Booking.comが4月22日に発表した、旅行先でのホストとゲストの距離感に関する調査において、日本と世界では大きく認識が異なることが明らかになりました。宿泊施設におけるインバウンドの受け入れ態勢強化にあたり、日本と世界におけるおもてなしに対する認識の違いを把握しておくことは重要となるでしょう。訪日客により満足度の高い滞在を提供するために、日本の宿泊施設が把握しておくべき、海外ゲストが期待するおもてなしのあり方について見ていきましょう。
調査は、2018年12月14日〜2019年1月14日にオンラインアンケートを実施し、日本を含む世界29カ国・2万1500人の旅行者から得た回答をもとに集計されています。
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ホストで宿泊施設を決める時代!?
民泊の需要拡大といった背景もあり、世界中でホストとのつながりやコミュニケーションを重視する傾向が高まってきています。「宿泊施設のホストが提供してくれたサービスのおかげで、より良い旅行になった」と回答した割合は、世界で63%、日本でも約半数の47%となり、宿泊施設で受けたおもてなしが、旅行の満足度に大きく影響していることが明らかになりました。
宿泊施設の設備の充実度などだけでなく、ホテルスタッフやB&Bのマネージャーといったホストのおもてなしや人柄の良さが、旅行のハイライトの1つになり得ます。「ホストにまた会うことを旅の目的としている」と回答した割合は、日本では21%となっているものの、世界では51%となっており、訪日外国人観光客がホストとの再会を目的にリピーターとして再度宿泊することも十分期待できるでしょう。
海外ゲストはホストとのコミュニケーションを重視
本調査において、世界の約70%の旅行者が「2019年はオーナーやマネージャーと直接コミュニケーションが取れる宿泊施設に滞在する予定だ」と回答していることから、海外ゲストはホストとのコミュニケーションを重視する傾向にあると言えます。一方日本は22%となっており、直接コミュニケーションを期待するケースは少なく、ほどよい距離感を求めているという結果になりました。
ただし、「もてなしてもらったと感じるのには滞在中に1度ホストの姿を見れば十分だ」と回答した割合も、世界・日本ともに約半数にのぼっています。こまめな直接コミュニケーションが必ずしも有効というわけではありませんが、世界の旅行者の4分の3が、到着時にフレンドリーで親しみを持ちやすいスタッフがいることを期待していることから、ゲストが到着した際のおもてなしに工夫をすると、より印象的な滞在になると言えるでしょう。
万国共通のおもてなしの概念とお国柄による特徴とは?
宿泊施設のスタッフの温かい笑顔によるおもてなしは、口コミで高い評価を受けるのに重要なポイントとなっており、好感度の高い接客を心がけることは万国共通で大切です。笑顔での接客に加え、到着時にその土地ならではの飲み物やお菓子を用意しておくなど、一工夫あるおもてなしに期待する割合は、世界・日本問わず約半数となっています。
一方で、お国柄によるおもてなしに対する認識の違いも明らかになりました。「ゲストに十分な食事を提供することがカギ」と回答したのは、国際平均が69%であるのに対し、インド・コロンビア・ブラジルではそれぞれ約80%という結果です。上記の国々では、食の観点からおもてなしの質を判断する傾向にあると言えるでしょう。また、「ゲストに常にエンターテイメントを提供することが重要」と回答した割合が、国際平均は46%ですが、タイでは70%、中国では60%となっています。国や地域によって、おもてなしで期待する内容に違いがあることが明らかになりました。
まとめ:多様なおもてなしで訪日客の満足度向上へ
Booking.comの調査から、日本の旅行者に比べて海外からの旅行者のほうが、全体的に宿泊施設のホストとのつながりやコミュニケーションを重視する傾向にあることが判明しました。「ホストにまた会うことを旅の目的としている」と回答した割合も半数にのぼっていることから、インバウンドリピーターを獲得するためには、ホストによるおもてなしが鍵となるでしょう。
温かい笑顔によるおもてなしの重要性が万国共通な一方で、国や地域により求めるおもてなしのかたちが異なることも認識し、ターゲット市場の文化や慣習を事前に把握しておくことも重要です。今後は「人」をキーワードにした宿泊施設のPRも、訪日外国人観光客誘致に向けた1つの手段として、効果を発揮するでしょう。
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