報収集には家族や知り合いからの情報に重きを置く傾向があるということがわかりました。特にFacebookの利用率が非常に高いので、観光メディアよりもFacebookを活用してプロモーションをしていくと効果的でしょう。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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