インバウンド大国フランス・パリの人気観光スポット「エッフェル塔」。実は夜間ライトアップの写真を無許可でインターネット上に公開することは、著作権違反に該当します。いまやインバウンド誘客の手段として利用する企業も多いSNSですが、運用にあたっては画像や動画の使用方法に注意が必要です。
日本の観光名所の例もふまえ、インバウンド事業のSNS担当者が観光名所の写真をSNSで使用する際の注意点と、正しいSNS運用の重要性について見ていきましょう。
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エッフェル塔の夜景写真が違法な理由

エッフェル塔の夜間ライトアップの写真やムービーを、無許可でインターネット上にアップすることが違法な理由として、著作権の問題が関わってきます。フランスが加盟するEUでは、著作権が保証される期間を本人の生存期間に加え死後70年までです。
昼のエッフェル塔は、著作権を持つエッフェル氏が亡くなった1923年から70年後の1993年に著作権が切れているため、全てパブリックドメインとなっています。しかし、エッフェル塔に照明が設置されたのは1985年であることから、夜間ライトアップ中のエッフェル塔には、まだ著作権が存在するといった仕組みです。よって、SNSやブログなど不特定多数の人が閲覧可能な場所に掲載し、私的利用の範囲を超えていると判断された場合、著作権違反となります。
同じ規則はルーヴル美術館のピラミッドのライトアップや、デンマークのコペンハーゲンにある人魚姫の像にも当てはまることもあり、無許可で観光名所の写真をインターネットで公開するのは危険と言えるでしょう。
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日本の観光名所も事前に掲載許可の確認がベター
日本の人気観光名所でも、特に敷地内で撮影された画像に対し、販売や使用を許可していない場合があります。歴史的建造物や寺社仏閣などの画像を、インバウンド対策のためにSNSやウェブサイト上で使用したい場合は、所有者による使用許諾が必要となることが多いということを、しっかり覚えておきましょう。
訪日外国人観光客も多く訪れる法隆寺では、敷地内で撮影された画像は例外なくインターネットへの掲載を許可していません。東京スカイツリーも画像を広告・販促などで活用する場合、東京スカイツリーライセンス事務局から使用許可を得る必要があります。東京タワーも同様です。観光名所はそれぞれ独自の規定を設けている場合が多いので、写真の使用前に確認することを徹底しましょう。
SNS担当者は知らないとまずい!画像使用の注意点2つ

インバウンド事業のSNS担当者が特に意識すべき点は、著作権と肖像権です。いずれも権利を侵害するような画像の使い方をしてしまうと、第三者から使用差止請求や損害賠償請求を受けることもあるため、要注意の項目になります。
著作権は、著作物を創作することで取得する権利です。写真やイラスト、映像などはすべて創作した人の著作物となるため、第三者が勝手に使用することは著作権の侵害に当たります。第三者の撮影した写真や動画をSNS上で使用する場合は、使用許諾の取得や作品を購入するようにしましょう。前述したように、自身で撮影する場合も、観光名所によっては使用許可が必要になる場合もあるので注意が必要です。
肖像権は、本人の承諾を得ずに写真を撮影されたり、画像を無断で使用された場合に主張できる権利になります。観光地などの人が多い場所で撮影した写真には、第三者が写り込んでしまう可能性が高いため、本人を特定できる顔などはモザイク加工を施すようにしましょう。
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まとめ:インバウンドのSNS担当者は画像の使用方法に注意しよう
インバウンド業界では、海外へ向けたSNSでの情報発信は、自社のツアーやサービス、地域の魅力のプロモーション方法として効果的とされており、今後ますます活発化していくことが予想されます。SNS担当者は、画像や動画を使用する場合、著作権と肖像権への配慮をはじめ、所有者への使用許諾が必要となる場合もあることを、常に意識するようにしましょう。
<参考>
- GigaziNE:エッフェル塔の夜景写真を無許可でSNSなどに公開するのは違法
- amanaimages:建物編 どこから撮ればセーフ?!
- 東武グループ:東京スカイツリー知的財産使用に関するお問い合わせ
- WE LOVE SOCIAL:担当者が知っておくべきSNSに使う画像の基本知識
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